…これは文字なの？か？
エムの落書き
そもそも
どっち方面から見るのが
正しいのか？
…すら
解読できない
記号の様で
つい
「…落書きするなよ」
ガキがする悪戯のような事
ちょっと
よそ見してる間に
やられたから
エムのかまって攻撃
…って事は
この授業に退屈してる
って事で
つまり
遊びの誘いだ
と
解釈し
乗っかり会話を楽しもうと
とりあえず
突っ込めば
「はぁ？
感謝するところだと思うけど？」
僕の想定とは
違った
エムが
お礼を求める口調で
僕の発言に異論を出した
から
…なんでだよぅ…
教科書汚されてんのよ僕は
って
好戦的なエムの
感謝の強要
ちょっと納得できなくて
無視すれば
「…お礼も言えんか
容量の小さい男だのぉ」
…最近
女友達が増え
こういう時の口調が
どこかの誰かに似て来たなぁ
と
今日は必須教科なのに
現れなかった
ミコさんの姿
一瞬
探す素振りで
周囲に視線向けてから
朗々と続く
お経のような教授の声の
出何処へ
視線移せば
…あれ
気付かなかった
新しい書き込み要請の文言
ボードに描かれてて
…そう
文字じゃない…ぽい
よく分からない
まさに
エムの落書きのそれと
類似した
「…これなに？」
ここへきてやっと
こいつの正体を
描いたエムに聞けば
「つん」
とだけ発して
顔をこちらに向けることもしない
から
なに その つん…て
まさか
ツンデレの ツンを言語化したってか？
と
なんか一部で
擬音を声に出すと癖になる
とかなんとかで
たまに
「つんつん」
とか
「ぺこり」
とか
独り言のように
呟いてるの
「よっこいしょ」
程度に
見かけるけど
その呪縛にエムも…
とか
感化されやすいタイプだったか
と
肯定で判断し
ボードに描かれた内容の
解説
求めるのを止め
独自で解釈してみようと
記述された部分の
ページに書かれている内容
ざっくり読み始めれば
…どうやら
古代文字がどーのこーので
世界各地で発見されてる形が
あーだこーだと
…なるほど
その際たる形の例で出てる
図形のような字のいくつかに
追加された
代表例…って事らしい
と
解読した頃には
もう2ページ進んでいて
結構
朗読形式なのに
ガンガン進むの
今日休んでるミコさん
…焦るかもなぁ
と
隣で一門一句
漏らすまじと
受講しているエムの姿に
今になって
成る程
ミコさんに説明する為か
と
僕のチャチャ
ガン無視で
お経に聞き入ってる
お隣さんの姿に
僕もエムに以前
助けられた
過去があるだけに
邪魔しないように
と
当たり前の姿勢
正しつつ
今更ながら
何かしら役に立てれば
と
集中力が途切れかける
後半部分を
がっつりフォローできるよう
余計な想定で
脳内を満たすのを止め
教授の解説に
集中する事にした
つづく