ガンになると家族との関係があぶり出されるような気がする。

私の場合同居しているのは夫なのだが、薬のせいか、ホルモン剤のせいかムッとくることが多かった。

まず、自分の勤務先のブログに私のガンに関するブログをリンクさせ、その中で、再手術をした結果、胸が凹んだこととかも書いているもんだから、スタッフさんも見るわけで・・・。

さらに、当時3.11のあと、仕事をしながら、計画停電とかで大変だったのに、傷が炎症を起こしたのは、お風呂に入らず不潔にしていた本人が悪い、とか同僚のドクターに言っていた。

たしかに、手術のあとも、仕事の残りを片付けねばならなかったし、痛いし、体力はないし、計画停電でガスしか使えないし、水もでないし、で夜お風呂に入らないこともあったけど、一日1回は風呂にはいって、傷口を洗い、テープを張り替えていた。

先生は一日1回か、2回の張替えといっていたし、炎症が起きたとき、3.11のあと、一日1回しか張り替えなかった時期があるので、そのせいで感染炎症を起こしたんでしょうか?と訪ねてみたが、「それはまったく違います。手術時間が長くなるとそれだけ空気感染しやすくなる。」とのことだった。

いずれにせよ、これってどうなんでしょう?

抗がん剤についても受けることを反対していたが、それも体に害があるから心配するというより、費用のことだったような気がする。

実際、主人の父親と妹は医者(乳腺外科医ではない)だが、「二人共確かに抗がん剤は実際にやってよかった人は少ないとも言われているが、その少ないなかに自分が入ってしまったらこまるから、やるのだ。」と言っていた。自分たちもやるだろうと。

自分は歯医者で専門医でもないのに!

あんまりにも反対するので、主治医の中村清吾先生の診察についてきてもらった。抗がん剤治療について、色々と意見したり、質問したりするのかと思ったら「うちのが無理難題行ってすいません」と一言。

確かに閉経したくなかったから、FEC3ヶ月→パクリタキセル3ヶ月(ハーセプチンは1年、ニュープリンは6年)のメニューはやめて、パクリ3ヶ月のみにはしてもらったけどさ。

それは主治医も了解の上だし。そんなに化学療法をやらせたくなかったのは、体に悪いっというのもあるけど、お金のこともなるんじゃないか、って疑いたくなるのよね。

実際、最初は、すべての治療費は僕が負担します。とか、親にいっていたのに、そのあと、失業保険をもらっているんだからそれである程度カバーしろか、さんざん喧嘩した。

化学療法で働いていない時も、夫の職場は社会保険に加入していないから、私が自腹で自分の国民年金や健康保険の任意継続の料金を払ったし、自分の携帯代だって傷病手当金とかから払った。稼ぎがないならともかくも、それなりにあったのに、妻には払いたくないのだ。

それなのに、外ではいい夫ヅラするからムカついた。

言葉はタダだからね。

ちなみに夫は以前倒れて寝たきりになり、会社ももめて退社したけど、その時手続きをしたり、交渉したのは私だった。働きにも出たしさ。

それが、ひとたびガンで働けなくなるとこうか、と情けない限りだった。

何度も許してきたけど、化学療法が終わり、今後の人生を考えると考えてしまう。

もう以前みたいに働けないし、実家だっていつまでも親はいないし、もうあげるお金はないよ。










「乳がんはガンの中では標準治療が確立されており、どこの病院で手術、治療をしてもそれほど変わらない。そこがいい点でもあります。」

告知してくれた女医さんは、セカンドオピニオンを快く同意した上で、そう言った。

その女医さんは○大センター病院に勤務し、そのあと同じ系列といわれる○市民病院にいらした方だ。


手術の執刀もお願いした先生である。

転院してしまったけど、セカンドいピニオンとか他の病院の診察結果とかについても、色々とコメントしてくれて、助かった。

手術後、フィッシュ法という検査にだすタイミングが余りに遅くなって、その点について抗議したことはあったけど、同じ女性としてもあたしは本当に感謝している。




でも、この発言に関しては患者として?と思う。

医者としてはそうなのかもしれないけど、素人の患者としては疑問に思う。


というのは、前に8人のドクターにあって、提案が全く同じものが一つもなかったことが一つ。(よく似ていたものはあったけど)

そして、手術でどこまで切るか、手術中のセンチネルリンパ節生検でどこまで切るかも病院やドクターによって違うんじゃないか、と思うことがあったからだ。

この点について、以前にもこのブログで触れた文藝春秋「抗がん剤は効かない」の近藤先生が別の本(本のタイトルは調べ直して後で書きます。)で、述べている。

例:○研有明病院では、切除範囲が大きい。等



手術で

乳腺外科医により皮下全摘、術中にセンチネルリンパ節生検を実施しリンパ節転移なし、

形成外科医によりティッシュエキスパンダー埋入。



したわけだが、そのセンチネルリンパ節生検で、通常1片とるところを、5片とっているんだ。築地の国立がんセンターの勝俣先生が、「センチネル、ずいぶんたくさんとったんですね。」と言っていた。

また、ティッシュエキスパンダー周辺が炎症を起こして再入院、再手術をして除去したんだが、その炎症のせいか、はたまたは、センチネルリンパ節生検をしてもなるというリンパ浮腫のせいか、手術した側の手が赤くなったり、貼れたりした。

その時、ケアのため、主治医の中村清吾先生から大森の後藤学園を紹介され、リンパ浮腫マッサージを教えてもらいに行ったんだが、

後藤学園付属のクリニックの女医から「センチネルといっても病院やドクターによって切る範囲がちがうんですよ。私は以前外科でしたからそういったケースを見ています」と言われた。


