アカツキ〈ハルver〉18才ep4 | ラテックスは妄想中

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暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

「あらあら…

 

 早く食べたいからって

 

 走って帰って来ちゃった?」

 

 

赤い顔のアキラに

 

僕の背後から 叔母の声

 

 

振り返れば

 

…成る程

 

まぁまぁ待たされた訳だ…

 

 

思い掛けない量の

 

CDやらLPを手に現れた叔母

 

 

「…なんか 凄い事に…」

 

 

貸し借りなら多くて2.3枚だろう…と

 

常識の感覚を

 

飛び越えて来た 

 

大量のアルバムの中に

 

なぜか

 

「…これは 映画ですよね?」

 

異国語の ヒアリング鍛えるのに

 

よく聞く習得法…ではあるものの

 

 

「…しかも フランス映画では?」

 

 

なんかもう

 

英会話がどうのこうのとか

 

関係無い感じの

 

ラインナップに

 

 

…これは 突っ込むべきか?

 

 

思案してる間に

 

 

「…これは監督が

 

 ビートルズのファンで…」

 

 

あぁ…成る程

 

 

叔母本人が ビートルズの

 

FANなのか…と 気付いた頃には

 

 

イギリス英語の特有な発音から

 

訛りの話題に移行し

 

ニュースキャスター発音での

 

喋り方とか

 

なんだか 今たちまち

 

使えそうにはない奥深い

 

コアなネタに 話題が

 

進みかけた頃には

 

出されたスコーン

 

一個

 

食べ終えたところで

 

 

アキラが買ってきた

 

ジャムの中で

 

りんごのジャムが

 

僕的には 美味しかったなぁ…

 

って感想

 

さて どのタイミングで言おうか

 

 

叔母の話の切れ目を

 

探っていれば

 

 

「…ハル 

 

 今日のデイリーは終わった?」

 

 

慣れたもので

 

僕より先に するっと

 

話題を変えて来た

 

アキラ

 

その手には

 

クロテッドクリームと

 

ブルーベリーをとりわけた皿と

 

スコーンを数個 乗せた皿

 

 

 

「未だなら 

 

 俺の部屋でやって行けよ

 

 母さんの話 付き合ってたら 

 

 デイリーする時間 無くなるぞ

 

 ついでに 飲み物俺のも持ってきて」

 

 

そう言うと 僕に

 

ついて来いって 顎を上げる合図

 

 

取りあえず

 

テーブルの上 広げ

 

説明された

 

ヒアリング教材としての

 

叔母のお薦めの中から

 

 

馴染のある作品名が多かった

 

アルバム手に取り

 

 

「…じゃあ これ お借りします」

 

 

そう 叔母に断って

 

席を立てば

 

 

「あぁ…せめてこれも聞いてみて」

 

ファン獲得の為の布教スイッチが

 

入っていたようで

 

叔母ご推薦の一枚も追加で

 

手渡される中

 

 

アキラに促がされ

 

リビングを出た僕は

 

アキラと二人分のカップ

 

手に

 

アキラの後ろを ついて歩く

 

 

「…“それ”

 

 ボイチャの為とか

 

 言い出したら 

 

 どうしようかと思ったじゃん」

 

 

“それ”と言うのは

 

僕が持参したイヤホンの事で

 

こんな日用品じゃないモノ

 

ゲームで使うアイテムなのは

 

叔母にもバレバレだろう

 

けど

 

「スコーン美味しいねぇ

 

 これ アキラも一緒に作ったの?」

 

 

なぜ そう思ったのか

 

単なる勘だけど

 

僕が食べてる様子

 

気にしてる風だったから

 

そう問えば

 

口角の上がった

 

アキラの表情が

 

初々しくて

 

 

…あぁ…今はサトルじゃないなぁ

 

と 悟り

 

僕は 反射的に

 

女性としてのアキラに

 

近付き過ぎない様

 

一歩距離を取った

 

 

  つづく