NSAIDsであるインドメタシンのテープ製剤である。

カトレップパップの発売が1989年であるから22年もの歳月が空いてのカトレップテープ発売となる

今、テープ剤を出した理由はなんだろうか?パップ剤は流行らないのかな?と想像してしまう。

現在テープ製剤となっているNSAIDsはインドメタシン(カトレップテープ)、ジクロフェナク(ボルタレンテープ)、ケトプロフェン(モーラステープ)、ロキソプロフェン(ロキソニンテープ)、フルルビプロフェン(ゼポラステープ)、フェルビナク(セルタッチテープ)である。

このテープ剤の世界では1日1回の貼付とするか、1日2回の貼付とするかとの議論がある。
テープ剤は基本的にはどれも1日1回で十分な長時間持続作用があるのだが、使用感のところで1日1回か1日2回かで議論される。

1日1回派はモーラス、ボルタレン、ロキソニン、などが挙げられる。
理由は少ない回数の方が貼り換えの手間が少ないため1日1回としているという意見だ。
確かに自社の製品が長時間作用するというところを見せたいし、開発者が考えるとすればこちらの意見が出てくるだろう。しかし、いかにも開発側の意見である。

1日2回派はカトレップ、ゼポラス、セルタッチである。
理由は効いている感じが2回味わえるため、貼り換えれるため清潔であるからという意見だ。
これはそもそも、後者側が後からテープ剤を作った側でモーラスとの差別化を計るために患者アンケートを取り、1日2回という用法を考え出したという経緯がある。
つまり、1日2回というのは患者側の意見なのである。

どちらがいいとは言えないし、どちらでもいいと思う。実臨床では1日1回のはずのモーラスを1日に3~4回貼り換えている患者さんはいくらでもいる。

これらテープ剤だが、必ずL-メントールが含まれている。それによりひんやり感が出て痛みやコリなどが和らいだような気がするのだ。実はこの作用が意外に大きい。私の印象では主薬より寄与が大きいのではないかと錯覚させられるほどだ。

そのため、私個人の意見ではこのひんやり感を味わっている時だけ痛みが和らぐ患者さんがいるため、添付文書に記載するなら1日2回の用法の方がいいと思う。

添付文書上の記載を1日2回としておけば、2回が上限回数となり、その中で自由に貼付できる。しかし、添付文書の記載を1日1回とすれば、添付文書に真面目だDrがいて、1日1回と書いているから1日1回しか使用させないという縛りを患者にされるとヒンヤリ感による痛みの消失効果の恩恵を受けられない事になる。
「添付文書の通りに処方しました。」とDrに言われると薬剤師は弱いものなのである。

テープ剤の話題としてもう一つ有名なものがある。
副作用の光線過敏症である。

しっかりと添付文書上に記載がされているのはモーラスのみ、しかし他の製剤でも報告がないわけではない。光線過敏症は化合物による特性であると言われているが、添付文書に記載がないからモーラス以外は光線過敏症は起きないとする意見は乱暴である。

添付文書はあくまで記載してある事は過去に起こったことであるから真実であるが、記載の無い事はデータなしというだけで、無いという証拠にはなりえないのだ。

当院ではモーラス以外でも貼付部分は日が当たらないようにしてくださいという患者説明を行っている。
薬剤師に対する薬学専門性を客観的に評価できる尺度に乏しいように思う。よって上司は薬学専門性を評価することが難しく、結局のところ役職も年功序列となっている。

薬剤師の評価ツールにはどのようなものがあるのかを分析していと思う。

一つの評価尺度としては“調剤ミスの頻度”がある。調剤ミスは少ない方がよい薬剤師であるとの評価が下るだろう。しかし、ここでその薬剤師が普段どのような処方を調剤しているか、どのようなスピードで調剤しているか、またどのくらいの処方枚数をこなしている状態なのかを考慮されずに論じられている。多くの仕事をしたものは多くのミスが伴う。またスピードを業務を回すために重視している薬剤師ではミスは多くなる。多少のバイアスはあるだろうが、仕事量とミスの多さは相関すると思う。
それに、調剤というスキルは薬剤師の専門性を評価するものではない。薬剤師の器用さ、慎重さ、業務遂行の正確さなどどちらかといえば性格上の評価と言える。

