先日、感染症に関する勉強会に出た。

まずはニューモシスチス肺炎(PCP)について、ニューモシスチス肺炎とは
、酵母様真菌であるニューモシスチス・イロヴェチ(Pneumocystis jiroveci)によって引き起こされる肺炎であり、正常な免疫能力を持つ場合発症することは希であり、化学療法やステロイド剤長期内服、後天性免疫不全症候群(AIDS)などによる免疫低下時(細胞性免疫低下)に発症する、日和見感染症の一つである。

現在はPCPを予防するためにST合剤(バクタ)の予防投与というのがなされる。
基本的には1T/日連日投与するのだが、4T/日週2回という投与方法がある。
半減期はせいぜい8~9時間のバクタがなぜ週一回の投与で予防効果があるのは不明である。
噂には体のどこかに蓄積するという仮説もあるらしいが?その辺は定かではない。

詳しいデータは述べられないが、今回の話はこのバクタの予防投与がなされていなかった時の話だった。

バクタの予防投与は現在でも呼吸器以外の診療科では投与されていない事も多いようだ。
薬剤師の提言事項としては使えるネタではないだろうか。
以下のような基準がある。この基準を満たしており、バクタ投与がなされていない時は疑義対象になりうると思う。

年齢50歳以上で、かつ以下のうちいずれかを満たす場合に予防投与を行う
 1.プレドニゾロン換算1.2mg/kg.day以上
 2.プレドニゾロン換算0.8mg/kg/day以上かつ免疫抑制剤併用時
 3.免疫抑制剤使用中で末梢血リンパ球数500/μL以下
厚生労働省免疫疾患の合併症と治療法に関する研究班/免疫疾患に合併するニューモシスチス肺炎の予防基準 2004年度報告書

ただし、予防投与の中止基準は CD4 陽性Tリンパ球数が200以上であるので、その検査値を確認してからの疑義となる。

バクタはアレルギー系副作用がでやすい。発熱、発疹、肝障害、薬剤性肺炎、血球減少、電解質異常、悪心などがバクタにて代表的な副作用である。
この中でバクタの中止になりうる副作用は発熱、発疹、血球減少、薬剤性肺炎などだ。もちろん他のも程度によっては中止となりうる。
バクタがダメな時は現在のところペンタミジン(商:ベナンバックス)の吸入ということになる。ベナンバックスは注射薬なのだが、予防で点滴を行うと副作用の面で使いづらいため、吸入にて使われる。


勉強会の前20分ほど前に到着したので勉強会で配布されたパンフレットを読んだ。
そこには呼吸器感染症におけるキノロン系薬のUP TO DATEと書かれていた。
面白そうなので読んでみる事にした。
基本的には第一三共のパンフであるので、クラビット、グレースビットについての使い分けという視点で読んでほしい。

キノロン、グレースビットの使い方を上気道感染症と下気道感染症とで分けて論じられていた。
上気道炎の特徴として基本的にはウイルス感染が多い事が挙げれる。
したがって、抗菌薬の適応ではない事が多いのだが、膿性痰や白苔が検出されると細菌性を疑うという。

肺移行性を考えるとマクロライド系、テトラサイクリン系が選ばれるが、呼吸器感染症の原因菌のマクロライド系の急速な耐性化を考えると基本的にはテトラサイクリン系が選択される事が多い。
さらに扁桃周囲膿瘍があると、嫌気性菌の感染が疑われるため、嫌気性菌への抗菌活性のよいシタフロキサシン(商;グレースビット)が選択される。

下気道感染の特徴としては基本的には細菌感染が多く、抗菌薬の適応となるケースが多い。
感染原因菌としてはインフルエンザ菌が最も多く、次いで肺炎球菌、モラクセラ。黄色ブドウ球菌となる。
原因菌がわかるではエンピリック治療とし、原因菌がわかればターゲット治療とする。
原因菌のインフルエンザ菌、肺炎球菌に対して効果が高いのはレスピラトリーキノロンである。
マイコプラズマ、クラミドフィラ(非定型菌)には組織移行性の良いマクロライド系が用いられるが、クラビットがマイコプラズマ、クラミドフィラの適応も取得した事もあり、この領域もクラビットが持って行きそうである。
黄色ブドウ球菌(もちろんメチシリン感性)はβラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン薬が選択される。内服ならビクシリンS配合錠、注射ならユナシンS、タゾシンである。
近年、フルオロキノロン耐性肺炎球菌が発現している。これは高齢者になればなるほど発現頻度が高くなる。このフルオロキノロン耐性肺炎球菌に効くのがグレースビットである。

