sunny side blog
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オリンピックスポーツクライミング競技について色々言われてるので一言

フリークライミングに関係して生きている者だが、そもそも競技者ではなかったので、それほどの熱量がないことは否めず、オリンピックのスポーツクライミングは決勝になってようやく競技に集中して観ることができた。

予選では画面で4箇所同時にマニアックな課題をトライする映像をテレビの画面で観ても、選手が身体的にも心理的にも何をしているのかよくわからない。それは経験のある者がそう感じてしまうのだから、一緒に観ていた未経験者にはもっと分からないそうです。
選手の点数も予選は特にテレビの表示も小さくてとにかくわかりにくい。決勝になって一人一人のトライが見られるのでやっと熱が入った。

sて、その色々な意見が飛び交う問題である。森秋彩選手がスタートホールドに届かず点数なしに終わってしまった決勝第一課題。

そもそもこういう動きが苦手だったかもしれないが、完登した課題以外もなかなかホールド間が遠い課題には見えた。結果的にこの第一課題ノーポイントが大きかった。

リードは完登一歩手前で1位だっただけに、少なくともここでスタートできていればメダリストにはなっていたかもしれない。

男女共決勝のリード種目はセットされたルートに対する様々な技での攻略と出力を調整する戦略、そしてボルダリングから気持ちを切り替えてルートのみに集中して登り切ろうとする勝負に見応えがあった。

テレビでは、メダルを争うホールドへの表示があったので、これも良かった。ただ、ある高さから1手の点数が変化するので、得点がオンタイムに表示されるとなおわかりやすくなるだろうと思った。

今回から独立したスピード種目は誰にもわかりやすいけれど、いかんせん短い。どうせなら登って下ってまた登る一往復半のクラスがあっても面白いんじゃないかと個人的に思う。
ちょいと話が広がって長くなってしまった。

そして、思う。

人工の壁にセットされたホールドで順位がつくようにルートをセットするにあたり、身長やリーチ(手の長さ)による有利不利は仕方ない、全員に公平にセットを行うことは不可能だ。それをなるべく少なくして選手が培った能力を全て発揮して順位がつくことは理想だが、今回はオリンピックという大きな舞台でそれがうまくいかなかった。

男子ではやはり予選リードルートの序盤にトリッキーな核心が設定されてしまい楢崎楢崎選手はじめ多くの選手がここで脱落してしまった。
これもセットへの苦言がささやかれた。

自然の岩で行うフリークライミングは
対人との競争ではなく、もちろん岩を征服するものでもない。己の心理的と身体的要素の全てを発揮すること。その単純でいて複雑な行為の中で己の生命を感じる喜びにある。
自然の岩では身体的能力に加え、心(危険に対する恐怖)をコントロールしながら一手出せるかどうかによって登れるか登れないかの結果の差異が生まれる。身長やリーチなどの差は特に足の使えるホールドが増え人工壁のように大きくなりにくい。

その危険を廃した人工壁のコンペティションにおいては、人数が多ければ、体型による結果の差異も大きくなる。
差異の出来やすいボルダリングも複数の課題によって、不利な者もある程度他で挽回して、リードで勝負することができる。
森秋彩選手は今回は悔しかったけれど、克服していく手段をきっと見つけるだろう。これまでしてきたように。
複合競技はその身体的要素による有利不利を心理的要素によって補える。他者とのそれまでの優劣に揺れる心をコントロールし、自分にだけ集中して、ただルートに向き合って準備してきた力の限界までを出し切るという本来のフリークライミングを観ることができたスポーツクライミング競技だったと個人的に感じた。

 

最近聴いているレコードのこと

退院してから8年。最もよく聴いているレコードが、これだった。

 

 

 

 

 

もちろん、ブルーハーツも、清志郎も

スプリングスティーンも、ストーンズもオーティスも聴いているけど。

 

ライブにも行けたし、家にいるときは大抵かけてた。

「でかしていこう」から「散歩」に終わる全てが良かくて、なかでもこの曲が核になっている。

できなくなってしまったことがいっぱいあって、そのことを解って前を向く力をくれた。

でも、どん底だと思っていたらさらに底があることも感じた。

そして、今は上がってきたのではなくて、どん底なんていうものはとらえ方、観念だと解ったのだ。

 

