ブレス +⁺+⁺ | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。



BL系です

苦手な方ご注意ください






駐車場の非常階段

外から入るのに必要な


扉の暗証番号


… の 下4桁だから…


話題にしたのは 先週だった






『 何やってんの?』


耳元で聞こえる携帯からの声と 


背後から 聞こえる 肉声



振り返った先に『彼』の姿




建物の角にあるオレの部屋

エレベーターホールより


非常階段の扉の方が

部屋に近い


だからって



…8階まで 階段で来たの?…




手の中の携帯 切りながら

口の傍 上げ

自然に見えるよう 呆れた表情を装う



『最近ずっとだよ 運動がてら

 …とりあえず 部屋 入ろうか』



『彼』の言葉に 乱れる心音


ざっと確認して出たものの

『彼』の『彼氏」が 居た形跡


 『彼』が 気付かないとは限らない


何より オレ自身 普通を演じ過ぎて

ボロを出しそうだ




…食うもん 何も無いよ…



この時間の外出

一番 らしい口実で

『彼』を 部屋から遠ざけ様と


買い物に誘う




『別に 飯食いに来た訳じゃねぇし』


そう笑うと 『彼』が 手を差し出す



黙って その手を取ると

ギュッと握る『彼』の手は


どきりとするほど冷たく


中途半端な俺の誤魔化しは

跡形もなく 消えた






――――――――




… 手 冷たいんだけど

    何処に居たの?…


ひょっとして 電話の時から 

外に居たのかもしれない


それ程までに 冷え切った手


オレの手を引いて歩く『彼』の表情

この角度からは伺えず


部屋前の扉まで

ずっと無言の『彼』


『鍵貸して 俺が開ける』



そう言って 見せた『彼』の表情


いつもと変わらず


ほんの少し ホッとする





『 何? 窓開けてんの?寒ぃよ』


玄関で騒ぐ『彼』の後に続いて


中に入ると 扉の鍵を閉める



施錠の音 合図の様に

コートの襟 『彼』に引かれ



冷たい『彼』の服の感触

頬に感じ

すっぽり包み込むようなハグをされ


空いた両手を

『彼』の背中に回し

服を掴んだ




…窓閉めて エアコンつけた方が

    暖まると 思うけど…





未だ靴も脱がないまま

玄関で 抱きしめられ


『彼』が大きく呼吸するのを聞く



『…俺の好きな匂いだ…』



そう言うと 解かれる抱擁




『 一端 帰るよ

  夕方 何か食うもん買ってくる』



…え?…




そのまま 『じゃぁ 後で』と

『彼』が 出て行った





独りになって


緊張が解れ始めると



『彼』が この部屋の鍵を持ち去った事に

気付き


オレは 再び携帯を手にした





―――――――