BANANAFISH二次創作小説 「お前がそばにいるなら何だって格別な味になる」 | BANANAFISH DREAM

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らぶばなですニコ 。毎週欠かさず見ているアニメ「BANANAFISH」ですが、どんどん展開が厳しくなってきて苦しいです。。。ショック今の状況でおアッシュが癒される瞬間があってほしいと思い、サクッと書いたものですニコニコ。色々適当です。。。ちなみに先日私が飲んだ生ゴーヤ入りのビール、グリーンアイからきたネタも入れていますてへぺろ。少しでも楽しんでいただけたら幸いですおねがい

 

 

「お前がそばにいるなら何だって格別な味になる」

 

ゴルツィネ邸からのアッシュ奪還後、ストリートキッズ達は秘密のアジトで集団行動をしていた。

 

雑居ビルには各チームのメンバーが交代で見張りをしながら今後の作戦と対策を練っていた。

 

マフィアとの全面戦争が避けられない今、ディノが次にどのような手を使ってくるか分からず、油断するわけにはいかない。緊張感が漂うなか、拉致されたチャイニーズグループのメンバーの解放に成功したものの、ケインのチームメンバーが悲惨な殺され方をしてしまった。

 

自分たちを襲った連中がディノに金で買われた軍人であることを突き止めたアッシュは、コンピューターを使いながら敵が次にどのような動きを見せるのか必死に考えていた。

 

(全ては俺にかかっているー)

 

焦りで思うように頭が回らず、アッシュは苛立ちを感じていた。

 

「くそっ!」

 

その様子を見守っていた英二は、アッシュが手一杯になっていることを感じて、彼に気分転換してもらおうと差し入れをすることにした。

 

「アッシュ、ミネラルホットウォーターで一杯やらないか?」

 

「。。。いいな、それ。」

 

行き詰まっていたアッシュには英二の気持ちがありがたかった。こんな緊迫した状態でも、英二は英二のままだ。

 

「かんぱーい!」

 

「あぁ。。」

 

まるで熱燗を盃で飲むかのように、英二はマグカップを持ってアッシュと乾杯をした。

 

「温かいものを飲むと体があったまるなぁ。」

 

ふぅっと息をはいた。

 

「年寄りくさいこと言うなよ。」

 

カップの湯気をじっと見ていたアッシュは、自分を励まそうとする英二の健気さが身にしみた。

 

「。。。すまないな。こんな思いさせて。」

 

「何いってんの? 君といると色々”冒険”しているみたいで楽しいよ。トラックでロスまで行ったことを思えば、床で眠れるだなんて最高だ。」

 

懐かしそうに英二は言う。

 

「あぁ、そうだな。そんな時もあったな」

 

「まぁ、強いて言えばもう少しキッチンが整っていればなぁ。。君にまともな料理を作ってあげれるのに。」

 

老朽化のひどいビルではまともな料理ができる設備がなく、そもそも調理道具もほとんどなかった。

 

「それと冷蔵庫だろ? ビールが恋しいんじゃねぇの?」

 

「うーん、まぁそれもあるけど。。。楽しみはとっておくよ。」

 

英二はふふっと笑った。

 

「アッシュ、お代わりどう?」

 

「もらう。」

 

「これが日本酒ならなぁ。」

 

英二はしみじみと言った。

 

「日本酒か。あれは確かに美味いが酔うな。」

 

「何言っているの。アパートでも飲んだことあるだろう?君、全然酔わなかったじゃないか。」

 

「。。。また、部屋で飲みたいな」

 

アッシュは小さな声でつぶやいた。

 

日々過酷な状況にさらされているなか、どこまでもアッシュについていくと決めた英二は現状に不満があるわけではない。ただ、アパートでの生活は特別な想いがあった。

 

「そうだね、アパートではたくさんの思い出があるからね。全てが終わったら。。。」

 

(また一緒に暮らしたい。それか日本に君を連れて行きたい)

