今から10年前のあなたの状態に戻ります。
ここで、A(行列A)を、10年前のあなたの当時の行動(操作)、
v(ベクトル)を、当時あなたが置かれていた物理的な空間(環境、物、お金などの資源)、としてください。
行列A とベクトルv の積は次のように計算されます。
上記の計算で、一番右のイコールの計算で出てきたものが、その時の現実(=写像)です。
具体的な数値を入れてみましょう。
そうすると
これが写像という現実の姿です。
これが、10年後のあなた、つまり今のあなたの状態だと思ってください。
では次に、Bという行列を考えてみます。
見ていただくとわかる通り、Bのなかの数字は、Aの中にあった数字と同じです。(1、2、3、4)
ただ並び方が違うだけです。
このBは、いったい何を表しているかというと、
あなたが10年前当時、結果的に選択することのなかった行動(操作)を表しています。
これで、先ほどのvは同じままにして、計算してみましょう。
これが、あなたが10年後に、体験することがなかったもう一つの現実(写像)です。
Aも、Bも、
含まれていた数字は同じです。
しかし、その順番が違うだけで
計算すると、全く異なる値になります。
当時、与えられた選択肢の中から、
どのような操作や変換を行なったか(行動)によって(優先度など)
全く違った写像(現実)になるのです。
ちなみにこの線形代数の考え方は、量子力学の基本方程式であるシュレーディンガー方程式とも繋がっています。
この形式は、線形代数の固有値問題と同じです。
行列 H の固有値 E と固有ベクトル ψ を求める問題です。
エネルギー情報を取り出す操作(H)によって得られる写像がエネルギーです。
まだミクロの世界でのみ観測されている事象ですが、
いずれは、もっとマクロな世界でも観測されていくことでしょう。
色々と計算式を持ち出しましたが、別にこれらを覚える必要はありません。
我々は別に物理学者や数学者になる必要はありません。
重要なのは、知識を持ってこの人生をどこまでも豊かにしてくことです。
大事なのは、
今、この瞬間、どういった操作(選択肢、行動)を行うかによって
全く異なった結果となるということが
いずれは科学的にも明らかになる、ということです。
(愛は宇宙の根源エネルギーです)
つまり「未来は選べる」という事実です。
上のような計算(行列式)において、行列の積は一般に非可換です。
「可換」とは、演算や操作の順序を入れ換えても結果が同じになることを言います。
「非可換」なので、順番を入れ換えると結果が異なる、ということです。
我々は、数字を掛ける順番を入れ換えても、結果は同じと習っています。
10x5=50ですし、 5x10=50ですね。
しかし、行列A と行列B の積AB とBA は通常等しくありません。
この行列の関係が、量子力学にも当てはまるのです。
位置と運動量を同時に知ることはできない=不確定性原理
何が言いたいかというと
「未来は選べる」という事実によって決定する、もう一つの事実があります。
それが
「未来は今この瞬間、(運命的に)決定することはできない」
という事実です。
未来は選べます。
しかもそれは、決定していません。
ある瞬間、予想した未来が来たとしても
次の瞬間、予想した未来が続くとは限らないということです。
あなたの未来は、「存在確率」という情報でしかないのです。
おそらくこうなるであろうという、確率的に高い未来や
おそらくこうならないかもしれない、という確率的に低い未来が
波のように広がって存在している、ということです。
では、あなたが望む未来の存在確率を上げるにはどうしたら良いでしょうか。
先ほどの計算式を思い出してください。
v=物理的な空間(あなたが今存在するベクトル座標)は変えられませんが、
AやBという操作(優先順位による行動や意思決定)は変えられます。
望む未来の存在確率を上げることの答えは、
今、あなたが望む未来を選択するような操作(行動や意思決定)をすることです。
しかもそれは、ある瞬間やればいい、ということではなく、
瞬間瞬間の連続で、常に望む方へと操作することです。
わかりやすくいうと、
水面に波を立て続けるのです。
例え小石程度の小さな波紋でも、その波動が、やがてどんどん大きく広がります。
どんどん大きく広がり、周りの波紋と干渉し合いながら、新しい波紋がそこに広がります。
どんなに波紋が広がっても、やることは一緒です。(規模が大きくなろうがやることは変わらない)
ある一点に、波を立て続けるのです。
地味ですね。
でも習慣とはそのようなものです。
飽くことなく、同じ場所に、ツンツンと指をつけるようにして波を立てるのです。