【鉱物言葉集】では

文学作品や、鉱物に関する著書、

音楽の歌詞などから集めた、

鉱物(石)にまつわる言葉をご紹介します。




川﨑秋子著

『愚か者の石』より





「まだ生きるか」


「おう、石もあるし、まだ生きる」




〜川﨑秋子『愚か者の石』p197より〜





明治時代の北海道。

樺戸集治監(監獄)に

収監された囚人のたつみは、

ある石を大事に隠し持つ

大二郎に出会います。



大二郎の石は

中に水が入っている

水入り水晶。


この石が物語の

重要な鍵となります。



「まだ生きるか」という

巽の問いかけに対して、

「おう、石もあるし、まだ生きる」

と答える大二郎。



非人道的な獄中生活の中で

この小さな石が

大二郎、そして巽にとっても

大きな存在になっていく。



この物語の、第2の主役は

この石だと

私は思います。



ちなみに現在、水入り水晶は

太古の水が閉じ込められている

ということで、希少であり

需要が高く、高価ですね🌝



私は持っていませんが

この小説を読み、

欲しくなってしまいました😁




(水晶の写真:https://www.photo-ac.com/