夜長の聴き比べ | 聞きっぱなし言いっぱなし食べっぱなし

夜長の聴き比べ

 

 10月はゆっくりしようと決めて夏をアリのように忙しくしていたがwhyなぜに飛び回る1カ月になりました。

 

まずは自分の誕生日をマンドリンの井上太郎とDUETもとい富太郎をやる。

武蔵小山のアトリエ的スペースhanareで完全生音でギターとマンドリン、大まかにいえばジャズとブルーグラスのクロスオーバーを楽しんだわけです。2ステージのほとんどをトークで埋めるさだまさし式を採用しましたが聴かせられるような内容が寸分もなく、全てカットして音楽部分のみのダイジェストの動画がこれです。

慣れないガットギターでホセフェリシアーノのように弾ければよいなと淡いイメージを持って会場に行ったもののホセでも長谷川きよしでもなくいつもどうりの座頭市でした。

言葉のように楽器で会話できる日本では数少ない音楽家の井上太郎、顔見知りでたまに一緒にセッションすることはあったけど、夏に神戸の路上で呑みながら楽器を弾くという宴で盛り上がってしまい、ワタクシと太郎の2人会をリクエストしてくれる人が挙手してくれたおかげで東京でやることができました。

 

 食欲の秋に余念がありません。

富永飲食組合、今年の「アホのひとつおぼえ」はマーボー豆腐です。

三宮の知り合いのママ(男性)の店「CORAZON」でライブの時に振る舞いました。

 

もちろん演奏もして、知り合いのママ(女性)からのバースデーケーキのプレゼントをウェディングケーキと勘違いしてMITCHと初めての共同作業となりました。代理母募集中。

 

 そんなことをしているうちに東京の自宅の味噌が出来上がりました。

2月に東北で手に入れた黒豆で仕込んでたのですが、濃厚な田舎味噌の味に我ながら感激してしまい、今から来年の味噌仕込みに期待しまくって千昌夫の「味噌汁の歌」のセリフ部分をぶつぶつ呟いています。正確にはそのものまねをするコロッケが面白いんですが余談ですね。

 

 正直こんなに簡単に味噌が作れるなんて、そしてこんなに美味しいだなんて、マッコリを自作したときの感動に通じるものがありました。

行程としては豆を水に2晩漬けてから煮込んで潰して塩と米こうじを混ぜて容器に入れて酒粕で蓋をしてビニール袋で堅く縛って冷暗所で保管。晩秋から冬にかけて完成。ね、簡単でしょ?来シーズンはもう少し細かくレシピを書くので皆さんも是非味噌作りに挑戦してみてはいかが??地方、素材、環境、そして自分の手のダシで味が大きく変わるので楽しいですよ。

これらの味噌作りは、味噌に興味を持つワタクシのためにファンの女の子「ゆうこちゃん」が丁寧に教えてくださいました。コマスミダ!

 寒くなってきたら、関東煮だろ、ということでうちでも作っています。

出汁は、いりこを焼いて、水入れて干椎茸、昆布を加えて沸騰したら昆布を抜いて残りを弱火で10分ほど煮だして、最後にカツオ節をくぐらせて濾します。

全部出汁と呼んでいるこの出汁は、これと塩だけでも十分に美味しい濃い出汁なんですが、

これに「富つゆ」を少量入れます。

 

 富つゆは、瓶に、濃口醤油5 日本酒3 純粋蜂蜜2(だいぶ適当です、規定はありません)

を入れて冷蔵庫で寝かせたもの。西の人なら純粋蜂蜜を増やして、北の人なら日本酒と醤油を増やして、各地方用に調整すると良いでしょう。

 

 これを使うようになってから、さまざまな料理の時にまずはコレをベースにして必要な塩気または甘みを足してゆくので台所がちらからないし、寝かせているので味が馴染んでいて角が取れているので味に気品が出るし、蜂蜜の照りが素晴らしく、一切味醂を使わなくなりました。 瓶の中に「いりこ」や「昆布」を漬けこんで「めんつゆ」を作るのも良いチューニングです。

とにかく味が良いのでお薦めです。

 

 醤油の産地や、オーガニックな砂糖を使うというのにこだわる人もいますが、富つゆは馴染む旨さなので高級品など一切使わず、何なら格安なスーパーで一番安い醤油で作ります。

日本酒もコンビニの出口でセンパイがストローで吸いこむ紙パックの鬼ころしクラスの合成清酒で構いません。そして砂糖より蜂蜜の緩やかな甘さがワタクシは好みです。

 

おでん、かんとだき、いろんな名称がありますね。でもええねん、旨かったら。薄い透き通ったやつも、黒い静岡みたいなのも、極端に甘い西日本の田舎スタイルも、それぞれ大好きです!

