褻(け)の日々・ナ | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

「言葉にしなくても

 感情が全身から溢れてるね」

 

言葉なく

怒髪している僕の事

 

クリスがなだめるでもなく

 

見たまんまを表現しつつ

準備されたおかゆ

 

…昨夜のトッピングがいっぱい乗った

モノとは違う

 

白一色の上に緑の葉っぱが

乗っかった

シンプルなお椀

 

僕の前まで運んできたから

 

…この待遇が

いわゆる

彼なりの一宿一飯の恩義

…ってことと

捉えれば

 

なんら恐縮するところはないと

思いつつ

 

ひとまず

礼ぐらいは…言わないとな

手渡されるのを

 

受け取れば

 

それは

思いのほか熱くて

 

慌ててサイドテーブルの上に

零さない様

置いて

 

キッチンに戻る

クリスの後ろ姿に

 

お礼の意図

 

発しようにも

言葉が出てこず

 

そのまま黙って

見送って

 

タイミング逸して

飲み込んだ感情

持て余しつつ

 

彼らの言動に

意識向けたまま

見ていれば

 

 

「…じゃぁちょっと行ってくる」

 

体操着姿の男が

クリスにことづけると

 

出掛ける支度

始めたから

 

…ひょっとして

 

「ジョギングに行って迷子か?」

 

僕の部屋に居た時

 

出て行った人の気配があった記憶

から

 

方向音痴の姉の現状

察したところで

 

彼らが対応しているのだろう

状況に

 

…身内として

手間を謝罪するべきか?

それとも単純に

感謝するべきか?

等と

選択してる間に

 

 

「…いや

 一緒に出た連れが気分悪いて」

 

…出た

やっぱり

マグの数だけ人が居たんだ

 

姉一人でのジョギングではないから

方向音痴でも大丈夫って

 

クリスの太鼓判だった訳か

 

点と点を線で繋ぎつつ

あぁ…はいはいと

 

聞き流していれば

 

ペットボトルの水

両手に

 

体操着の男が

キッチンを出て行くの

 

クリス同様

見送っていれば

 

「日本の夏を侮ってはいけないのよ」

 

廊下からの発言

 

そりゃそう…なのだが

誰に言ったのだ?

 

今から向かう先に居る仲間に

 

そう言って注意するつもりなのか?

 

体操着の男

そう 捨て台詞残して

 

玄関が開閉される音

 

…平日の午前中

 

もう少ししたら

通勤通学で

人の往来

始まるだろう

外の気配に

 

ほんの少し

意識向けて

 

…うちの部屋から

見慣れない人物

 

出入りしてるの

 

…新しいゲーミングPC

搬入した頃に

 

出入りする業者が

珍しかったか

 

患者さんの数人に

 

何があった?引っ越すのか?

みたいな話

振られたこと

思い出して

 

 

これまた

要らぬ噂

耳にすることになりそうだなぁ…

 

姉が連れ込んだ男

二人までは

確認済んでるものの

 

一緒に出た奴が

派手な外見で

目を惹くタイプだったら

 

一瞬

過った不安に

…どうでもいいわ…

 

って思い半分の

もう半分で

 

あーだこーだ

面倒なしりぬぐいが

必要になってくるかもしれない

現状

 

とりあえず

本音では

 

外をうろつかないで欲しい

って思いと

同時に

 

帰ってきた姉に

何処から聞けばいいんだろう

って

世間体がぐるぐる始めてて

 

クリスが

リビングのテレビに

リモコンでスイッチ入れたことにすら

 

気付いてないまま

無意識に

 

動くもの追う反射で

視線を

 

ミニターに向けたまま

 

ぼー…っと眺めていた

 

 

   つづく