クラビットがファースト、そして、高齢者や基礎疾患治療をやっているリスク患者にはフルオロキノロン耐性肺炎球菌を加味したグレースビットの投与というのが現在のスタンダードであるように思う。
A型ボツリヌス毒素であり、神経筋接合部で神経終末に作用し、アセチルコリンの放出を抑制する。
これにより、アセチルコリンを介した筋収縮が阻害され、筋の攣縮および緊張を改善する薬剤だ。

ボツリヌス毒素はグラム陽性偏性嫌気性桿菌であるボツリヌス菌が吐く毒素である。
A型というのはボツリヌス毒素の中で最も強力で、最も安定したものである。

筋注されたボトックスは運動神経終末に結合、エンドサイトーシスにて神経細胞内に取り込まれる
運動神経細胞(終末)はアセチルコリンという物質をエキソサイトーシスによって細胞外に放出する。それにより筋肉が動く(収縮)事になる。このアセチルコリンをエキソサイトーシスするのに役立っているSNAP-25タンパクを切断する事でアセチルコリンを放出できなくなり筋収縮は抑制される。切断という不可逆的な行為であるために効果は数か月持続する。

作用時間に関しては注射後24時間で効果が発現してくる。1~2週間で効果が安定してくる。個人差はあるが数か月は効果が持続する。美容のしわ伸ばしに使う時も同様の作用時間である。

薬剤師ではこのボトックス注は失活の場面で係る事が多いだろう。

法律的には決まっているわけではないが、グラクソ側の推奨として薬剤部などに依頼して確実に死活することとサイト内には明記してある。

私も施行後にボトックスを失活する事が多い。しかし、添付文書でもサイト内でも簡単に書かれているだけで、作業をやっていてもボツリヌス毒素がどこかに残っていないかいささか不安であったため、確実に失活させるための作業工程を作成したので参考にしてもらいたい。

①準備
<用意するもの>
・10%次亜塩素酸Na液(試薬としてうちにあるもの)
・トレイ
・10mLシリンジ
・針
・手袋(調剤室)
・ポリボトル500mLと100mL(液剤を入れるポリボトルね)
・アルロイドGの空容器(良く出るでしょ(笑))
<0.5%の次亜塩素酸溶液を作る>
10%次亜塩素酸Naを30mLを500mLの褐色ポリボトルに入れ、500mLまでメスアップ→0.6%次亜塩素酸Na溶液の出来上がり
※やや高濃度にしているのは。後に入れる。ボトックス溶解液の生食にて薄まって0.5%を下回るのを防ぐためです。

②施行中
・医師が注射をするのでその間は“ボトックス注射から液がこぼれ出ないか”“施行している医師がどこを触ったか?ボトックスにふれているので”に注意する。
(もしこぼれたら次亜塩素酸を染み込ませたクレシアですばやく拭くことあらかじめ100mlのポリボトルに100mL次亜塩素酸を移しておく)
当院の施行医はベテランの先生なので、注射手技でボトックスが飛んでしまうってことは少ないが、ボトックスを触った手袋でボールペンやらなんやら触る癖がある。安いボールペンや消耗品ならそれも次亜塩素酸の餌食にする事がある。高そうなものは次亜塩素酸をしみこましたクレシアで拭く。

③失活
1)まず、500mLのポリボトルに入った次亜塩素酸約400mLをトレイにぶちまける。
2)バイアルから。10mLシリンジに針をセットしてトレイにぶちまけた次亜塩素酸を吸引。バイアルの針が刺さった状態で差し込む。(それによりエア抜きが出来る)
次亜塩素酸を少し入れたら針を抜き、逆さに向けて次亜塩素酸プールに浸す
3)次は針。シリンジ内にボトックス液が残っているため、針キャップをはずして、ボトックスの入ったシリンジで次亜塩素酸を吸う。次亜塩素酸でシリンジ内を満たしたらそのままシリンジを分解して浮遊させる。10mLシリンジにて針キャップの中を次亜塩素酸で満たしてやる。
4)バイアル、針、シリンジを次亜塩素酸プールの中でしばらく浮遊させておく(5分間)
5)針にキャップをはめてアルロイドG空容器(ゴミ箱代わり)に浮遊させたゴミ共を入れる。(※その時に誤刺しないでね。長い針は長いキャップです。それを逆にすると突き抜けて針刺し事故に!ちなみに誤刺したけど、何にもならなかったです。気分の良いものではないけど・・・)
6)次は先生が使っていた手袋。(コレが一番ボトックスまみれなような。)
  裏返ししているので。次亜塩素酸プールに浸す。中まで浸るように浸す。ついでに溶解液の生食も次亜塩素酸プール内に入れる。容器内も次亜塩素酸を満たし。くるくる巡らせておく。
7)次は下地敷にしていた紙。これもボトックスまみれです。折りたたんで浸す。
8)慎重な方はここでも5分待ってください。
9)次亜塩素酸を浸したゴミ共をアルロイドGゴミ箱に入れる。(この時、針キャップをしておかないと押し込む時にグサっと誤刺していしまう。)
10)ゴミ共を皆アルG容器内に入れたら次亜塩素酸溶液をアルG容器中に流し込みましょう。☆これは流しでしましょうね。
11)次に机を拭く。次亜塩素酸(100mL褐色容器内)を染み込ませたクレシアで机を拭く。その際、いろいろなゴミをトレイの中に入れて持って帰る。
12)手袋はつけたまま。100mL褐色容器内の次亜塩素酸もまだ残したままで薬剤部に帰る。
13)ゴミ共を管理室の注射アンプルを捨てる赤ポリバケツ内にドチャっと捨てる。
14)残りの次亜塩素酸でトレイを軽く流して、しばらくトレイ内をぐるぐる巡らせて捨て、水道水で洗って、手袋をはずしてゴミ箱にぽい。トレイはクレシアで拭いて元の場所に戻しておく。
15)ボトックス失活書を薬剤部のボトックスのファイル内に閉じて終了
チロシンキキナーゼ阻害剤(TKI)であり、適応は慢性骨髄性白血病である。
今まではグリベック抵抗性の慢性骨髄性白血病に対しての適用のみだったため、セカンドチョイスの薬剤であったが、適応が拡大して、ファーストチョイスでの使用が認められた。
今まではグリベックの後ろに隠れていたが、世代交代が起きたのである。
いわゆるモーニング娘とAKB48の構図である。

