『きつねとぶどう』という涙なしには読めない絵本をご存じでしょうか。

私にもぶどうにまつわる思い出があるので、書いてみます。

 

私の実家は田舎でした。

5歳頃までは、ボットン便所でしたし、私が生まれる少し前までは、畑にはまだ肥溜めもあったそうです。

糞尿を肥料にするというのが、そんなにおかしく感じない地域だったと言えます。

 

私の祖父は、戦争を経験しており、倹約家でした。

畑を耕し、自分の家で作っている野菜も多かったです。

私が大学生になるくらいには、年を取って、さすがに畑仕事が出来なくなりましたが、彼は庭の片隅でブドウを育て続けていました。

おしっこを日本酒の瓶にいれてためておき、それをぶどうに与えます。

秋になると、ブドウはたわわに実をつけていました。

 

品種はわかりませんが、うすい紫の、味もさっぱりしたぶどうでした。

しかしみんな、食べません。

じいさんのおしっこのブドウなんて、と敬遠されました。

 

私だけ食べていました。

普通においしかったです。

おじいちゃんは嬉しそうでした。

 

祖父が亡くなり、そのぶどうの木も切り倒されてしまいました。

みんな、食べておけばよかったのにね。

 

 

ちなみに、ひかれると思いますが、私は自分のおしっこをなめたことが何度かあります。

小学生のころだと思いますが、しょっぱいものをたくさん食べるとおしっこもしょっぱいんだ、と感動しました。逆に甘いものを食べても特に変わりないんだ、と思ったのを覚えています。

おしっこについての思い出って、結構多くありませんか?