ヘレン・ブッシュ
『海辺の宝もの』より


岩の層を1枚はがしたとたん、

メアリーはびっくりして、

ぽかんと口をあけた。


「とうさん、にいさん、

見てちょうだい!

ちっちゃなアンモナイトが

いっぱい飛びだしてきたわ!

それに、ほら、もともと

どこにあったかまでわかる。

はがしたほうの岩の内側にも、

もとの岩の内側にも、

アンモナイトの跡がついているのよ!」


「自然の女神は、思いがけない

場所に宝ものをかくしているもの

だな」

とうさんがしみじみといった。





〜ヘレン・ブッシュ著 鳥見真生訳

『海辺の宝もの』より〜





『海辺の宝もの』は、

メアリー・アニングという

実在した女性の子ども時代の

お話です。


メアリーは1799年

イギリスの海辺の町

ライム・リージスに生まれ、

化石採取を父親に教わりました。


1811年にイクチオサウルスの骨を発見。

生涯ライム・リージスで

化石の発掘に打ち込みました。



写真はアンモナイトです。


(画像  写真AC:https://www.photo-ac.com/