次に“調剤の速さ”というのも薬剤師の良し悪しを語る時に出てくるフレーズである。
薬剤師は当日の処方を処理しないと永遠に業務が終わらないため、定時に帰宅したい薬剤師にとってはこの能力は非常に重宝される。しかしこれももっぱら一日中機敏に動ける体力と薬の配置場所を覚えているかを評価するものに過ぎない。そこに専門性は評価されない。

次に“疑義照会数”が挙げられるが、疑義照会というのは処方において疑問点があった時に医師に確認を取るという行為である。この行為の数がなぜ評価尺度になるのかがわからない。これではしっかりと勉強して医師の処方意図を察知したものが評価が低く、不勉強で医師に何度も確認するアホが評価が高い事になる。これが問題のある処方をださないようにするプロセスであって決して評価尺度ではない。

プレアボイド。これが最も薬学的な専門性を評価する尺度として使われている。
確かに処方の間違いを見つけるにはそれなりの薬学的専門性が必要である。しかしこれにもバイアスがある。まず、そもそも医師によるバイアスがある。医師の慎重性や薬識によってプレアボイド数は大きく変化する事だろう。医局において研修医の処方は指導医(オーベン)のチェックが入った後でないと処方できないような処方形態を取っていたら我々薬剤師が獲得できるプレアボイドは少なくなる。よって病院間の薬剤部または薬局間を評価すう指標としては不十分である。

ただし、条件が同じ院内の薬剤師間の評価においてはいくらかの評価尺度として使える。
しかし、所属する部屋によってプレアボイドの出やすい出にくいというのはある。

しかし、このプレアボイド、内容を加味されずただ件数で論じられる事が多い。
用法の細かなミス(食前→食直前)などもクリティカルなエピソードに繋がるような有害事象を未然に防いだ場合も集計されれば同等に扱われる。私はプレアボイドも重要度に分けグレードをつけた方がいいと思う。
つまり、あくまで施設内においてグレードが高いプレアボイドを出した薬剤師が専門性からみて良い薬剤師であると言えるだろう。

一般名はプレガバリンという。神経のCaチャンネルのα2δサブユニットを阻害する事で神経伝達物質の過剰放出を抑制する薬剤である。
鎮痛補助薬で現在使われているガバペンと同様の作用機序である。(ガバペンも神経性疼痛に効く)

この機序より神経痛に対して効果を持つ薬剤であり、帯状疱疹後神経痛に適応がある。

用法としては漸増タイプであり、150㎎/day(分2)から始め、その後1週間かけて300㎎/dayまでdose upする。最高用量は600㎎/dayである。

リリカは腎排泄型薬剤であり、Ccrにより投与量が設定されている。詳しい投与量は添付文書を参照していただきたい。

副作用としては不動性めまい(23.4%)、傾眠(15.9%)と鎮静効果が高い。
もちろん、痛みを取る薬剤は少なからず傾眠作用というのはあるだろう。今まで痛みが持続的に続いていたのからほっとして眠たくなるというバイアスも忘れてはならない。

リリカはすでに臨床で使われだしている薬剤である。私が服薬指導をしていて患者さんに印象を聞いたところだと、やはり傾眠傾向が強いように思われる。

しかし、用法は分2であるため、“2×朝夕食後”という用法で処方される事が多い。そうすると日中がずっと眠い状態になる。
最近では他院からの持参薬だと、”2×朝食後、寝る前”だとか、思い切ったところだと“1×寝る前”という処方で出されている。1×寝る前で効果が持続するかどうかが心配なところであるが、患者本人が大丈夫そうなら心配は要らない。

