重賞に再昇格して五年目を迎える牝馬限定戦。冬場で荷を積むヒロインズカップとは趣を異にするが、今季初戦となる唯一のオープン馬と、好仕上がりの昨季女王の再戦にまず注目。ヒロインズカップほど上下の重量差は大きくないが、前四年でオープン馬が勝利した例はなく、格下勢もハンデを活かしての一発を目論む。激戦期待の好カードで必見の一戦。
（別定：オープン＝690キロ。Ａ１＝680、Ａ２＝670、Ｂ１＝660）
当レース連覇が懸かるダイヤカツヒメは、１月のヒロインズＣも制した昨季の春冬統一女王。５歳シーズンだけに昨季と比べるとハンデの恩恵は薄れているが、前走も骨っぽい牡馬相手に快勝と力は本物だし、一つ目の目標へ好仕上げ。小柄でも障害巧者で、終いの我慢が利くのも強み、厳しい流れでこそ真価を発揮する。ここも好勝負。
サクラヒメは今季初戦。これまで春先は存外動けていないが、一昨季は休養期間が長く、昨季はツメの不安明けだった。まず気配注目でも、気のいいタイプで本来は鉄砲も利く。ハンデ頭だが、ヒロインズＣでダイヤに40キロ与えていたのが10キロ差に縮まっての自身690なら対応可能。牡馬相手に重賞勝ちがあり地力は一枚上、仕上がりだけ。
昨季のクインカップを制し、４歳女王の座に就いたアローリキヒメは、以前より追って歩けるようになり大きく成長、牝馬同士なら力は互角以上。今季初戦がしぶとく歩く好内容で仕上がり上々だし、増量もむしろ歓迎。積極的に出たヒロインズＣでは障害で崩れ、ここも先行勢強力だが、ややジリっぽいだけに、やはり前で捌きたい。
シンエイアロイは昨季急成長を遂げ、年度末の世代限定特別で同厩ダイヤを抑えた星が光る。ここへ向けて昇級を嫌った初戦５着も、障害をまとめて伸びた内容は悪くなかったし、Ａ２格付ゆえにハンデも手ごろ。以前より格段に末脚が強化され、自在性を増したが、ここは前を行く人気馬を見ながらか。牝馬同士なら上位争い可能。
下りての末脚が光るスイは、昨季終盤に快進撃を見せ、本格化ムード十分。前走は障害で止まったが、叩いての上積みは見込めるし、重賞の今回はどのみちタメての後半勝負か。障害修正が条件でも荷物的には問題ないし、歩き比べになれば引けを取らない。展開の助けは必要だが、下りる位置次第では上位進出も可能で連穴の資格。
ヒロインズＣで２着のピュアリーナナセは、２歳シーズンとはいえ黒ユリ賞勝ちの実績もある。前走は障害で手間取ったものの、腰の入りは悪くなく、タメが利けば増量でも対応可能だが、下りてから以前ほど歩けず詰まる点がネック。リスタートは早く、消耗戦になれば再度浮上の余地はあるが、今回は終いそこまで縺れるかどうか。
ホクセイサクランボは相変わらずテンに遅く、相手強化の今回は無理にも行かないだろうが、重賞変わりで多少なりとも流れが落ち着くのは悪くない。660なら増量もそう気にならず、クインＣでは障害を上がれず競走中止となったが、下りてからは長く良い脚を使える。一度止まっても今井が気を抜かさず後半につなげられれば入着十分。
ニシキマリンの近走は障害で一旦止まる場面が目立つが、二腰目の入りは良く登坂力上位で、久々の重賞でも大きく乱れることはない。２歳時から素質を示していたが、昨季後半は好内容が続き、馬体も増えて実が入った印象。下りてからもしぶとく歩けるがジリっぽく、相手強化のここでは地力で劣るが、自身の力は出せるだろう。
ロングビユウテイは７歳にして初の重賞挑戦。晩成型でじっくりと地力を蓄え、確実にクラスを上げてきた。まだ特別勝ちすらなく、相手強化のここでは家賃が高いが、馬場は軽めでも適度に時計がかかる条件は合っている。追われてよく歩くだけに、まずは障害をまとめて後半につなげたい。
チャチャクイーンも初の重賞挑戦となるが、昨季は特別を含む６勝を挙げ、地力強化顕著。ややヒザの甘さは残るが、前走の内容も悪くなかったし、まだ伸びしろもある。相手強化で同型も強力な今回は展開面で窮屈となりそうなだけに、そう強気には出られないだろうが、力を試す場に。
※お詫び
以前の記事内で、「今季は基礎重量が20キロ増」と書きましたが、出走表を見ると、昨季と変わっておりませんでした。
公式サイトの番組表で「オープン 710kg」となっているのを見て、そう書いたのですが、私の勘違いというか早とちりだったようです(-_-;)
この表記でオープンのサクラヒメがなぜ690なのかは理解できず（牝馬だから20キロ減？ それはあくまで牡馬に対してのアローワンスであって、表記に対して、ではない。牝馬限定戦でっせ）、間違っているのは私ではなく、番組表のほうだと思うのですが(^^;
細かい揚げ足取りとかではなく、昨季まではこんな書き方をしていなかったんですけどね。どうしちゃったんでしょう。
ともあれ、私が誤った情報を書いてしまったことには変わりないので、ここでお詫び申し上げます_(._.)_