【鉱物言葉集】

ノヴァーリス『ザイスの弟子たち』より

石に関する言葉









 黄金の魔力、色彩の神秘、木の歓喜は、今の人間にも馴染みのないものではないが、古代人は石ころの不思議な力をも感じとったのだ。 


とはいえ、まだ自然の活動に対する甘美な情熱や、その蠱惑的な神秘を見る眼が彼らには欠けている。


いったい人間は感じとることをいつかは

学ぶのだろうか?




ノヴァーリス

『ザイスの弟子たち』p.274

(『ドイツ・ロマン派全集第2巻 

ノヴァーリス』所収)







鉱物を好きにならなければ、

ノヴァーリスを読むこともなかった

と思う。




ノヴァーリスは、

鉱山学校で鉱物学や地質学などの

自然科学を学んだ。

れっきとした

「石の人」なのである。




29歳という若さで亡くなった
ノヴァーリスは、
19世紀はじめの
ドイツ・ロマン派の詩人、小説家。



ノヴァーリスの世界では
石は「ただの石」ではありえない。
石は歌い、語る。
黙して語らぬ石ではなく、
言葉を持ち、
私たちに語りかけてくる。



ただし
耳を澄ませる心がなければ、
何にも聞こえない。



ノヴァーリスは、
私たちが、人間と自然をわけへだずに
その声に耳を傾けることの大切さを
伝えようとしている。


 

「詩人は一切を自然の中に見出す」

(p.278)




さあ、詩人になろう。(笑)
私は石の言葉を聞きたい。



目標は「詩人」
ノヴァーリスが言うように、
世界を詩のように感じとるのだ。



「感じとることをいつかは学ぶのだろうか?」



…いつかきっと。
すでにその学びは始まっている。




スコレサイト
石らしくない石




ちなみに私は
『ザイスの弟子たち』
哲学的で難しく、
挫折しそうになった。。


でも
この小説の中には、
〈ヒヤシンスとバラのメルヘン〉
というおとぎ話があって、
この部分は比較的読みやすかった。
この部分を読んでから
最初に戻ると、最後まで読めた。


また、
難しいと感じる本は、
音読すると内容がすっと
入ってくることに気づいた。






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