らぶばなです 。アッシュのお誕生日SSを創作中です。かなーり久しぶりに二次小説書いているので、小説とは言えないモノになっています。。。描写とか本当に苦手で。。。子育ての合間にちょこちょこ書いているのですが、やはり楽しいですね。今年はバナナフィシュ待望のアニメ化されされたので、どうしてもお祝いしたかったのです SSが長くなってしまったので、分けて投稿することにしました。まだ完成していませんが、誕生日までには。。。!お盆なので帰省するまでに仕上げねば!BANANAFISH愛で仕上げたいと思います。
今回は、男の子同士って誕生日をどう祝うんだろう?女子みたいにプレゼント上げたりとか誕生日会をしたりとかするイメージないなぁと思ったことから書き始めたのですが。。。
ちょっと早めの、私からアッシュへのプレゼントですよければお付き合いください!インデックスは短編小説に入れています。
8月12日、アッシュ・リンクス率いるグループの溜まり場であるバー周辺は何か普段と違う雰囲気を醸しだしていた。ふだんは荒っぽい風貌の少年達がたむろい、常に部外者へ睨みをきかせている埃っぽく薄暗い印象の裏通りが 今日は独特の香料と色鮮やかさを放っていた。
恐らくはティーンエイジャーの少女たちがまるで競い合うかのように、それぞれのバッグからメイク道具を取り出し、目もとや唇を厳しい目つきでチェックしていた。香水をふるものや デコルテから胸元のラインが美しく見えるか鏡で念入りに確認しているものもいた。奥村英二は少女たちの存在感と何かを我先に得ようとしている迫力に圧倒され、思わず隣にいたボーンズにこっそりと耳打ちをした。
「ねぇ、今日は何かイベントでもあるの? お店の周りに女の子がたくさんいるじゃない?いつもと全然雰囲気が違うよ?」
ボーンズは立ち止まり、チラリと少女たちを見たが、呆れたように小さくため息をついて再び歩き始めた。
「あいつら懲りねぇな。。。毎年のことだよ。ボス目当てだ。どうせ相手にもされねぇけどよぉ」
「アッシュの?確かに彼はもてるけど、今日は特別すごいね。何というか。。。気合いが入っているね。。。」
「そりゃな、今日はボスの誕生日だからさ」
日本よりも随分大人びた印象を受ける少女達をぼんやりと英二は見ていたが、ボーンズの言葉に信じられないといった表情でもう一度振りむいた。
「今、君なんて言ったの? アッシュの誕生日だって? 今日?」
英二はボーンズのシャツを思わず掴み、彼の歩みを止めた。
「そ、そうだけど。。。なんだよ、英二」
ふだん大人しい英二が突然大声を出し、強めにシャツを掴んできたものだからボーンズは面食らってしまった。何が彼をそれほど驚かせたのか全く理解できず、眉間にシワをよせながら訝しそうに英二を見た。
「わー、どうしよう! どうしてもっと早く言ってくれなかったのさ!もう夕方の18時だよ? 準備できないじゃないか! それにアッシュも。。。今朝何も言わずに出て行ったし!」
英二は髪をくしゃくしゃと手で荒っぽく掻いたり、時計を見て慌てたり、両手を広げたりと 落ち着かない様子だ。
「そんな驚くことか? 」
「そりゃ、驚くよ。僕、何もまだ ”おめでとう”とも伝えてないよ。いつも彼の世話になってるのに、悪いことしたなぁ。。。謝らないと」
表情がクルクルと変わる英二を不思議そうにボーンズは見つめていた。
「おまえ、変わってるなぁ。。。なんで謝るんだよ? 知らなかったんだから仕方ないし、そんなことでボスも怒ったりしないぜ?」
「それは、友達だからだよ! ただお祝いしてあげたかっただけなんだ」
「ふぅん。。。真面目だなぁ、おまえ。。。」
ボーンズは、さっき怒ったと思えば 今度はしょんぼりと落ち込む英二が何だか可哀想に思えてきた。ボーンズは英二がボスにとって他の奴とは違う特別な存在なのだろうとは感じていたが、全くタイプの異なるこの日本人がカリスマヒーロである自分たちのボスとなぜ相性があうのかが不思議でならなかった。だが、嫌な気はしない、むしろ ボスのいない間はしっかりと護衛しなければと思っていた。
「アッシュはいつ帰ってくるか知ってる?」
「はっきりとはわからないけど、夜には戻ってくるって」
