サイブン:トホ1/ー26ー | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

「いつでも出られるよ」

 

今しがた

 

崩れた荷物の中から

 

救出された人が

 

耳を疑うことを

 

口にするから

 

 

「…え?」

 

 

つい

 

聞こえているのに聞き返す

 

 

…いやいやいや…

 

一応

 

これから向かうのは

 

 

先生が新規開拓した

 

都内の賃貸ビルで

 

一応

 

この教室程

 

駅近ではないとしても

 

人の多さは

 

地方の一角とは話にならないだろう

 

…って事で

 

 

「…その格好で行くんですか?」

 

 

対面し

 

見るからに

 

自分より年長な相手に

 

そもそも

 

先生との師弟関係からして

 

兄弟子になる相手に向かって

 

今更のように

 

言葉には気を付けないと…

 

 

分かっていても

 

突っ込まざるを得ない

 

 

「…それは…パジャマなのでは?」

 

 

よく分からない

 

旅先の旅館とかで

 

風呂に入った後

 

着るパジャマ代わりの

 

それ…の姿の相手に

 

いや もちろん

 

着物って点で

 

洋服よりは

 

お洒落なのかもしれない

 

けど

 

 

正月に見る

 

着物のイメージから

 

ほど遠い

 

日常感と

 

荷崩れに埋まってた経緯から

 

あちこち乱れている

 

って状態に

 

まんま

 

布団から出た寝起き状態

 

…にしか見えず…

 

 

「寝巻とは失礼な

 

 これは“泥金”で

 

 経年の過程を楽しむ一品で…」

 

 

寝巻…

 

と言う単語込みで

 

なにを言っているのか

 

急にわからなくなった相手の言葉

 

流しつつ

 

 

「…準備できているなら…」

 

 

ハプニングがあった時点で

 

ロスタイムは否めない

 

ものの

 

 

当初の目的

 

全うしてほしいと

 

 

同伴者のルーズさに

 

この際 突込みはせず

 

先を急がせれば

 

 

起き上がって

 

パパっと

 

着崩れを整えると

 

…なるほど

 

確かに

 

寝起き感は取り払われ

 

それなりの

 

しゅっとした…

 

というか

 

同伴者…というか

 

身元引受人に見える

 

ちゃんとした大人が

 

そこに誕生し

 

 

…へぇ…

 

 

変貌ぶりに 見入っていれば

 

 

「どうかね?イカすだろ?」

 

 

…イカ…

 

 

何だろう

 

この人の雰囲気と

 

格好と

 

言葉のチョイスが

 

とても昔の人

 

相手にしているような錯覚

 

抱かされ

 

つい

 

時代錯誤に

 

引っ張られそうになる

 

感覚

 

追い払って

 

 

「…準備できてるなら

 

 出ましょう

 

 予定の時刻にギリ間に合うかも?」

 

相手任せでは

 

ずるずるしそうな はんなり感に

 

付き添ってもらってる側の自分が

 

仕切り始める

 

 

   つづく