【競輪】花と海といで湯賞(大阪・関西万博協賛競輪in伊東:GⅢ、2024/03/14-3/17)

決勝(2024/03/17)
 ①岡村 潤(静岡、86期)
 ②吉田拓矢(茨城、107期)
 ③井上昌己(長崎、86期)
 ④道場晃規(静岡、117期)
 ⑤雨谷一樹(栃木、96期)
 ⑥萩原孝之(静岡、80期)
 ⑦岩本俊介(千葉、94期)
 ⑧川口聖二(岐阜、103期)
 ⑨神山拓弥(栃木、91期)

【並び想定】
 ←④⑦①⑥(南関東)・②⑤⑨(関東)・⑧③(混成(中部・九州))

 初日特選からの脱落は、以下の4名。
 ・小川真太郎(二次予選敗退)
 ・根田空史(準決勝敗退)
 ・佐藤友和(準決勝敗退)
 ・谷口遼平(準決勝敗退)

 代わって予選からの勝ち上がりは、
 ④道場晃規(静岡、117期)
 ⑤雨谷一樹(栃木、96期)
 ⑥萩原孝之(静岡、80期)
 ⑧川口聖二(岐阜、103期)

 ラインとしては、4対3対2の3分戦。
 見どころとしては、4車で結束する南関東④⑦①⑥を関東②⑤⑨がどう攻略するかであろう。

・結果
 1着 ⑦岩本俊介
 2着 ①岡村 潤
 3着 ②吉田拓矢

・振り返り
 スタートは①岡村、⑤雨谷が飛び出し、やや取り合いになるも枠の利で①岡村がS。
④道場⑦岩本①岡村⑥萩原・②吉田⑤雨谷⑨神山・⑧川口③井上と、ほぼ想定された並びで周回。
 青板前から⑧川口③井上が上昇、④道場がこの動きに反応し誘導員退避に合わせて突っ張ると、⑧川口③井上は再度後方に下げて元の隊列に。
 ④道場は赤板で更にペースを上げ、打鐘、最終ホームでも隊列は一本棒のままで、⑦岩本①岡村でウェーブを作り、後方からの仕掛けを牽制するも、④道場の脚色がやや落ちると同時に2コーナーから⑦岩本が番手からスパート。
 これが絶妙タイミングで、強引に捲ってきた②吉田は完全に合わされ、⑥萩原の横からジリジリとしか伸びず、②吉田追走だった⑤雨谷はダッシュに付き切れず外に浮き②吉田には⑨神山が離れながら追走、内を攻めた⑧川口③井上はインを下がってくる④道場をやり過ごしつつ、外から下がってくる⑤雨谷が壁になり、①岡村⑥萩原がガッチリとインを締めていて、万事休す。
 ⑦岩本は最後まで勢い衰えず、そのまま後続の追撃を振り切っての完全V。
2着は⑦岩本追走の地元①岡村。3着はまくり上げた②吉田が入った。

・感想
 結果的には岩本選手の完全優勝でしたが、勝つ時って何をやっても勝てるんだな、というのが正直な感想。
 もちろん、道場選手の引っ張りは良かったし、岩本選手もウェーブを作って他ラインをけん制する等、やるべきことはやっているのだが、いかんせん他ラインの攻めが薄味過ぎた。
 特に吉田選手。苦しくなってから強引に行くのであれば、もっと構えずに行くことが出来たのではないか?、結果的に3着なので大失敗とは言えないかも知れないが、仮により悪い着位だったとしても「油断すると吉田の捲りが飛んでくる」というイメージを他の選手に与えた方が、後々効いてくると思うのだが・・・


<つぶやき(協賛競輪~なんちゃってGⅢ~)>
 GⅢ競走は、各競輪場の開設○○周年記念(いわゆる「開設記念」)の他に、大きなイベントや競輪施設関係の整備費用等に支援するための「協賛競輪」として開催されるものがあります。(今回は「大阪・関西万博」協賛ですね。)
 協賛金を捻出するため(?)、同じGⅢでありながら、開設記念に比べて賞金が安い(2割減)のですが、決勝で3着までに入着すれば11月に開催されるGⅠ小倉競輪祭にほぼ優先的に出場出来る権利(開設記念と同じ扱い)が得られます。
 また、GⅠ・GⅡの前後に開催される(今回は次週がGⅡ取手ウイナーズカップ)ため、GⅠ・GⅡに出走できなかった選手にとっては、GⅠ小倉競輪祭の切符を掴む大きなチャンスでもあります。
 が、やはり出場選手のレベルが低い傾向があることから「なんちゃってGⅢ」と呼ばれてしまうことも・・・
 ただねぇ、僕は「協賛競輪」嫌いじゃないんですよねぇ。
 例えば、去年4月に久留米競輪場で開催された大阪・関西万博協賛競輪。
 茨城の橋本壮史が、GⅢ初参戦でS級初VがGⅢ優勝というスマッシュヒットを放ったレースでしたが、この決勝戦で2着に入ったのが同県茨城の小林圭介。
 この小林圭介という選手。83期なので選手としてのキャリアは24年となるが、GⅠ未出場。正直に言えば地味、本当に地味なマーク選手という評価だろう。
 だが、この地味な男がGⅠの切符を掴み、GⅠ競輪祭本番でもいぶし銀の光を放つキッカケとなったのが「協賛競輪」なのです。
 競輪祭の出場選手一覧を見ると、小林選手の競走点数はぶっちぎりの最下位。初日の9着(最下位)のレースを見て、99999で終らないことを願わずには居られない感じだったが、2走目は宿口陽一(埼玉)の番手まくりをマークし、宿口が捲り切れなかったこともあったが最後は宿口を抜いて4着、2走目は金子幸央(栃木)-芦澤大輔(茨城)の3番手から芦澤の抜け出しに続き2着確定板!(結果的には94266で彼の初GⅠは終った。)
 こんなドラマを演出してくれるための舞台のひとつが「協賛競輪」なのです。
 だから「協賛競輪」嫌いじゃないんですよねぇ・・・

<つぶやき(県と地区)>
 玉野記念の時にも書きましたが、同地区(今回は南関東)とは言え、同県選手の間に他県の選手が入ることに違和感を感じてしまいます。
 ただ、レース後に各選手から出されたコメントでは、同地区でまとまった結束力の勝利(ワンツー)というポジティブなものばかりで、僕と同じような違和感を感じる旨のコメントをしていたのは、確認した限りでは競輪評論家の内林久徳氏だけでした。
 内林久徳氏は、ご存知のとおり元選手(特別競輪(現在のGⅠ・GⅡ)優勝歴やグランプリ出走歴もあるトップレーサーだった)ですが、引退から既に20年近く経っており、(内林久徳氏には大変失礼な物言いになってしまいますが)若干感覚が古くなっているかも知れませんね。
 どうも、自分自身のこの辺の感覚はアップデートが必要そうです。