この眠気は投与量と相関するようで、鎮痛効果と眠気とで微妙なバランスが必要であり、さながら麻薬の様相を呈する。
エディロールカプセルは骨粗しょう症治療薬でアルファロールcapやロカルトロールcapなどと同じ活性型ビタミンD3製剤である。

エディロールというイカした名前で、ついエディ・マーフィーを想像してしまう。

治療効果において、従来のものより優れているようで、この度発売となった。
アルファロールと同じ中外製薬の製剤である。よってアルファロールのversion upのような薬なのかな?と想像される。

用法は1日1回。この辺もアルファロールの血統を感じさせる。ロカルトロールは1日2回である

高Ca血症があれば即中止、そして血中カルシウムが正常となり、減量しての再開となる。
アルファロールの時と同じだが、エディロールは再開時の用量である0.5μgは効果が確立していないので、様子を見て、0.75μgに戻さなくてはいけない。
したがって、0.5μgを使うケースというのは非常に少ないのだ。だけど、軟カプセルで粉砕、分割できないので2規格用意されている...orz。

副作用としてはアルファロールと比べて尿中Caの増加(20.3%)や血中Ca増加(15.0%)などがけっこうな頻度で出ている。これは効果が高い事による裏返しであると想像されるが、臨床で使われだすと、アルファロールよりエディロールの方が中止となるタイミングが多くなるかもしれない。

しかし、この活性型ビタミンD3製剤というモノはなぜに軟カプセルとして売り出される事が多いのか?ワンアルファ錠という錠剤のものがあるので、製剤的には可能のような気がするが....。

当院でも活性ビタミンD3製剤はアルファロールとワンアルファとが採用である。ワンアルファはもっぱら粉砕ができるという強みの基存在している。エディーロールが粉砕、半割可能な錠剤ならば、効果も高いし、一気に独壇場となるような気がするのだが。
MRさんに質問したところだと、安定性上最も軟カプセルが良かったとの解答。

となると、怪しいのはワンアルファ錠の方か?(安定性を落としてでも錠剤化?)

調剤をする薬剤師にとっては規格が多い薬剤というのは認知度が高くなる。調剤において規格ミスは非常に危ないため、規格がある薬は要注意ということでマークされるのだ。

当院ではアルファロールは2規格存在するため、アルファロールは比較的安全な薬ではあるものの要注意薬剤として皆に覚えられている。

先日、勉強会に出席した。
タイトルは”メタボリックと炎症”である。

メタボリックと炎症という一見して関係が薄そうな分野同志であるが、この両者は非常に密接に関係する。

そもそも炎症という現象は急性と慢性とで分けられる。
感染症や火傷などに代表される急性炎症は可逆的であり、慢性炎症はりモデリングが伴うため不可逆となる。炎症は実に様々な病気に関わる。

メタボの主役と言えば脂肪細胞である。脂肪細胞は細胞の数が増えるのではなく基本的にはサイズが大きくなって(肥大化して)成長し、外見からは体型が肥満となる。
そして炎症の中心的な役割の持ち主と言えばマクロファージである。

この両者は実は密接な関係があるという。

マクロファージは病原体や細菌を察知するためのレセプターであるTLR(Toll like receptor)を持っている。普段は細菌の細胞壁から剥がれ落ちたLPS(リポポリサッカライド)をそのTLRによりキャッチし、炎症性サイトカインを放出し、免疫反応を始動する。
今までは細菌を認識するためのレセプターだと思っていたこのTLRは実は脂肪酸でも反応する事が分かった。脂肪細胞から何らかの理由で放出した脂肪酸はマクロファージのTLRによりキャッチされ、免疫反応を始動し、過多になると臓器炎症となる。