TKIは慢性骨髄性白血病の異常染色体であるフィラデルフィア染色体から作られるBcr-ablチロシンキナーゼ(異常増殖を引き起こす)のATPが入る所に代わりに結合し、Bcr-ablチロシンキナーゼを不活性化する。

類薬としては
グリベック錠(イマチニブ)、スプリセル(ダサチニブ)である。

タシグナはこの中で唯一食事の影響を受けるため、空腹時に服用しなくてはならない。用法は1日2回1回400㎎だ。ただし、初発で使用する時は1回300㎎からの投与となる。
この空腹時投与というところは薬剤師がタシグナに対して最も係りが強いところかもしれない。
調剤の場面でも服薬指導の場面でも接するからである。

タシグナの特徴としてはこの3剤の中で最もBcr-Abl阻害が選択性の高い薬剤となっている。
それゆえ特徴的な副作用が多い。

まずは、グリベックは消火器系の副作用が多いのに対して、タシグナは頭痛や掻痒感などの副作用がでやすい。血液検査でもリパーゼ、ビリルビン、血糖などが上がってくる。しかし、この副作用により投与中断になったケースはいないとのこと。
薬剤師としては、副作用の違いがある事を抑えておく事は大切である。副作用は時に薬剤の選択に係るほど重要な時があるからだ。実臨床では臨床試験の成績がいい方を必ずしも投与できるとは限らないからであり、その主な要因として副作用がある。

このタシグナも高価な薬剤である。今後このCMLの薬剤はいかに辞めれるようになるかを研究するか、薬剤を安価にするかが必要な課題となってくる。











月経困難症に使用する合成エストラジオールと合成プロゲステロンの合剤である。

月経困難症といっても月経になりにくいという病気ではない、月経時の困難な症状つまりは医療的介入が必要となった生理痛である。

まず、妊娠はどのように起こるのかという事から述べたい。

まずは脳の中央にある間脳(視床下部)から脳下垂体へと刺激が行き、脳下垂体からホルモンを出し、卵巣を刺激する。
そうすると卵胞が発育していく、卵胞が成熟するともう成熟した事を脳に伝えるためにエストラジオールというホルモンを出し、脳にストップの合図をだす。脳は卵胞が成熟した事をエストラジオールにより確認すると排卵を促し、黄体を形成するよう卵巣に指令を出す。そうすると成熟した卵胞は排卵し、卵胞は黄体へと形を変える。黄体へと成長するとプロゲステロンというホルモンを出して脳に黄体が形成したことを伝える。
黄体が形成されると精子が来るのを待つ、精子が来なければそのうち黄体は委縮して剥離する。剥離した黄体は経血と共に体外に排出される。これが月経である。
この時の出血また、子宮内膜がプロスタグランジンを放出する事から痛みが来る。
この痛みや症状がひどいのが月経困難症である。

主な痛みの理由は子宮内膜から放出されるプロスタグランジンであるので、第一選択薬はNSAIDsである。痛みを抑えるためにNSAIDsというよりは原因の発痛物質であるプロスタグランジンの生成を抑えるために使用する。であるから他の痛みよりNSAIDs以外の痛み止めはこと生理痛に関しては効きにくい事になる。

