相変わらず物資がありませんが、病院機能はそこそこ戻りました。

来週からは、優先度の高い手術から再開するようです。

地震のあった時刻、胸やら腹をを開いただけで、手術を終わらざるを得なかった人とか。よく1週間もったな。。。



在庫がないために尿バッグを換えることができません。

汚れてるし、感染のもとになる・・・というか、

すでに感染してることが分かり切っているのに。

早く届いてくれよー。と、こんなことがよく起きています。

参ったね。



被災地から外れててもこれなんだから、中心部なんか、

もっともっと、全然足りなのだと思いますと、

いくらか不安になる疾患が思いつきます。

急病ではなく、ずっとお持ちの慢性疾患です。

思いつくだけ、たまには医療者らしく警鐘を鳴らしてみます。

現代は医療が非常に発展し、よい薬も沢山できました。

逆に言えば薬に頼ることが多い、もし不足すれば、

たちまちに病態が破綻するということです。

テレビで言われていることもあれば、言われていないことも。



・心筋梗塞ほか心臓関連

抗血小板薬、硝酸薬、利尿薬、降圧薬などなど必要な薬は多数。

発作が起きたら大変危険。

手術を受けたことがある人とか、抗血小板薬足りてますか。

あと水不足による脱水も危険です。

既往のある人がいたら、医療を受けられるところに移動してあげて。

県外でもいいから。


・脳梗塞のたぐい

上に同じく。抗血小板薬不足と脱水が致命的です。

これも移動してあげて。


※ちなみに、よく普及している抗血小板薬は、

飲まなくなると、1週間程度で全く効果がなくなります。

今日で10日、発作で倒れる人が増えてもおかしくない頃です。



・腎不全

透析できないと2週間持たないと思います。

報道されている情報をもとに、病院を探してください。

さらに水制限、食事制限がかかっている人が多いでしょうから、

高カロリーだけど水分の少ないものを優先して食べさせることと、

果物とか野菜とかは、申し訳ないけれど食べないことです。


・肝機能障害の方

程度によって治療がまちまちなので、一概には言えません。

「肝硬変に近い」と言われている方々、

蛋白をなるべく多く摂れれば・・・と思いますが、

避難生活では難しいでしょう。まずは栄養不足だけは避けてください。

お腹や胸に水がたまってしまうかもしれません。


・リウマチ及び類縁疾患

ステロイドと痛み止めが切れるのが恐ろしい。

急な増悪を見せることもあるので、これも移動してあげて。


・糖尿病

食事が満足に取れない場所での薬、インスリンの使用は

逆に低血糖を助長して大変なことになります。

それを怖がって薬を使わずにいると、

高血糖性の昏睡やらケトアシドーシスやらになります。

血糖値を測定できれば何とかなるので、

医療スタッフのいる避難所があれば頼ることです。


・精神疾患

現代は精神的ケアだとか薬物治療も大変に発達しており、

社会的な支えがあれば、自立した生活を送れる人が大多数です。

しかし非常時、その支えは全くあてにできません。

当面の薬を確保してあげたいところです。

症状さえ出なければ、命の危険はないのですが。


・肺気腫

慢性閉塞性肺疾患、COPD、俗にいうタバコ病。

在宅酸素まで使っている人が周りにいたら、

これも医療を受けられるところへ移したほうがいいでしょう。

空気中で窒息しかねません。


・アレルギー疾患

何かにアレルギーをお持ちの方、特に子供が多いでしょうけれど、

避難生活で「もったいない」からと、食べられないものを食べるのだけは、

絶対に、絶対に遠慮してください。

現状でアナフィラキシーショックを起こしたら、まず助からないでしょう。

周りの方も、アレルギーに対する理解のほどよろしくお願いします。


・こども

病気ではないんですが、子供さんは飢餓状態になったりストレスがたまると、

特有の症状を起こします。

周期性嘔吐症(いわゆる自家中毒)やケトン性低血糖がそれでして、

別の病気なんですけれども、この際鑑別なんかどうでもいい。

ストレス→食べられない→代謝がおかしくなる→嘔吐→ストレス・・・

というループを延々に繰り返して、子供が栄養不良になっていきます。

子供が突然食べられなくなって吐きだしたら、

胃腸炎ってのもありえるでしょうが、周期性嘔吐症かもしれません。

脱水が続くと非常によろしくない病気なので、

これには避難所の方々、非常に注意してほしく思います。

避難生活も10日を過ぎ、子供にもストレスがたまっているころだと思います。

難しいことだと思いますが、お子さんの様子に気を配ってあげてください。

