ブレス if -XXX-Ⅹ vol.21 | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。





舌を噛んだ時の様な


口元の 感覚に


促がされた 覚醒



 痛い


そう思ったのに

 夢でも見たか?



口腔内に 重い痺れ


 確かに感じたはずなのに


覚醒してみれば


現実味が薄い…気がして



口の中


舌を動かしながら



結局 横になったら 寝たのかオレは…



覚醒始めた意識で


 現状を俯瞰し



重い手足に


 起き上がるぞ と 合図して


体の上のブランケットを剥ぐ




窓の外は 朝の音



眠りの少なさから

 怠い身体 軽く肩を回す



ドアの前を移動する足音


すぐそこにも 人の活動する気配



 まだ居るのか…何時だ?



寝室を出て リビングに向かう



朝の香りに満ちた空間




隅に寄せられた寝具一式


 あれがなければ



いつも通りのリビング



…いや そうでもない


室内をちゃんと見る前に




壁の時計を確認



 時刻はAM 6:48



…まだ 7時前か


思ったより 穏やかな経過に


改めて室内の状況へ


目を見張る



テーブルには



朝の準備



定位置の様に 自然と決まってる


それぞれ座る場所に


色分けされた ランチョンマット




ホテルの朝 ビュッフェと


見紛う


 皿上のメニュー


品数の多さは 思うに


「男」の意見が反映されての事だろう


オレ用の設えと


全く違う内容の 箸休め



メインは何だろう?



温かな状態で 給仕予定か


 メンツが揃うのを待機して



それぞれのマットの上に


配膳空間が 空けられている



室内に 漂う香りから


想像しようにも


やはり珈琲の香りが強く


他をかき消してしまう



 凄いな



完璧な 清々しい朝の光景 目にして




クローゼットの中で


さかってた『男』の姿 思い出す



 これを あの後



準備したのか…と



感嘆する



一方で



 こんな環境


至れり尽くされる待遇が



当たり前の感覚になったところで


『男』との関係が 終ったりしたら



 すさんだ生活になりそうだ



目にした光景から出た


内心の二面性


真逆な感想に


ふっ…と 苦笑う




どうも オレは


最悪なパターンを 常に想定する癖があるようで


状況を素直に 満足できない性質らしい



…と 




何もせず 座って待つのも何だなぁ



完成間近な朝の空間に


不可欠な『姿』求めて



キッチンへ向かう





既に 今朝 会ってる『相手』



おはようは おかしな挨拶だ…等と


開口一番 口にするセリフ


漠然と選択しながら



キッチンへ顔を出せば




『男』の姿無く



「男」が一人 


スマホ片手に立っていた



モニターに集中した「男」の姿



想定外だった状況に


あれ?って 表情 素のままに晒し


止まる動き




 オレに気付いていないのか



変わらない姿勢 キープの「男」



声を掛けたら 邪魔になるか?



仕事の前の朝だけに



「男」の姿が 戦闘態勢に見え



黙ったまま キッチンに入り


取りあえず常温のペットボトル


「男」の傍まで近寄り


ストック棚から 取ろうと手を伸ばせば




「 …顔洗った?」


突然 声を掛けられ


パッと水を手に取ると


すぐに身を引く



 微睡んだ程度の睡眠でも


寝ぼけた顔してたか?


一瞬そう思ったが



「男」の視線は  


 手の中のスマホから


離れていない



オレの姿見ての発言じゃない



そう ただの挨拶だ





起きてそのままだった事


この時点で 思い出す



出社がない 気楽さが


ルーズに繋がる事



指摘された気分




… いや まだ …




手にした常温の水 


キャップを捻り 口にしながら


「男」の手元を チラッと見


「男」の顔を チラッと見る




仕事してるのかな?


様子窺う俺の視線



うるさかったか?



「男」が


手の中のスマホから目を離し


オレに向いた




「…だろうな」



細められた目


笑ってる訳じゃない 表情


オレに向けた「男」




「 凄ぇ『彼』の匂いがするよ オマエ 」



口に含んだペットボトルの水


喉を通る時


大きく ごくんと鳴った




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