この事はTLR(詳しくはTLR-4)ノックアウトマウスにおいて脂肪酸を投与しても炎症性サイトカインがワイルドマウスほど上がらなかった事から示唆され、またワイルドマウス由来のマクロファージと脂肪細胞とを共培養するだけで炎症性サイトカインの分泌は増え、TLR-4ノックアウト由来のマクロファージとの脂肪細胞ではそれほどサイトカインの分泌は増えなかった事からも明らかである

悲しいかな脂肪はもはや体の中ではバイ菌扱いという事になる..。orz


その講演では次のような仮説を立てられた。

脂肪細胞の肥大化が進み、臨界値を超えると脂肪細胞は自らを小さく細分するために脂肪酸というツールを使ってマクロファージに自らを炎症性サイトカインによって攻撃させる。そして細分化され、最終的にはマクロファージに貪食してもらおうとする。我々のために自らを犠牲にするとは何とも献身的である。

しかし、数が問題である。マクロファージが貪食できる限界を超える脂肪細胞が存在し、その多くが肥大化が臨界値に達したとしたらどうだろう。マクロファージが細分化した脂肪細胞を貪食している傍からまた次の脂肪酸の信号が来る。マクロファージは炎症性サイトカインこそ出すが、貪食が間に合わない。炎症性サイトカインだけが過剰に放出され、それらが正常な臓器を傷害するのである。これがメタボリックシンドロームから臓器障害を起こす機序の一つと考えられている。

このようにマクロファージと脂肪細胞は実は係りが深いのである。

塚地武雅さんと北川景子さんとが仲がいい友達であるように、仲がいい人は意外な組み合わせがあるものである。

トロンボモジュリンのリコンビナント(遺伝子組み換え)製品である。
名前もわかりやすくリコモジュリンとなっている。

この薬剤はDIC(汎発性血管内血液凝固症)の治療に使用する。プロテインCを活性化し、プロテインSを介しながらⅧaとⅤaを阻害することによってⅨaとⅩaの働きを阻害する。それにより、プロトロンビンがトロンビンになることを抑制する。トロンビンを抑制したので、フィブリノゲンがフィブリンになることを抑えられ、凝固反応を抑制できる。

と書いてみたが、この辺の線溶系の単語は分かり辛いものだ。
ちょっと今回はDICについておさらいしてみようと思う。

まず、DICというのは何によって引き起こされるかだが、それは単に細胞が破れてでてきた組織因子(TF)によるものである。まず大前提として以下の事を覚えて欲しい。

”細胞が破壊されて出てきた組織因子(TS)が血液に触れると血液は固まる"ということである。

DICの原因疾患としては様々あるが、要は細胞が破壊されればいいのだ。しかし原因としては大きなものが二つある。一つは細菌性感染症ともう一つは癌である。

細菌感染によってDICになる機序は以下である。
細菌の細胞壁の成分であるLPS(リポポリサッカライド)これが細菌感染時には細菌が死に絶えると同時に血液中に浮遊する。単球のTLP-4にてLPSはキャッチされて単球から炎症性サイトカインが出る。炎症性サイトカインにより血管内皮細胞が障害される。ここで細胞が障害を受けたのでTSがでる。これで血液が固まる系が働く(凝固)。さらに血管内皮細胞上にワカメのように生えているトロンボモジュリンも破壊してしまう。(凝固)さらに、この炎症性サイトカインは内皮細胞に作用するとPAI-1という物質を出す。これは出来た血栓を溶かすプラスミンを作る酵素であるt-PAを阻害する物質である。これが出るもんだから出来てしまった血栓も溶かすことができない(線溶ダメ)このような機序であるため、細菌感染によってなったDICは凝固系優先になる(線溶抑制型)

もう一つの原因である白血病や癌によるDICであるが、これは白血病、癌いずれも癌治療によって癌を破壊する。つまり、治療によって細胞が破壊され、TFが血液中に出てくる。ここで血液固まる(凝固)。微笑血管閉塞が起こりまくる。今度は血栓溶解に関わるt-PAは阻害されていないため、t-PAは大忙しで血栓を溶かしまくる(線溶)。そこらじゅうで血栓ができては溶かしていると血小板やら凝固因子が不足してくる。これを消費性凝固障害という(凝固)。
このように癌や白血病が原因のDICは線溶系がまず出現するため、出血傾向が強いこれを線溶系亢進型という。

