サイブン3/ー21ー | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

社交性の高い女性が

 

お話好きで

 

流れるように欲しい情報

 

聞き出すスペックは

 

…自分の母親を見ている様で…

 

 

別に 見慣れた光景ではあった

 

 

 

彼の 女性に対する

 

対応は

 

まるで子供で

 

話にならなくて

 

 

…確かに

 

女性の 彼の事なら何でも知ってます

 

的 発言に

 

僕に対するマウントの様で

 

少し ん?って引っかかったものの

 

 

世代が近ければあるあるで

 

おとなしいオスは

 

兎角

 

年上の女性から

 

子供扱いされるもので

 

だから

 

多分

 

 

彼が講師になる以前から

 

陶芸家の弟子だった立場…って事なら

 

ひょっとして

 

姉弟子…って事になるのかもしれない

 

女性の

 

 

彼に対する 身内のような発言に

 

少しだけ

 

疎外感

 

無きにしも非ずだった

 

 

 

…友達…

 

 

彼が僕の事

 

そう紹介した

 

 

 

僕は

 

彼の認識上 友達だったんだ

 

 

…知り合い

 

…同級生

 

そんなくくりだと

 

一般企業に就職が決まっただけの

 

一般人の僕からすれば

 

大勢の作家と合同とは言え

 

展示会で作品を販売する

 

アーティストな彼は

 

一般人ではなくて

 

 

違う世界の住人で

 

 

…そんな勝手な認識

 

無意識に持ってた事

 

今頃気付きながら

 

 

「…友達の手

 

 そんなに握ったら痺れちゃうでしょ

 

 なに?何かやらかして捕らえられてる訳?」

 

 

女性の助言通り

 

 

彼の握力

 

想定外に強靭で

 

離すまい…が先行する力は

 

確かに

 

僕の手を冷たくし始め…

 

 

「原田さんが来る前に

 

 帰ろうとしてたから…つい」

 

 

女性への返答した彼の言葉で

 

 

あぁ…あのお弟子さん“原田”って名だったんだ

 

 

 

まるで聞き覚えのない姓

 

脳内で繰り返して

 

覚えながら

 

僕を握る手

 

放してもらおうと

 

ぐっと筋肉に力を入れて

 

彼の手ごと 左右に動かせば

 

 

ぱっと離れた 彼の手

 

 

その瞬間

 

止まってた血液が

 

じゅわ…と動きだしたような

 

指先の感覚に

 

わわ…

 

と 手のひら

 

にぎにぎしていれば

 

 

「…いい加減

 

 自分で考えて行動しなさいよ

 

 先生がこの教室任せたのは貴方なんだから」

 

 

ぴしゃりと

 

生徒さんの立場のはずの

 

女性に

 

渇を入れられ

 

言い返せないでいる彼の

 

フォローじゃないけど

 

 

「…えぇっとぉ

 

 あっち放っておいて大丈夫ですか?」

 

 

女性と一緒にここへ入ってきた

 

女性たちのグループが

 

当初より

 

抑え気味な声での雑談へ

 

変化していたので

 

 

…こっちの会話 聞かれてること

 

それとなく 伝えれば

 

 

「…先生のお友達は

 

 空気が読める方の様ね

 

 けど

 

 気にしないで いつもの事だから」

 

 

そういって

 

女性が あははは…と笑うと

 

 

それが合図のように

 

女性たちのグループが

 

ワイワイと 声のトーン

 

元に戻して

 

雑談 始まって…

 

 

これからの数時間

 

彼女たちの作品作りが

 

始まるのだろう

 

現場の方に

 

一瞬 気持ち

 

向けていれば

 

 

「…いつもの事って…そんなことない」

 

 

彼がポツリと

 

女性の発言を 否定した

 

 

   つづく