サイブンー27ー | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

僕のドキドキには

 

好奇心の面も当然あって

 

だから

 

彼らの会話がどんな感じか

 

周囲の作品 見てるふりしつつ

 

耳をそばだて

 

付かず離れずの距離に居れば

 

 

「…こちらは女性作家のモノでして…」

 

入り口で僕に声をかけた営業マン

 

会話を聞くために

 

目の前の作品

 

熱心に見てる風を装った僕に

 

背後から声をかけてきた

 

 

…営業トークされるのか?

 

 

身構えるよりも先に

 

「…はぁ…」

 

 

僕が見ている

 

作品の…というより

 

 

作家の話題から入ったことが

 

ちょっと気になって

 

 

そういえば

 

受賞者の名には

 

それと分かるマーカーがあって

 

…これが商売って事か…

 

 

等と

 

所詮 美術品の多くは投資

 

その価値が上がることを見越して

 

所持する為

 

作家の名前や経歴重視は当然で

 

 

スキャンダルがあればあったで

 

上がることもあるから

 

ギャンブルよりも確実かもね

 

等と

 

知った風な事 思いつつ

 

 

女性作家…と言われたが

 

にしては 大胆で男っぽい

 

でかい花器…だろう

 

無骨な土色の作品は

 

何処においても邪魔にならない印象で

 

 

「…随分 個性があるようでない作品だ」

 

つい

 

余計な感想

 

口にしてから

 

 

話しかけてきた人の方を見れば

 

営業スマイルが

 

「…そう感じられましたか」

 

 

好みは人それぞれだ

 

それがいいと思う人も

 

華やかさがないとダメだという人も

 

その

 

どっちの意味での僕の発言か

 

分からないうちに

 

余計なことを言わないスタンスで

 

 

「…個性的な作品がお好みですか?」

 

 

購買欲があるなら

 

探しているものの特徴

 

探す手伝いをする

 

って事か

 

一歩踏み込んできた会話の流れに

 

あまり 余計なことを言うと

 

断りづらくなるかも…と

 

 

「…知り合いと同姓同名の記載があって…」

 

それは がっつり本当の事で

 

知れるものなら

 

情報が欲しいと

 

 

パンフレットを開いて

 

“彼”の名に指を添え

 

営業マンに見せれば

 

 

接客スタイルの営業マンが

 

一瞬

 

購入客ではない僕の顔

 

じっと見て

 

 

「…こちらの“先生”は

 

 私共の担当ではございませんが

 

 本日の“ご優待券”は“先生”からのご招待で?」

 

さっきまで

 

作品にかこつけて

 

作家のプライベート

 

話しそうな勢いだったトークが

 

商売に関係なさそうだぞ…って

 

流れを察したか

 

打ち切られ

 

入場に使用したチケットの種類から

 

僕が何目的か

 

確認が始まる気配に

 

 

「…いやぁ“それ”は別の人に貰って…」

 

 

購買目的の展示期間

 

それなりの成績は必須なのだろう

 

旧友を語る僕が

 

客になるのか否か

 

確率で計ってる様子から

 

値踏みされてる感

 

こちらも 察しつつ

 

時間もあって

 

記念品くれるっていうから

 

来ただけだって事は

 

営業マンにバレバレだろうし

 

…そもそも 彼の作品が

 

出品されていることは

 

偶然知ったことだし

 

別に現在の彼の事 根掘り葉掘り

 

知りたい訳でもない…

 

 

途切れたトークに

 

時間の無駄だと

 

営業マンが僕から離れるのを

 

今か今かと

 

待った

 

 

 

  つづく