塾ではテスト週でした。

テスト週はいつもよりさらに宿題が少ないです。

つまり時間が余っています。


そんなテスト週のある日、家に帰りますと(この時点で20時)、リビングの床がベトベトしていました。

ベトベトは台所に近づくほどひどくなっていきます。

台所には、砂糖の容器が、中身をすっかり失い、しんみりと佇んでいました。


瞬間、私は灰になりました。


事情聴取しました。

16時頃、被告人は算数で食塩水の単元があったようで、実験をしようと思い立った。

そこで色々な濃度の砂糖水を作り、混ぜ合わせてみたと。

混ぜる途中でこぼれて、自分が砂糖水まみれになった。たのしくなって、さらにこぼして遊んでいた。


もう疲れてしまいまして、床に座り込んで大きなため息をついていますと、背中を擦りながら、

「大丈夫?」と言ってきます。


怒りを忘れて思わず笑ってしまいました。


こいつは策士です。