 

関西出身なのではんぺんを食べる習慣が無かったのですがここんとこ「はんぺん」の旨さにノックアウトされています。あんまし煮込んだらダメですね、浅煮のはんぺんが好きです。

 

 

 

最近、小田にはまっています。

 

小田とは前出の三宮CORAZONのママ(男性)の小田くんが付き出しで出すうずら卵のカレー味ピクルスのことです。使い方としては「ママー、小田頂戴!」とか「そういえば小田そろそろ無くなるんちゃうの?」とか「今日は小田日和だぜ(ブギーボーイ・イクトの今夜はブギ日和だぜ風に)」とか、「小田だよ、あーん」みたいな感じです。

作り方としては、容器にうずら卵を入れておきます。鍋で酢、砂糖(ワタクシは蜂蜜)、塩、ローレルで一般的なピクルスのたれを作って、インデアンカレーパウダー(これでないと小田になりません)を入れて少し沸かしたら容器に「ジャッ」と入れます。冷めたら蓋して冷蔵庫。翌日から食べれます。

ワインには、絶対的に小田が必要な体になってしまいました。どないしてくれるねんママ(男性)。チーズも良く合いますが高級品は晩酌には採用できないランクの人間なので十勝チーズのパルメザン(緑色のパッケージ)で楽しんでいます。

 

ちなみに生ハムは、プロシュートとそれ以外にあまりにも格差がありすぎて、高価ですがプロシュートです。今後の課題は「プロシュートの自作」であることは間違いありません。

 

小田を食し、ワインを飲む。こんな秋の夜長は文明の利器、youtubeです。

 

高校生のころ巷で流行していたガンズアンドローゼス。当時女の子はビートパンク、男の子は初期パン、ハードコアパンク、そして主流LAメタルというかガンズを聞いている人が多かったように思います。オーティスレディングやウィルソンピケットに代表されるアメリカ南部のスタックス系リズム&ブルースに傾倒していたワタクシもガンズはギターのスラッシュさんが黒人だったただそれだけで好きになって、レスポールを歪ませて弾く楽しみを覚えました。

 

まずガンズを聴いてみる。

かっこいいハードなロックンロールですね。セックス、ドラッグ、ロックンロールが似合います。

エアロスミスがさらに進化した感じで、1stアルバムが大好きでした。もちろん彼らのオリジナルソングなんですが、これのカヴァーを聴いてぶっ飛びました。

 

 

そう、ブルーグラスではないか! 何が凄いって、ガンズが原曲なのに、このIronHorseのブルーグラスバージョンこそがオリジナルに聴こえてしまう自然さ。

元ネタ知らない人に聴かせたらこっちが元ネタに思うでしょうね、間違いなく。

そもそもハードロック、ヘビメタにブルースなどの黒人音楽の影響があるのはイギリスのブリティッシュハードロックであって、アメリカのロック、ハードロック、ヘビメタなどは白人音楽であるカントリー&ウエスタン、そして早弾きの数学的な音列は明らかにブルーグラスの直接的影響なのが露呈した例ですね。

 

以前、バンバンバザールに参加していたころにアレンジを頼まれて、ロックの名曲、エリッククラプトンの「愛しのレイラ」をカントリーアレンジしたことがあったんですが、マイナーコードを全てメジャー解釈し(C♯マイナーキーをEメジャーキーとする)疾走する2ビートに乗せてハンクウィリアムス風の甲高い声のコーラスを入れて演奏すると、中には「レイラってもとはこんな感じだったんですね!」と素晴らしき勘違いをする人もいました。

 

ついでにもう1曲比べてみましょう。

 

オジー・オズボーンの名曲クレイジートレイン。

言わずと知れた、孤高のギタリスト、ランディー・ローズ在籍時の最高傑作ではないでしょうか。

 

そしてまたブルーグラスになっています。

個人的にはフィドルのオネエチャンが超カワイイです。

 

こうなるとどちらが元なのかわからなくなってきますが、それでいいんだなと思うんですよね。

どちらもゴキゲンな音楽。人種や文化が交錯して更に時代も超えてしまった感じがただただ笑える秋の夜長を過ごしています。