というわけでDICの治療においてはまずは凝固系を早期に抑え、原因疾患の治療をすることになる。
そして、癌が原因のDICに関しては凝固因子の不足が起きて出血が起きているので、それらの因子の補充が基本となる。

では次にⅧaやらⅩaとかのややこしいところを説明したい。
ここでは次のように例えたい。凝固系を“ヤクザ”線溶系を“警察”と考えて欲しい。

まずはヤクザ集団であるⅩ組というのがあるとして欲しい。Ⅹ組の仕事(シノギ)は血液を固めるフィブリンを作る機械であるトロンビンを大量に作り、凝固系を進める事である。
Ⅹ組の親分はⅩa親分である。そして、その子供が若頭であるⅤaだ。この二人は仲のよい親子で親分のⅩaは子供のⅤaがいないと仕事(シノギ)をしない。Ⅹa親分には舎弟がいる。兄のⅨaと弟のⅧaである悪名高い“89ブラザーズ”である。この兄弟も仲がよく、兄のⅨaは弟がいないと仕事をしない。ちなみにこの89ブラザーズの仕事はみかじめ料をⅩa親分に差し出すこと(活性化)である。
そして、影の組長ともいえるのが親分の妻である極妻のⅦa(奈々)である。極妻のⅦaはTFに取り入って(活性化して)親分のところに仕事をまわしてもらっている。Ⅶaあねさんがいないとそもそも仕事が回ってこないのだ。

整理しよう。

奈々(Ⅶa)姉さんがTFを活性化してⅩa、Ⅴa親子もフィブリン生成マシーン(トロンビン)を作りはじめ、89ブラザーズも動きだし、金をXa,Va親子に渡す(活性化)。
このように血液は固まるのだ。

では線溶系である警察側の紹介をしよう。登場するのが丸暴の刑事であるトロンボモジュリン刑事(※刑事コロンボみたいで想像しやすいと思う)フィブリン生成マシーンを見つけるとすぐに特殊部隊のSAT(活性化プロテインC)に連絡。SATはマシンガン(プロテインS)を持ってⅩ組の事務所をガサ入れ。そして、最も弱いⅤa若頭と89ブラザーズの弟のⅧaにマシンガンを突きつける。そうすると親分のⅩaも兄のⅨaも動くことができなくてマシーン(トロンビン)の製造をやめる。
こうする事によって警察側は殺しをすることなくⅩ組をうまくコントロールしている。

このように考えれば理解しやすいだろうか。ついでに他の線溶系も例えて説明する。

Ⅹ組を狙うもの(線溶系)は他にもいる。

一つはテロ集団であるATⅢである。この集団は恐ろしく、親分Ⅹa,兄Ⅸa、あねさんⅦaも容赦なく殺害。そしてマシンのトロンビンも手当たりしだいに破壊する。そしてこのATⅢ集団が乗るのが最強の戦車である“ヘパリン”である。ATⅢは戦車を使って容赦なくⅩ組を破壊する。

もう一つ線溶系で忘れてはいけない存在がある。ワーファリンだ。このワーファリンはターミネーターみたいな奴でタイムマシンで過去に行き、まだ幼いⅩa組長であるⅩ、幼いあねさんであるⅦ、幼い兄であるⅨをビタミンKを阻害する事によって殺害。Ⅹa組長を生れなかった事にしてしまうというSFチックな所業をする。ただし、このワーファリンの乗るタイムマシンは過去に行くのに3~4日かかるようである。(作用発現まで3~4日)。

