すっかり当たり前になった快適空間で
微睡んでいると
「 こんな不自然な環境に居たら ダメになる 」
そう言って クーラーを消した彼
反応を伺う目と 目が合う
…ここで何か反論したとして
あの目は 何かを企んでいる
ここは無反応を決め込む事に…
暫くすると 締め切られた空間は
ムッとした空気に包まれ
不快度指数を 上げて来た
立ち上がり
無言で窓を開ける
外
…無風でやんの
しかも
…ミンミン うるせぇし
汗が吹き出してくる
…めちゃめちゃ 不快じゃん
何がしたくて
何してくれちゃってる訳?
何目的?
どんどん
文句が込み上がって来たところで
暑っ苦しい抱擁を 背後から受ける
「 あああああっ うっとおしいっ 」
両肩を上げて 彼からの拘束を解く
ひゃっひゃと笑う彼
「 水浴び しよっかぁ♡ 」
屈託の無い満面の笑みに
…言葉を失う
「 ほらプールとかは準備が面倒だけど
うちの風呂なら そのまま…ね♡
水風呂 最高気持ち良いよぉ 」
…悪くない 発想だ
暑さは判断力を鈍らせ
安易に 彼の言葉にのってしまった
「 え?一緒に入るの?」
脱衣所で
「 はい 両手上げてぇ♡ 」と
何かしらの ごっこ遊びが始まり
気付いた
暑さは注意力を鈍らせる
「 何言ってんの
一緒に入んないと 意味ないじゃん 」
暑さは理解力も鈍らせ…
涼を求める事に集中した脳は
シャワーで濡れた肩を彼に吸われ
…魂胆に気付く…
互いにヒンヤリした肌は心地よく
「 ちょっと寒くなったね 」
自然と抱きあう手が 少し震えて…
涼を求めていたことも忘れ
互いの熱を求め始め
夏にやるお楽しみリストに
水遊び ランクイン決定かも…
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