が~ん、

くどいようだけど、手術をしてくれた女医さんには本当に感謝している。

でも、そういったことは術後、炎症とかで不具合がでて、あちこちの病院に行ってから知った。

○民病院では30年前の治療をする、と乳腺外科部長がいったが、その下の赴任して一年未満(でも、○大付属センター病院ではキャリア何年もあり)の女医さんと何時間も相談して、自分で調べて希望した皮下全摘、ティッシュエキスパンダー埋入を承諾していただき、執刀も特別にお願いして、それを了承頂き、心から感謝している気持ちは変わりない。


その女医さんは、わたしのケースで○民病院の抗がん剤メニューの問題点もわかった、改善をするよう試みる、と言ってくれた。



でも、これから手術する人がいたら、出身大学、出身病院が別々のいろいろな病院に行くことをおすすめしたい。




話をセンチネル生検にもどす。

もともと、手術前のMRIなどの画像から、脇に大きなしこりがあり、「検査ではリンパへの転移は陰性と出ていますが、実際に手術してみたら陽性ということもあります。」と言われていたし、手術した時、執刀してくれた先生も「リンパがとっても貼れていたから、陽性でリンパ粛清になるかも、と思った。」と言っていた。

それで多めに取ったのかも、と素人的には考えているんだが、実際に専門知識のある方はどうお考えだろうか?

今更知ってもしょうがないかもしれないし、先生もベストな方法をとってくれたとわかってるのだが、それでも今後のために知りたい気持ちがある。

話があちこちそれて申し訳ない。書きたいことが多すぎて整理できなかったです。



いろいろと書いたけど、先生の事情はわかるような気がする。あくまであたしの推察だが、先生は大学を卒業して、その付属病院に勤務して、そのOBが多数いる市民病院で今も勤めているから、別の方法とかはあまりご存知なんじゃないか、いくら学会であって情報を共有しているといっても、実際にどこまで切るかとか、傷口はどういった形になるのかとかまでは喋らないんじゃないかな?


そのへんについてもご存知の方がいたら教えて欲しい。







めずらしい乳がんということで、術前5人、術後3人のドクターにあった。合計ドクターだけで8人。

多いね。とっても多いね。でもしょうがなかったんだよ。理由は前にも書いたけど、珍しい形のガンで、グレードも2Aでリンパ節転移もないけど、実際には脇にしこりがあってリンパ節転移の可能性があり、という面倒なケースだったからだ。

医療関係で働いている家族は、何度そういった事情を説明しても、「ドクターショッピングをしている患者なんかみたいドクターはいない。そのうち積極的な治療をドクターは避けるようになる。」

たしかに心象はどうかと思うが、必死になっている患者を見捨てるドクターはいなかったから感謝しないといけない。今の主治医を除いてどのドクターも悩んでいた。


それなのに、「医者が2人、せいぜい3人同じことを言ったら「それでよし」としろ。ほかに行くんじゃない。君はドクターを侮辱している」とか言われて精神的にもぐったり。



家族がいうように、すべてのドクターが全く同じ治療を提示したら私もそこ言葉に納得できるんだけど、似た治療はあっても、完全に同じ治療をすすめたのは、ひとりもいなかった。

術前化学療法をすすめられたり、すすめられなかったり。

術後の化学療法も病院によって薬のメニューと期間が微妙に違う。

あげくの果てには、化学療法終了後のホルモン治療も同じ病院の出身者同士なのに違うんだよね。

一番目の病院で、「乳がんは比較的標準治療が確立されており、どこの病院にいっても同じ治療が受けられますよ。それがいいところなんです」と言われたが、

そのドクターの上司が出てきて、「うちは市民病院だから30年前の治療をする。一方近くの大学病院は最先端の治療をする。最先端の治療は強い治療になりやすく、まだ治療実績が浅いから突然の不具合が生じる。実際に最先端の治療を受けて体調が悪くなり、手術をする必要があるのにできなって困ったケースもあるから。」

・・・。

確かに「枯れた治療」と言って安全なのはわかるんだけど、この医療技術が日夜進歩し、新しい抗がん剤が続々と認可されている今日この頃、30年前ってどうよ。



このドクター方の見解の違いをどう理解したらいいのか?
その点を理解し、それぞれ勧められた治療方法のメリットデメリットを把握しないと自分の治療を決められないから、ため息をつきながら家族の言うことは無視した。


家族とは、ドクターショッピングだけでなく医療費のことでも喧嘩した。


化学療法をするを家族は強く反対した。

まず、エビデンスが明確でないこと。ちょうど手術をするころに、文芸春秋で「抗がん剤は効かない」という連載があり、それを書いた慶応大学病院放射線科の近藤先生の本を買ったところ、家族がそれを読んで、化学療法は害になるだけどいって、反対したのだ。


そして化学療法の治療費が大変高額になることも反対に輪をかけた。


そのくせ、外では乳がんの家族を支える人間として振舞っているのでイライラした。

毎日病院に見舞いに来るんだが、見舞いは8時までなのに10時ごろやってくる。仕方がないから地下のコンビニであっていたんだけど、手術したばかりだから感染も心配だったし(結局感染した)、なにより体が疲れた。そして挙げ句の果てにはタクシー代とか夜食代も入院中の私が支払うことが多々あった。


今まで見ないようにしてきた問題がだんだんと表面化してはじめている感じがしたし、それは今でも続いている。