ではリコモジュリンに話を戻そう。今回のリコモジュリンはこのトロンボモジュリン(警察)の遺伝子組み換えしたものなので、さながら“ロボコップ”といったところである。

リコモジュリンは腎排泄型のようで、重度腎障害(透析者や無尿、乏尿の患者)は通常量の3分の1の量を投与するよう規定されている。

リコモジュリンは1Vで3万8352円もする。体重60㎏の人で22800U必要なので、大体は2V必要ということになり7万6704円が一日量で要る。ロボコップの日当は高いものである。

2011.1月にアリクストラ皮下注に適応が追加となった。
一般名はフォンダパリヌクス。Xa阻害剤という機序の抗血栓薬だ。

今までは下肢整形外科手術の静脈血栓症予防。または腹部手術後の静脈血栓症予防と患者の不動時に対する静脈血栓、最終的なエピソードとしての深部静脈血栓症(DVT)、肺血栓塞栓症(PE)の予防として使われてきた。
用量をアップすることで最終的なエピソードとしてのDVT、PEの治療にも適応を取得した。

ちょっとややこしいのだが、予防に使う1.5㎎、2.5㎎製剤とは別に治療用の5㎎、7.5㎎製剤は売り出されるようで添付文書も別となる。

同じものなのに低用量と高用量とで適応が異なるのはこういった理由があるのだ。

さらに用法も異なる。

予防用の低用量のアリクストラは腎排泄薬であるため、腎機能ごとの用量設定となっているが、治療用の高用量のアリクストラは急性期の治療薬であるため、体重ごとの用量設定となっている。
使用期間が5日間であるため、蓄積の危険性が少ないからである。

アリクストラが対抗する薬剤としては低分子のモノも含むヘパリンである。つまりノボ・ヘパリンやクレキサン注(エノキサパリン)である。

アリクストラの強みとしてはXa阻害効果が選択的であるため、トロンビンに影響を及ぼさず、出血のリスクが少ないという事と。生物由来成分ではないため製品ロット間の分子量のばらつきがないという事である。

一方、ヘパリン側の強みはというと拮抗剤があることであろう。硫酸プロタミンを投与すればクレキサン注であっても最大60%は中和される。

しかし、この中和剤が無いというのもアリクストラ注の安全性に対する余裕のような気がしてしまう。





先日TVで情熱大陸を見ていたら直木賞作家の道尾秀介さんが出ていた。

その中で彼が座右の銘にしていた言葉で”鬼手仏心”という言葉が取り上げられた。
鬼手仏心とは外科手術は体を切り開き鬼のように残酷に見えるが、患者を救いたい仏のような慈悲心に基づいているということを表した言葉である。
彼はその言葉を胸に作品を書き上げるのだという。

我々医療従事者は特に通じるところがあるかもしれない。

毎日毎日のルーティン業務の中でまるで機械のように決まった事を繰り返す事も多いと思う。
時に患者さんにドライに接してしまったり、乱暴な態度になる事もある。
しかし、多くの患者さんを対象にしている限り、一人の方に時間や労力をかけれないのも事実。

一見横柄な態度かもしれないが、それは多くの患者さんを対応している事によるものだと思う。
鬼のような態度も時に必要な時もある。

毎日マシンのように仕事をして、誰からも感謝される事が無いと自分は何のために頑張っているのか分からなくなる時がある。

しかし、それを憂う事はない。

感謝されない事や疎まれるのはその姿が鬼であるからで、心が仏であるならば、きっと人のためになっているはずである。

仏手仏心ができれば一番いいが、この世の中はそれほどうまくは回らない。





デュロテップMTパッチの1日1回貼付タイプの製剤である。

患者さんの3日に1回より1日1回の製剤が良いとの声により発売されたという。

しかし、私はここに日本人の生真面目さを感じらずにはいられない。

「3日に1回だと貼るのを忘れてしまうから」という患者さんがいる。
しかし、そのことには心配及ばない。薬が切れたら疼痛が出て来るので嫌でも気づく事になる。
いつも携帯しておけば、その時貼ることができる。デュロテップは薄いので携帯にも嵩張らないと思う。

