かなり時間が経ってしまいましたが、以前の記事「岩見沢競馬場」と同じ日の話です。
岩見沢競馬場の跡地を訪れた後、ハロンズ岩見沢こと岩見沢場外発売所へも寄ってみることにした。
その名称は昔からよく見聞きしているが、行ったことは一度もない。
自宅から離れた土地にある場外には、こんな時でもなければ、なかなか行かないものだ。
GoogleMapを頼りに進むと、本当に商店街の中といえる場所にあった。
↑結構な歴史を感じさせる外観。1988(昭和63)年6月開設とのこと。
↑この古めかしさ、たまらんね。きちんと開催回次まで掲示されているあたり、さすが岩見沢という感じがする。
↑ばんえい競馬を模したベンチ。残念ながらすでに冬囲いがなされていた。
まったく下調べもせずに来てしまったが、どこかの他場発売を行っているようで開いていた。
入口で手指消毒と検温をしたのちに入場する。
立ち止まり、初めて入る場内の様子を見渡していると、検温をしてくれた白髪頭の係員が声をかけてきた。
「今日は、大井と佐賀」
「あ、見学に来ただけなんです。…ばんえいファンなので」
「あ~そうかい、どうぞどうぞ、金払わなくたっていいからねー笑」
ずいぶんと歓迎されてしまったが、私は変に生真面目なところがあり、馬券を買うつもりもないくせに発売所に入ることには、ちょっとした抵抗もある。見方を変えれば単なる冷やかしだ。
普段ばんえいにお金を落としていることでご容赦願いたいが、馬券を買うことを目的として来ている方の邪魔にならないように見て回る。
↑広いな、というのが第一印象。間隔を空けて置かれた背付きの長椅子、モニターと発売機の数も多く、これなら快適に過ごせそうだ。
↑入場制限があり、発売機にはビニールカーテンが設けられていた。
↑喫煙所。というより喫煙席。パドックもオッズもレースも見られる。ここにガッチリ腰を据え、馬券を買う時だけ発売機に行けば良い。愛煙家への配慮も怠らない。
↑往時の岩見沢競馬場で撮影されたであろう写真が壁に掲げられていた。上の写真で手綱を握っているのは坂本東一、右に写っているのは岩本利春…かな。お二人とも現在は調教師。
訪れたのは金曜の夕方。この時間なら、当たり前のように、男性が9割以上で年齢層も高め。
その中で、新聞も持たず、(法要帰りだったゆえ)ダークスーツにグレーのネクタイ、黒のコートを羽織り、ウロウロしながらスマホで写真を撮る姿は浮いている。どこぞの職員が視察に来ているようにでも映るのではないかと可笑しくなってしまったが、常連オヤジどもの目線は新聞とモニターを行き来するばかりで、私のことなんか見ちゃいない。
↑カツタローの像。さすがに詳しくは知らないが、岩見沢の重賞で活躍し、農林水産大臣賞典(≒ばんえい記念)も制しているようだ。
顔に何が付いているのかと思ったら、マスクとフェイスシールドだった。私はあまり好きじゃないな、こういうの。
ハロンズ岩見沢で一番の見どころは、こちらの「たばこペーパークラフト」か。
おそらく昭和50年代の作品ではないかと思うのだが、すごいね~。見入ってしまった。
↑「婦人部」ということは、女性の方がお作りになったのだろうが、7番8番の馬の仕草とか、ばんえい好きならではの視点だと思う。
私は「女性は平地競馬よりばんえいを好きになる」説の持ち主だが、作者の方も、ファンだったに違いない。
↑4番、セブンスター号。
ひと通り見終え、退場。
変わらず出入口にいた係員に、
「ありがとうございました、お邪魔しました」
と声を掛けると、
「ご苦労様でした~!」
予想以上の元気な挨拶が返ってきた。
岩見沢は、単に以前ばんえい競馬が開催されていたというだけでなく、JRの駅にも、高速道路のサービスエリアにも、ばん馬の像がある、ばん馬の街。
詳しくは知らないが、四市体制が破綻を迎えた時、帯広と岩見沢の二場開催を模索したこともあるという。競馬場がなくなった今でも、かつての余韻が色濃く残る。
ハロンズ岩見沢、ばんえい好きならば一度訪れてみても損のない場所である。
ばんえい十勝の直営場外発売所は、現在八ヵ所。
・旭川北彩都場外発売所(レラ・スポット北彩都)
・北見場外発売所(ミントスポット北見)
・岩見沢場外発売所(ハロンズ岩見沢)
・釧路場外発売所(ハロンズ釧路)
・名寄場外発売所(ハロンズ名寄)
・網走場外発売所(アプスポット網走)
・琴似駅前場外発売所
・深川場外発売所(イルムふかがわ)
このうち、私が行ったことがあるのは、琴似(自宅から最寄り)、深川(実家がある)、そして今回の岩見沢の三ヵ所。
直営場外巡りというのも、ブログのネタとしては面白いかもしれない。
いやいや、釧路、網走、北見……札幌から遠すぎるわw
とても日帰りでは行けない。
休催期間にでも計画すっか。