 

「。。。その時は、また作ってくれよ。」

 

「ん? なにを?」

 

一瞬理解できず、英二は聞き直した。

 

「俺の為に作ってくれたあのドリンク。。。」

 

「あぁ、あれ、気に入ったの?」



 

***


 

59丁目のアパートで暮らしていた時、二人はよく酒を飲んでいた。お茶を飲むように缶ビールばかり飲んでいたので英二は少々飽きてきた。だからといって、自由に外出することもできず、外に飲みに行くこともできなかった。

 

そこで、冷蔵庫にぎっしり入っているビールを使って何か美味しいドリンクは作れないかと試行錯誤しはじめた。

 

ある夜、ふだんより早く帰ってきたアッシュを見るなり、英二は嬉しそうに彼の腕をひっぱって台所に連れてきた。

 

「なんだよ?」

 

不思議そうに眉間にシワを寄せるアッシュを椅子に座らせ、英二は台所に立った。

そして数分後ー

 

「じゃーん!君をイメージして作ったドリンクだよ!? その名もグリーンアイズさ!」

 

グラスに入った真緑色のドリンクを見て、アッシュは怪訝な顔をする。

 

「。。。これってスムージ?  俺の健康を思って作ってくれたのか?」

 

まるで青汁のような色合いに、アッシュは完全に引いてしまっている。

 

「ちーがーう、お酒だってば! 」

 

「酒? 甘ったるいカクテルは苦手だ。。。」

 

アッシュは嫌そうに首を振った。ゴルツィネの屋敷で、メロンとココナッツのリキュールにフレッシュライムとパイナップルジュースを混ぜた”グリーンアイズ”という飲み物を出されたことがあった。ディノのオリジナル配分で作られたというそのカクテルは南国らしい爽やかな香りのする甘口のカクテルだったが、アッシュの好みではなかった。

 

「そう言うと思った。大丈夫、これは抹茶とビールを混ぜて作ったものさ。和風ビールをどうぞ召し上がれ」

 

「まろやかで美味いな。。。ビールなのに飲んでいてヘルシーな気がするのが不思議だ。。。」

 

予想よりも飲みやすい味だったのか、アッシュはまんざらでもない表情だ。

 

「だろう?じゃぁ、僕も一応健康を意識してレッドアイにしよう。トマトジュースを入れて。。。完成!もう一度乾杯しようぜ?」

 

英二はテーブルに赤と緑のドリンクを並べた。反対色同士の組み合わせだが、並べるとよりいっそう鮮やかに映える。

 

「赤と緑って正反対だよね。。。こうやって見ると、互いの色が引き立って綺麗だなぁ」

 

「正反対か。。。まるで俺とお前だな」

 

アッシュはニヤリと笑った。

 

「じゃ、僕たちはお互いを引き立てあっているんだね?あはは」

 

それを聞いてアッシュはなんだかくすぐったい気持ちになった。

 

「何を嬉しそうにしているんだよ、もう酔ったのか?」

 

照れ臭さをごまかすため、アッシュはわざとぶっきらぼうに言う。英二は何かを思い出して、急に立ち上がった。

 

「実は、とっておきのビールがあるんだ。ハロウィンの時期にスーパーで見つけて取っておいたんだよ?ほら、パンプキンビール!」

 

カボチャの絵がプリントされたラベルの付いた瓶ビールを英二が取り出した。

 

「。。。。!!」

 

「ずっと気になっていたんだよね、一緒に飲もうと思って」

 

グラスを二つ取り出し、英二は注いだ。見た目は琥珀色でごく普通のビールだが、色々なスパイスの香りが漂っている。

 

「拒否する。おまえが飲めばいいだろう?」

 

アッシュは首を左右に振り、いやそうに睨みつけた。

 

「えー、せっかく見つけたのに。。。どれどれ」

 

