【競輪】武雄記念(GⅢ、2024/05/11-05/14)

決勝(2024/05/14)
 ①清水裕友(山口、105期)
 ②深谷知広(静岡、96期)
 ③志田龍星(岐阜、119期)
 ④根田空史(千葉、94期)
 ⑤山田英明(佐賀、89期)
 ⑥大槻寛徳(宮城、85期)
 ⑦稲川 翔(大阪、90期)
 ⑧阿部力也(宮城、100期)
 ⑨浅井康太(三重、90期)

【並び想定】
 ←①<⑤⑦競り>(西日本)・④②⑧⑥(東日本)・③⑨(中部)

 初日特選からの脱落は、以下の4名。
 ・嘉永泰斗 (二次予選敗退:3日目以降欠場)
 ・佐々木悠葵(二次予選敗退:3日目失格)
 ・北津留翼 (二次予選敗退)
 ・山田庸平 (準決勝敗退)

 代わって予選からの勝ち上がりは、
 ③志田龍星(岐阜、119期)
 ④根田空史(千葉、94期)
 ⑥大槻寛徳(宮城、85期)
 ⑧阿部力也(宮城、100期)

 ラインとしては、3(競り)対4対2の3分戦。

 見どころとしては、①清水の後ろが⑤山田と⑦稲川の競りになり、4車で結束する東日本勢に有利な展開になりそうだが、いわき平ダービーで3連対と気を吐いた③志田と⑨浅井のコンビも魅力たっぷり。
 混戦になれば①清水の捲りで決着。

・結果
 1着 ②深谷知広
 2着 ⑧阿部力也
 3着 ⑥大槻寛徳

・振り返り
 スタートは⑧阿部が外枠から飛び出して誘導員を追い、④根田②深谷⑧阿部⑥大槻・①清水<⑤山田(内)⑦稲川(外)>・③志田⑨浅井で周回。

 青板2コーナー過ぎからゆっくりと上昇した③志田が赤板で先頭に、④根田は突っ張る素振りを見せながら一旦3番手に車を下げると、すかさず①清水が巻き返す。この①清水の動きに⑤山田が遅れ、⑦稲川が単独で①清水を追走。
遅れた⑤山田は内を掬って④根田の後位で②深谷を内からアタックし粘る動きを見せる。
2センターで①清水が後ろの動きを警戒してペースを緩めると、最終ホームで③志田、④根田が同時にスパート。
①清水が突っ張り、内から①清水⑦稲川、③志田⑨浅井、④根田②深谷⑧阿部⑥大槻の3ライン並走で1コーナーへ。この間に⑤山田が④根田後位からさらに内に切り込んで、⑦稲川が外を警戒している隙をついて①清水の番手を奪い返す。
①清水は結果として突っ張り切り、まずは③志田が垂れ始めると⑨浅井は、内の①清水⑤山田⑦稲川後位にスイッチ、次に大外の④根田垂れ始め、番手の②深谷はその上を発進。
①清水の粘りは驚異的で、なかなかスピードが落ちず、②深谷もジリジリとしか差を詰められないが、徐々にスピードが乗り、最終2センターで①清水をとらえ、そのままゴールへ。
その後ろは、必死に②深谷に追いすがった⑧阿部が続き2着。3着は内から⑤山田に絡まれながらも振り切った⑥大槻。

・感想
 思った以上に入れ替わりの多い激しいレースだった。
 結果だけを見ると、東日本の番手-3番手-4番手の決着なので、根田選手が先手を奪い、深谷選手-阿部選手-大槻選手でズブズブズブという感じだが、実際のレースは真逆。
 勝った深谷選手の強さは言うまでもないが、清水選手の仕掛ける勇気と粘り、やられたらやり返す地元山田選手の意地等が幾重にも重なり合い、実に濃密な面白い激しいレースだった。
 このレースは、ぜひ keirin.jp のダイジェストを見て欲しい。僕の稚拙なテキストでは表し切れない競輪の奥深さを実感できるレースだと思う。

 今回の敢闘賞は、山田英明選手。
 結果は4着だったが、地元なのに競り、さらに一時的に清水選手と離れる等のレース中の困難を信じられないほどのリカバリー力で跳ね返し、(結果的に)勝者ライン以外では再先着したのは立派。

 殊勲賞は、深谷選手と清水選手。
 S班なので「殊勲賞」というのは失礼かも知れないが、決勝戦を濃密で激しいレースにした立役者は、やはりこの2人だと思う。
 深谷選手と清水選手が一緒に走るレースは、名勝負と言われるような面白いレースになることが多いですね。今後も特注です。