Spinoff 238》Short | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 


カメラマンが

肌のすぐ近くで


空気を吸い込んだ事で

揺れた産毛が


首筋に怖気を走らせ

 

竦む肩



くすぐったさに

漏れそうになる声


唇を噛んで 呑み込む


男の娘に 内緒の接触


…の

つもりだから


自分に強いる我慢


なのに



「見てなくても

 気配で分かるんで


 …そう言うの 

 俺が

 居なくなってからに

 してくれませんか?」

 



棘のある言い方で


ちょっかい出して来る

カメラマンに


注意勧告したかと思えば

わざとか

偶然か


腰をグッと押して



「了承も得ず

 誰彼かまわず


 あんたらのプレイに

 巻き込むんじゃねぇっての」



一端 口火を切った苦情


止まらないかのように


抗議を口にしながら


背後から離れた男の娘



その手は


作業の終盤を匂わす様に


前に回って



近くに立つ

カメラマンの体


作業に邪魔な事

態度に 追い払うと



襟元の乱れ 直す所作で


浴衣の襟に触れ


意味ありげにその手が


首の肌を 撫でた




それは

第三者が居る場で


二人だけの空間で為される

密事のさわり


始めたカメラマンへの

嫌がらせの つもりなのか



思わず

カメラマンに向けた視線は


片眉上げて

こちらを見ている目と


微妙にぶつかって


空を漂い



男の娘に戻せば



「あんたと こういう事できる

 チャンス


 和室で


 何度もあったのに


 今更ながら


 常識人な自分を

 残念に思うね


 この浴衣

 …よく似合ってる」



声を 潜ませるでもなく


男の娘は


カメラマンを挑発して


ニッと笑った



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