英二はグラスを手に取り、先に口をつけた。かぼちゃの風味に加えてシナモン、ナツメグ、クローブが一体となった味はまるでパンプキンパイを食べているみたいだった。

 

「へぇ。。。こんな感じなのか、なんか思っていた味とは随分ちがうなぁ。。」

 

「普通にビール飲んでいた方が絶対に美味いだろう」

 

「それもそうか。。。でも君と一緒だったら、どんなものでも美味しく感じられるよ。君は何か試してみたいものある?」

 

なんだか英二にとんでもないことを言われた気がしたが、目の前のカボチャビールが気になってしまってスルーしてしまった。

 

「納豆とカボチャ以外なら」

 

「そうだ!納豆ビールってあるのかなぁ。。。検索してみようかな。。。」

 

英二がニヤニヤ笑いだした。そして携帯を取り出した。

 

「やめろ!」

 

本当にそんなものが存在したら恐ろしすぎると、アッシュは力を込めて、英二の顔に手のひらを押し付けて阻止しようとする。

 

「離せよ!調べるぐらいいいだろ!」

 

だが、アッシュの弱点を逃すわけにいかない英二はムキになって必死に抵抗し、アッシュの顎を手で押した。

 

「くそっ、しつこいな。。。!」

 

「そっちこそ!」

 

お互いに一歩も譲らず、グググーっと押し合い続けている。

 

「。。。あんたら何やってるの?」

 

アレックスが呆れながら二人に声をかけるまで、彼らの静かな戦いは続いていた。



 

***



 

懐かしいアパートでの出来事を思い出し、英二は微笑んだ。

 

「あの時のパンプキンビールはイマイチだったけど、楽しかったよ。」

 

「もうカボチャは勘弁してくれ」

 

「あはは」


 

屈託なく笑う英二を見ていると心が軽くなる気がした。

 

ゴルツィネ邸から逃げ出し、地下で英二が温めてくれた缶詰のスープも、ただのミネラルホットウォーターでもアッシュにとっては特別なものに感じられる。

 

「せめてインスタントコーヒーでもあればなぁ、君の気分転換になったかもしれないのに。でも仕方ないよね」

 

残念そうに英二は俯いた。

 

「スパイスが入っているから美味いよ」

 

「え?スパイスなんて入れてないけど。。。」

 

アッシュは英二を指差した。

 

「おまえ」

 

「僕? 何だそれ。。。。」

 

アッシュなりの優しさを感じて、英二は照れ臭そうに微笑んだ。

 

その後、英二との会話で敵襲を防ぐヒントを得たアッシュはしばらくコンピューターを扱いながらシミュレートし続けた。英二はしばらくアッシュを見ていたが、次第に目をこすり、頭がカクンと垂れて俯いたままの状態で動かなくなった。

 

「よし!これでほぼ間違いないだろう。英二、サンクス。。。」

 

英二を見ると、彼はすでに眠りの中にいた。

 

「英二、そのままだと風邪をひく。布団に入れ」

 

肩を軽く揺さぶると、英二は何かをつぶやきながらそのまま床にゴロンと横たわり、何度かコロコロと転がって簡易布団の上に寝た。

 

「ん。。。アッシュ。。。むにゃむにゃ。。。次はもっと美味しいのを。。。」

 

何を言っているのかよくわからなかったが、自分の名前を呼ばれたことは理解した。

 

「ごちそうさま、オニイチャン。またよろしくな。。。」


 

アッシュは英二に毛布をかけ、再度コンピューターに向き合った。

 

(失敗するわけにはいかないー)

 

何としても目の前の大切な存在を守りぬき、二人で生きていくという強い希望が彼にはあった。

 

*終*

 

世の中には色々なドリンクがありますね。カボチャビールってどんな感じなんでしょうね?スパイスが色々入っているみたいだから本当にパンプキンパイみたいな味なのかな。。。納豆ビールもそのうち作られるかもしれませんよ?ウシシ

 

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