この現状で子供が亡くなるとか、とてもじゃないが見てられない。




不勉強のためか、ぱっと思いつくのがこれくらいです。

他にも思いついたら書いていこうと思います。


急患優先ではないのか、とおっしゃる方もいるかもしれません。

慢性疾患は急ぎの病気ではありませんが、

急に増悪したときにとんでもないことになります。本当に。

医療資源の面からみて、悪くなる前に手を打っておくほうが、

よほど無駄が少なく理に叶っています。

特に高齢者の多い地域ですから、なおさらです。



10日ぶりに救助された2人のニュースに希望を見出しながらも、

これ以上命が失われないよう、

さらには増悪、増悪を繰り返して現場と医療機関が疲弊しないよう、

あえて慢性疾患の拾い上げを唱えてみましたが。。。



うーん、助けに行きたい。

でも自分には自分の患者がいるのです。


長文失礼


物資が(汁


正常な病院可動にはもう少しかかりそうです。

あと計画停電も始まるようで、節電に心掛けないといけないですね。

ぼかぁこれから、風呂と飯だけ家で食って、

病院で寝泊まりすることにしました。

患者のことも不安だし、何より家の油がもったいない。



さて、岩手、宮城に次いで福島が大変です。

福島の位置を考えますと、首都圏から太平洋側を通っての

支援物資の輸送は困難になります。

原発からの退避地域が、もろに福島浜通りです。

中通りも線路が寸断、ガソリン不足でトラック輸送もできず。



輸送はどうなるんだ・・・と不安に思っていたら、

今日、日本海通りの北陸、羽越本線が復旧したとのこと。

さらに秋田から盛岡へ伸びる奥羽、田沢湖線が一部復旧したとのこと。

田沢湖線復旧なんて、ローカルニュースでしかやってないだろ。


追加すると、盛岡から県境の赤渕までは田沢湖線復旧。

国道46号線は開通してるので、鉄道と併用すれば

大量の物資だって送れるという話。




これを使うと関西圏から、秋田を介して被災地に物が運べます。

あとは磐越が復旧すれば、福島にも入れるのだけど。


雑音空間

秋田の場所、知ってたかい?

乗る人がいなくて廃線寸前だった北陸、羽越、田沢湖線に、

まさか助けられる日が来るとはね。。。

希望も湧いてきます。


早く物資が届かないかしら。

物によっては、あと2日しか持たない備品もあります。





あと、恐ろしいことに小売店に米がありません。

米が売り切れるなど、考えたこともありませんでした。

肉も魚も野菜も、即席めんとか非常食の類まで、

棚はすっからかんです。本当に空、びっくりした。

飢えるんじゃないかと、焦りすら生まれたよ。

まぁ、家に稲庭うどん乾麵の備蓄が大量にあったので、

(去年買って忘れてたやつなんだけど)

死にはしないと思ってます。


都心で買占めのニュースが流れたときは、沸騰しかけました。


敢えて言おう、クズであると!


と思ったけれどもしょうがない。

例え都心で物が余ったとしても、届ける方法がなかったのだから。



明日には輸送列車の第一陣が来るらしい。

少しは病院もマシになるでしょうか。受け入れも再開するかな?

東北の中では、間違いなく一番元気です。

被災地からの避難者受け入れ、行政の決断を待ちます。




病院機能は元通りになりましたが、物資面でやや混乱が見られます。

搬入ルートが壊滅しているため、後方支援の病院の物資まで不足気味です。


今のところ、まだ困るような状況ではないですが、

いつも通り使い続けると、おそらく破綻します。

節約節約、受け入れ態勢は保ちたい。

まー、そういうシステム面は本部の人間が決めることです。




さて今日、広域搬送の方が初めて運ばれてきました。

重症ですが、命に別状はありません。

落ち着いたところで、お茶とゼリーを食べてもらいましたが、

その時の声と表情、あれはどう言葉にすればいいか、

今まで聞いたことのある類の声ではありませんでした。

喜ぶわけでもなく、悲しむわけでもなく、

そういう感情とは一切かけ離れた息遣いでした。

強いて言うなら「緊張の糸が切れる音」、自分は初めて聞きました。

ほとんど、食べながらそのまま寝ておりました。

水も食べ物も支援もなく、怪我を抱えて3日間動けず。

精神力がものをいう、支えていたのは気力だけだったでしょう。



ただ、ご家族が一人、津波で流されてしまったようです。

当分、故郷にも帰れないでしょうし、他の家族にも会えないでしょう。


リアルな世界で働いているのだと、

テレビを見ながら自分を思い返しています。

今は粛々と仕事を続けるのみ。