「夜か、、、あの女の子たち、ずっとアッシュを待つつもりなのかなぁ?」
いつもどるか分からないアッシュを待つ少女達が不憫に思えてきた。
「そんな根性のある奴なんていねーよ、どうせすぐ帰るから放っておけ。関わると余計に面倒くさくなるぜ、”アッシュへのメッセージを伝えろ” だの ”私とデートいつしてくれるの” だの煩いだけだ。。。ま、おこぼれ目当てで近づく男連中もいるけどな」
「へ、へぇ。。。やっぱりアッシュは大人気なんだね」
「そりゃ、そうさ。今日はアッシュへのプレゼントが山のように届くぜ。ボスは興味ないから、たいていのものは俺たち子分で山分けさ。本当にボスは最高にクールで”男前”だよな? だからお前もプレゼントとか気にする必要ねぇよ。」
どこか誇らしげに語るボーンズから、アッシュを誇りに思っているのが感じられた。
「そっか。。。そういうものなんだ」
「カワイイ女の子ならともかく、ヤローからプレゼントもらうこともあるんだぜ? まぁ、自分のグループに引き込みたいって思ってるんだろうけどな。。。でもボスはそんな下心ある連中の手には乗らない。あのディノから送られた高級車ですら、顔色ひとつ変えずに冷めた顔で見てただけだ」
「。。。そうなんだ」
(プレゼントなんて贈っても、彼にはかえって迷惑になるんだろうか)
アッシュが贈られた品に興味がない様子を聞かされ、英二は不安な気持ちにかられてしまった。
**
溜まり場のある路地裏にアッシュがようやくやってきた。彼を見つけた英二はすぐに駆け寄るとしたが、多くの少女達がアッシュに纏わりついていた。彼の背や腰に体を密着させたり、頰にキスをしたりとそれぞれアッシュを誘っているようだった。
『アッシュ、遅いわね、待ってたのよ?』
『私のところに来て?』
『貴方のバースデーをお祝いさせて。ご馳走作ったから。』
『嫌なことなんて忘れて一緒に楽しくシャンパン飲みましょう。』
本人は特に追い払うわけでもなく、慣れた様子で大勢を引き連れたまま地下の入り口に進んでいく。
英二はなぜか体が麻痺したように動けなくなった。アッシュとの距離がどんどん離れていくのを感じた。
声が思うように出ない、喉がカラカラに乾いていた。彼の仲間らしき連中も騒々しい改造車から降りてきてざわざわと騒ぎながらバーに入って行った。
(アッシュ待って、僕は…君に…)
…英二はハッと目を覚ました。薄暗い天井が見え、ここはアッシュと暮らすアパートメントのリビングだと分かるとホッと安堵して息を吐いた。
(あぁ夢か、僕はいつの間にか寝てたのか。。。)
アパートに戻ってからも、英二はアッシュの誕生日のことを考えてモヤモヤしていた。ごろりとベッドに転がっているうちに眠気が襲ってきたようだ。
妙な夢を見てしまい、疲労感だけが残っていた。のろのろとベッドから起き上がり、カーテンを開けた。
NYの街が漆黒の闇にのまれ、ビルのあかりが美しくキャンドルのようにきらめいていた。
(綺麗だな、でも。。。)
いつも見事だと思う美しい景色も今は心に響かなかった。
ぼんやりと夜景外を眺めながら、親友の帰りを英二は待っていた。
今更パーティーを開く準備ができるわけでもなく、かといって放っておくこともできず、答えはでないままだった。
「何かお祝いしても、逆に迷惑かな?んー、でも何かしてあげたいしなぁ、、、」
ソファーに座り、お隣の主婦からかりた料理レシピ本をパラパラとめくった。パーティーレシピ の項目で手が止まった。
(今からでも何か作った方がいいかな?でも今日戻るとも聞いてないし。。。ひょっとして他のところでお祝いしてもらってるかもしれないし。。。プレゼントとかどうしていいか分からないし。。。)
ボスという立場上、付き合いがあるかもしれない。金のない自分が何をプレゼントできるというのだろうか。考えれば考えるほど自信がなくなってきて、何もできない自分が情けなく自己嫌悪に陥ってしまった。
ぼんやりと時計を眺め、戻らぬ親友へを想いながらも時間だけが虚しく過ぎていった。
(続く)
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