それから今一番聴いているアルバムはこれになった。

 

 
 

 

目にするエゴや、聞こえてきてしまう差別や誹謗中傷とか、目に入ってくる嫌なものがどうでもよくなる。

これ最高傑作じゃん!ライブに行きたかった~

 

 

これに頭からやられてしまったのです。

尋常ではない暑さですね~

気温が高い晴れの日が多く、強弱が激しい梅雨らしくない梅雨が明けたと言われたらいきなり災害級猛暑の日々になってしまいましたなぁ。

府中で39.2℃という日2階の南向きの玄関の外は日陰に置いた温度計が40度になってました(◎_◎;)

 

前回からの間が空いてしまったのは、その暑さにぐったりして気力が出ないし、たまに仕事や虫取りで外出するぐらいなのでネタもなかったということもありました。

 

 

 

 

今回は、春にここで少し書いた岩場をさらに歩き回ってなかなかの規模であることが解ったこと、地主さんと良いお話もできたので、少し詳しく書いてみようと思いました。

前に書いたものと重複する部分があるのはご勘弁ください。

 

 

山を歩きまわって見つけた岩のある場所を調べたら、地主さんが複数いる私有地の山林であることが解り、昨年の11月に全員に手紙を送り、お話しする機会をもらいました。そして、自分とパートナーになってくれる人に限っては、立ち入って登ってよいという許可をいただきました。

 

ただし、人口の多くない静かで自然豊かな農山地なので、その自然を壊すようなことはないようにしてほしい。何かのイベントのように大勢の人が来ることはやめてほしい。と言われています。

近くでも、私有地への立ち入りや岩へのボルト打ち、観光地の岩に乱打されたボルトが景観を傷つけるなどの事例が多く、地元の人達は心を痛めています。

人が多く訪れることでそのままの自然が過度に変化してしまうことは自分としても絶対に避けたいことです。

何より、自分が死ぬまで楽しめそうなこの場所は秘密にしておきたいですからね。

 

静かな場所で、近くに車を停める場所も無く、今ある多くのクライミングエリアの様に人が多く訪れてしまったら、アプローチも含めて、強い影響を及ぼしてしまうことが懸念されます。それは岩がボルトだらけになってしまうことも含めて、

今フリークライミングに係る自分達が面している文化的、環境的側面のまさに核心と言える問題でしょう。

 

おまけに熊の目撃情報も多いです。

アプローチや、取付き周辺も整備されていないので、それも含めて自分達で危険を把握してそれに対処する自然の中でのクライミングになります。

小さな自治体にとって事故の対応は大きな負担になるので、絶対に起こすことはできません。そうなればすぐに立ち入り禁止になるでしょう。

 

だから、詳しいことは書けませんが、

ここに書いているようなこれまで行ってきた報告と、人間の能力を高めて岩に向き合い自然の力を感じることで自分という自然も知っていこうとする自分が考えているフリークライミングというものを、を地主さんたちに伝え、ご理解いただいたので、身を守る最低限のボルト設置のをお許しいただき、自分の講習の仕事で利用する許可もいただきました。だからこれから仕事も含めて利用できる可能性が広がりましたので、ちょびっとだけ紹介します。

 

最初に手を付けた岩だけでも約30メートルのスケールで、3本の顕著なクラックを掘り起こして、その下部バリエーションだけでも4本。プラスプロジェクト。これが15~20メートルぐらいの幅に並んでいます。

その岩だけでもフェース、スラブのラインが何本か引ける。

そしてその上にも大きな岩壁が続いています。

 

 

 

 

 

まずはできる限りクラックシステムだけで登り尽くしてみようと思っています。

人間と岩の間に介在する人工物をなるべく減らして、その岩と自然と対話する手段で登るつもりです。

なかなかの規模なので、それだけでも長く遊べそうです。

 

 