外国ではこのように3日に1回というのを生真面目に守っている人はたぶんいないだろう。「3日しかもたないのか?高いのに!もっともたせよう!」って考える人がほとんどだと思う。

もう一つ、3日製剤より1日製剤が日本で受け入れられる要因としては風呂の習慣があると思う。
日本人はやっぱり1日終わりに熱い風呂に入って汗を流したいと思うものである。
ご存じの通り、デュロテップパッチは貼付部の温度が高くなると吸収量が増加し、過量投与となる。
最悪の場合死に至ることもあるため、我々医療従事者はそれを説明するだろう。
(恐らく万が一の事だと思うが、我々医療従事者は説明しないわけにはいかない)
それが、気になって患者は熱い風呂に入れない事になる。我々のような白い服を来た者が放つ言葉は強力で時に患者さんの生活を窮屈にすることもある事を心しておかなければならない。

その点ではワンデュロパッチは風呂入る前に剥がし、熱い風呂に存分に入ってもらい。十分ほてりが冷めた頃に貼付することで過剰な吸収を回避する事ができるため、日本では有用であると思う。
過量吸収は外国ではホットバスは滅多に入るものではないため、このような有害事象はあまり報告されないのだろう。

同様の薬剤としてフェントステープというのがある。フェイタスではなくフェントスだ
この薬剤も1日1回貼付のフェンタニルテープ剤である。ワンデュロのフェントスとの違いは増量時における増量量がワンデュロの方が多く、速い増量が可能とのこと。中身の成分は同じなので添付文書上の規約としてより速く増量ができるということらしい。基本的には同じだと思う。

意外だったのは1日1回製剤となることで、立ち上がりが速くなるかと思いきや、逆に立ち上がりは3日1回製剤より落ちる。ここが内服の徐放剤と異なるところだ。

3日1回製剤(デュロテップMT)は1日で定常状態に達するのに対して、1日1回製剤(ワンデュロパッチ)は定常状態になるのに2日かかる。

切り替え時のリードに関してはデュロテップMTと同じ記載であるが、私はワンデュロパッチに切り替える時は添付文書の記載より、より食い込んで(併用期間が長く)切り替えるべきではないかと思う。

薬価に関しては相応するデュロテップMTパッチの薬価を3で割ったくらいの値段になっている。












これは薬剤師に限った事ではないのだが、何かを達成する時(理想の薬剤師になるとか論文を書き上げるとか)いきなり完璧(100点)を取れるわけがないし、それほど人間は器用にできていない。
紆余曲折があって100点が取れるようになるのだ。

何かを達成する時にまずはやらなくてはいけない事がある。すなわち0点から40点くらいに持って行く知識や技能だ。まずこれをしなきゃ話にならない技術、知識つまりは基礎だ。

それから応用として40点から60~80点へと持って行く技術、知識がある。
基礎を踏まえた上での応用のところだ。

60点と言えば、一応赤点ではなくなる。再試は受けなくていいレベルだ。

さらに高見を目指す人には80点から100点へ目指す時に必要な知識、または技能、心得というものがある。

このように物事を達成するには段階的に得る知識の順番というのがある。

しかし、いきなり80~100点への知識にこだわるあまり、結局うまくいっても20点くらいしか取れないという人が目立つように思う。

これは教科書など100点のものを見て、すべてを大切だと思う事に依るのだと思う。
しかし、教科書はデータであり、先生ではない。読む側がうまくモディファイして吸収しなくてはいけない。すべてが大切とは思ってはならないのである。

指導者側の責任もある。やたらめったら知識を投げかけるのではなく、相手をみてどのくらいのレベルかを察知し、合わせた知識を教える事が大切である。

段階と異なる知識を与える事は本人にとっては非常に邪魔になるものである。それをやるくらいなら何も教えない方が遥かにマシである。