ブレス if -XXX-Ⅸ vol.53 | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。




行為の痕 そう簡単に消えないけど


熱いお湯を長く浴び


肌を紅くする



体の何処を どう洗えばいいか


『男』からの手ほどき以降



段取り良く こなす洗浄



慣れている 自身の所作に


無い記憶の隅で


運動機能の記憶力の存在を 感じた



全て慣れ 親しんだ行為なら



この感覚も あって 当たり前なのだろうか?




洗っても 消えない 違和感



体の奥



 防衛反応なのか



繰り返される行為で


そう使うべき個所ではない部分に


度重なる刺激を加えられた結果



裡に受けた ダメージが



痛みを変化させたのか



 ずっと 奥に感じる 感覚



ジッとしてても続いてて




不安が胸に満ちる





自分では見て確かめる事の出来ない部分


指で触れれば 腫れたような厚みと熱


そして ほぼ 麻痺している 痛覚



その先


指で届かない ずっと奥に 


その存在を 伝えてくる 感覚



裡に 有り続ける 違和感…





オレは このままだと 


どうなるんだろう




記憶の無い 今のオレは


過去のオレが どういう経緯で


今のような状況になったのか



純粋に 知りたかった






『男』が向ける愛情や


「男」に感じる感情は



どんな意図で 始まり


現在があるのか



そもそも 単なる 成り行きなのかもしれない



 それでも



この扱いを 受け入れる為に


何でもいい 納得のいく 確信が欲しくて


聞いた 



過去を共有した 二人の話




でも



不安が 


ただ漠然とした 不安感が


胸にあった



どれも オレの事じゃないようで


初めて聞くすべてが


作り話の様で


信じていいものの判断がつかず



過去のエピソードに

 意味を見いだせなかった



広がる 空虚感は



痛覚を失くした 体から


探求心を 失くしていく





肌を紅くする熱い湯

 


頭から浴び



掴みどころのない思考を止め

 

湯に流す





今 から “オレ”を確立するために


すべてを


リセットし 切り替える




過去ではなく 今のオレが



 “オレ”なんだと






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