さて、最初の岩壁のクラックの中でも最初に目を奪われたのはハングしたきれいだけど威圧的なコーナー。ハングの先がどうなっているのか確かめたい。

そう思って、フィックスを張りに終了点となる木を目指して登ってみました。

これが一番やばかった。小石混じりの堅い斜面は針葉樹や灌木の細かい堅い葉が堆積して、キックステップもできない氷の斜面のようだ。バランスを崩せばちょっとただではすまないことになってしまう。

最初は右から巻いていき先に進めず、帰りも悪いので懸垂して、左を巻いてみる。

こちらも水が流れて苔が堆積しているるがなんとかたどりついた。

それから25メートルのフックスロープを垂らして降りていくと、下まで届いていなかった。

嬉しい誤算。

ロープを登り返して10メートルほどの切れ端を繋ぎ延長したロープをフィックスして、クラックを見ながら下降。

降りてみると微妙にラインからずれているのでまた登りなおして、ロープの支点の木を変えて準備完了。

それからクラックの掃除とプロテクションの確認にとりかった。

 

その間にまた雨の日が何日かあり、また溜まった葉っぱや土をきれいにして、登れるようにできるまで10日ほどかかってしまった。

 

Hさんに行きませんかと声をかけると快く乗ってきてくれた。

 

被っているけど易しめのオフィドゥスはそのオフィドゥス分ぐらいの短いかなりハードな2本のバリエーションがある。

ハングの先は傾斜が寝てクラックが続き最後にスラブフェースとなる。

 

ルート自体は難しくはないが上部のプロテクションがあまり良くない。

 

フレアしたポケット状グルーヴが最後のプロテクションとなり、その下のフレークに固めどりして突っ込むしかないと考えたが、

 

 

 

 

 

実はそこがちょっとしたフェースの核心。思いついて持ってきたエイリアンがそのポイントに収まりよく利いてくれてよかった。

 

 

 

 

最初はこれだけでも満足できると思っていたが、時間もあるし、せっかくの機会なので、最初に惹かれたコーナークラックに早くもトライできることになった。

 

こちらは被ったオープンブックで、ハングを超えた先のクラックにプロテクションをセットできるまでは落ちたら下のスラブにグランドしてしまうからそこまでは落ちられない代物。掃除のときにプロテクションの効きはしっかり確認しておいた。

 

プロテクションとホールドの確認をしながら掃除をするので、ルートに対する未知はなくなってしまうので、そのドキドキは薄くなってしまう。ムーブも探ってしまうと、それがなくなってしまうので、そこだけはしっかりと残した。

 

グラウンドを防ぐライフラインとなるプロテクションはとりあえずクラックに置きクライムダウンして決め直しまたクライムダウンしてテストをして突っ込む決心ができた。

ムーブやプロテクションの決め方を探りながらのトライはかなりドキドキした。だからハングを超え上部パートに入るときに思わず左のクラックに生えている細い木の根元を掴んでしまった。これは想定外だった。

その左クラックもバリエーションとしてありでしょう。

 

 

この右はできるのかわからないけどプロジェクトです。

 

最後のスラブはやはり雨のせいでホールドが汚れていてブラシで掃除しながら足元数メートル下のスモールカムでマントルを返さなければならなかった。

そして、その上のクラックも最初の目測では傾斜が無い分あまり気にしていなかったのだが、やはり濡れた土が詰まってしまっていた。とりあえずほじくってナッツをセットしたが、もし落ちてしまったらと考えたら、あまりの怖さにナッツを掴んでしまった。

 

残念だが、夏を過ぎるまでお預けと思っていたので大満足のクライミングだった。

トライ中はメマトイに悩まされて2匹以上に飛び込まれた。

 

 

 

 

 

目から虫が出てきたのは次の日。あまりの痛さと腫れに眼科直行。

代償は小さくなかったけど、得たものは大きい。

また秋に掃除してトライしよう。

 

この夏は猛暑で登るのも、作業も厳しいので、ゆっくりできることを準備していこうと思う。

 

今後の整備ができて、また案内できるようになれば追って書いていきます。

 

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