開始から三年になろうとしている宇ー露 戦争に終結の兆しは見えない。他の国際情勢(イスラエルの対テロ報復等)の影に隠れてゆき、忘れ去られるのではないかとすら思えてくる。そんな中では武器支援や食料支援にも先細りの懸念もあり、ウクライナの継戦能力もどうなるものかと心配である。

 併せて、本戦乱が共産国家へのドミノ倒しを恐れる西側とインターナショナルな共産化を目指す東側の間、その東寄りに位置するウクライナの地理的な位置が全ての原因ではあり、ウクライナ国民になんの罪もないところに同情を禁じえない。

 

 さて、表題であるが、私の皮膚感覚ではウクライナという国がなくなるまで、ウクライナ国民が死に絶えるまでこの戦争は終わらないと思う。

 

 ホロドモールという言葉がある。第二次大戦前に Uncle Joe による食料強制挑発によって惹き起こされた人為的な飢饉である。この事によってウクライナでは大量の餓死者が出た。当たり前の事ながらロシア=ソ連に対する恨みが募る。当然の帰結としてウクライナはドイツ軍の侵攻を歓迎し、同時に反ソ側に立っての戦闘を行った。

 

 そしてドイツは敗北した。

 

 今現在でもホロドモールを直接体験した世代が辛うじて生き残っている。独ソ戦が終わった後の事を経験した世代も生きているし、両方の直接体験を語り継がれた世代が社会を動かしている。そして彼らは生まれた時からソ連の施政下で育っているのである。

 

 悲しいことだが、彼らには「戦後」のことが悲しいくらい見えてしまう。

 

 西側の武器援助(売却)も中古武器のゴミ捨て場である以上、ゴミがなくなれば捨てる必要もなくなり途絶える。

 実験場としての役割も実験が終わればそこまで。

 

 最新鋭の武器を売ってもらえばいいじゃないか。中古だろうと最新鋭だろうと、どうせ借金なんだから。

 

 「戦後」が見通せるウクライナ人にコゥフクはない。西側からの武器の供給が止まった瞬間使える武器は己の体だけになる。降伏してもホロドモールの再来があるだけなら、単に苦しみの中で死んでゆくなら、ロシア兵の一人でも道連れにするのが「正しい」選択だろう。最後の一人迄戦う・・・。大日本帝国のような気概ではなく、物理的に。

 

 その時、借金をしたウクライナという国は無くなり、その地の統治を引き継いだロシアが借金を引き継ぐことはない。

 

 貸し倒れ確実な国に金を貸す=武器を供与する国はない。

 

 元に戻って考えるに、地政学的に緩衝地帯としての価値があるかどうかが肝になる。ロシアにはありそう。だから攻め込んだ。西側には・・・

 

あまり重要度は高くなさそうだ。ならば、どうなる。

 

 百歩譲ってクリミア半島とセヴァストーポリ軍港をウクライナが奪取したら、その時に西側が仲裁・調停に乗り出すかもしれないが、そんなものロシアが飲む筈がない。

 

 この戦争、戦う意志に関わらず戦う能力がある最後の一人がウクライナの地から居なくなる時まで続く。その意志のない者は難民になる。そしてウクライナの地は空き地になり、ロシア人が入植することになるだろう。残っていた「ロシアに恭順の意を表していた者」すら駆逐して。

 

 その地の国号がウクライナなのかロシアなのか、別のものなのかは今の私には分からない

 

 

 

 

 

 日本もシベリア抑留を語り継がなければならない。資本主義のショーケースとしての繁栄のぬるま湯をロシアが用意してくれるとは思えない私からの提言である。