「400円の指輪」 | NINAの非常識なネタ帳

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迷ったら辛い方を選ぶ

こんばんは☆NINAです。
いきなり肌寒くなってきたので、明日からは完全スーツ出社を視野に入れております。


昨夜、当ブログの読者様と電話でお喋りをしていて、
すごく懐かしいことを思い出すことができました。


この読者様はアパレルの接客業をされているお方でして、
僕が広告業界に入る前、まだ雑貨屋のオーナーだった頃の話で夜な夜な盛り上がってましたwww


そうそう、僕こうみえても接客とかしてたんですよ。
でね、突然“1番印象に残ってる客”って話題になったんですね。


それこそ当時の僕の店は、アングラ的要素満載な商品レパートリーでしたから、
かなり濃ゆい、そして個性的で何かを抱えてる(?)お客様がよく来店されました。


なので印象に残ってるお客さんはたくさんいるのですが、
さすがにここで書くことはできないので、僕の中で心が温まったストーリーを一つ。


あれは忘れもしない12月23日の夜中でした。
全身虎壱で身を包んだガテン系の若いお兄ちゃんが、(推定19歳)
何やら神妙な面持ちで来店しました。


で、そのまま一直線に僕の前まで歩いて来て、こう言ったんです。


「一番安い指輪ってどれっすか?」


なので、僕はショーケースには入ってない、
平置きのまま陳列した400円の指輪(シルバーリング)を出して、


「1番安いのだとこれっすね。ほぼオモチャっすけどwww」


とか言いながら、接客を開始した記憶があります。
この時、すぐにプレゼントかな?って思ったので、聞いたんです。


「もしかして、クリスマスプレゼントとかですか?」


そしたら急に咳をきったように泣き出しちゃったんですよ。ガテン系のお兄ちゃん…汗
閉店間際だったので、他に誰もお客さんがいなかったのが不幸中の幸い。


もうね、大泣きってかガン泣きね。ほんと引いたから僕も。
「ちょっwww」みたいな。


夜も遅いし外は寒いしお兄ちゃん泣いてるしってことで、
とにかく落ち着かせようと思い、僕は缶コーヒーを買ってきて渡しました。


で、イスに座らせてよくよく話を聞いてみると、
すごく好きな彼女がいて、その彼女に最近フラれちゃったと。。。


でもなんとかヨリを戻したいので、クリスマスに指輪をプレゼントし、
もう一度告白しようと決意を固めてたと。。。


しかし彼はニートでお金もない…だから日払いのガテン系の仕事をして、
プレゼントを買おうと思っていたのですが、貰った給料を財布ごとなくしてきたと。。。(今ここ)


てことで、一言でいえば“残念坊や”なんですこの子。
負の神様を呼ぶ神なんですこの子。


これには同情せざるを得ないってことで、僕はそーゆー事情なら、


「この指輪の代金はいりません。けどいつか必ず返しにきて下さい。」


と、そう彼に告げました。自分のお金じゃないと意味がないですからね。
すると彼はまた泣き出し、今度は土下座して、


「ありがとうございます!必ず返しに来ます!」


と、こうなるわけ。ここでも僕は軽く引きましたね。
「ちょっwww」みたいな。


2時間ほど文字通りの接客をした後、彼は店を出て行ったのですが、
あれは僕にとっても強烈な体験でしたね。


そして2日後のクリスマス当日、なんと残念坊やが再来店してきたんです。
あまりにも早い再会に僕も目を丸くしたんですが、それがすごく嬉しかったんです。


なぜなら、今度は残念坊や1人ではなかったから。
脇には可愛い彼女がいたんです。もちろん彼女の指に光るのは400円の指輪(笑)


残念坊やは、


「この前は色々とありがとうございました!」


と言って、クリスマスに一人寂しく仕事してる僕に、
温かい缶コーヒーをプレゼントしてくれました。


と同時に彼は400円の指輪を僕の所まで持ってきて、


「彼女とペアで付けたいんで、これ下さい」


と、しっかりと800円を支払ってくれたのです。
さぁて、少し長くなりましたが、接客って色んなストーリーが生まれて楽しいですよね。


当時を振り返ると、またやってみたくなりますね。
たぶん今の僕が接客したら、売り上げも少しは上がるんだろうなぁ~www