それでも痛みや症状が抑えられない時に卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤による治療が選択される。

エストラジオールとプロゲステロンの合剤というのはいわゆる避妊に使われる低用量ピルである。

ここで低用量ピルの機序について述べておこう。
低用量ピルを飲むと小腸で吸収され、血中にエストラジオールとプロゲステロンのホルモンが入る。さきほども述べたようにこの二つというのは脳に卵胞の形態を知らせる脳への合図として使われるホルモンである。妊娠初期からピルを飲む事によって、この両ホルモンがある事によって脳は十分卵胞が成熟したと勘違いする。そのため、卵胞を成熟さらには黄体に形成するための指令(ホルモン)を出さない。そのため、卵胞の成熟の流れは止まったままなのである。それにより、精子が来ても受精とはいたらず避妊となる。

この避妊作用により子宮内膜は増殖せず、プロスタグランジンなどを過剰に産出する事を防げるのである。

この低用量ピルは多くのものが発売されている。
その中で月経困難症に適応があるものは今まではルナベル錠であった。しかしすべての月経困難症に使えるわけではなく子宮内膜症による月経困難症にしか適用がなかった。
しかし今回新発売のヤーズは子宮内膜症に限らず、すべての月経困難症に使える。

現存のルナベルと同様の薬物であるが、ルナベルとの違いはそのエストラジールの量にある。ルナベルがエチニルエストラジオール(日局)0.035mgなのに対して、ヤーズはエチニルエストラジオール0.020mg含有であり、よりエストラジオールの量が少ない。

エストラジオールは服用後吐き気などの副作用を引き起こす。低用量でも効果があるならできるだけ低量の方がいいのだ。
ヤーズ錠はルナベル錠や他の低用量ピルで吐き気が強い患者に使われる事が予想される。

また、もう一方の合成プロゲステロンにも工夫があり、ヤーズ錠に含まれる合成プロゲステロンであるドロスピレノンは生体に近いものであるため今までのピルで特にむくみが気になった人は試してみる価値があり、また、生体のプロゲステロンに近い事から男性ホルモン作用を抑える働きがあるので、ニキビが気になる方にも向いている。

ヤーズ錠により脳に勘違いをさせた後は休薬期間の間に生理を終わらせる必要がある。
ヤーズも休薬期間が設定しており、他の薬剤よりも短く4日間である。休薬期間中は生理が始まるので頭痛などの症状が出現する事がある。
ヤーズは28日分の錠剤が1シートに入っており、後ろから4つは何も入っていない偽薬となっている。それを服用させる事によりしっかりと休薬していただくためだ。

薬剤師としてはしっかり順番通り服用するよう指導する必要がある。(逆からまたはランダムに飲まないように指導)
一般名はジクアホソルナトリウムであり、ドライアイの点眼薬である。

始めはドライアイの点眼薬なので、目を保湿して終わりかと思ったが、この薬剤は受容体に作用する機序を持つ。(油断大敵(笑))
結膜上皮および、結膜杯細胞膜状のP2Y2受容体に作用し、水分およびムチンの分泌を促進させ、眼表面を正常な状態に近づけ、ドライアイの症状および角結膜上皮障害を改善する。


このジクアス点眼は用法が1回1滴、1日6回と明確に決まっているのもこのような機序からである。

ふつうドライアイ点眼薬の用法は1日数回、目が乾いたら好きなように使って頂戴!ってなものであるが、ジクアスは目が乾いていなくても定期的にしっかり打つ事が大切である。
定期的な点眼により、水分、ムチンの分泌が増加するのだ。なので、

目が乾いたらうつような対症的な点眼ではないのだ。

点眼薬で難儀なのはソフトコンタクトレンズを着用している人である。防腐剤のベンザルコニウム塩酸塩がソフトコンタクトレンズに吸着されるため、コンタクトを外して点眼しなくてはいけない

しかし、このジクアスも1日に6回の点眼が必要である。

コンタクトをその都度外すのは非常に面倒くさい。若い人で点眼薬のアドヒアランス低下ではこの理由が意外と多い。点眼治療する時はメガネに変える事を余儀なくされる。

そもそもコンタクトレンズにしたのはメガネにコンプレックスのある方が多い。

我々が日常生活でできる事として点眼治療でやむなくメガネにしている方には嘘でもいいので
「メガネも良いね~~!」って褒めてあげてる事は意外に大切である。
今の時期は就職活動を行っている時期であろう。

薬学部生では企業への募集はもうピークが過ぎたかもしれない。

病院、薬局は今からだろう。
今現在どこに行こうか迷っている人もいるかもしれない。

私の経験から就職先を決めるポイントをお話ししよう。

現在6年制となり、6年間もの薬学教育を受けた卒業生は非常に知的リテラシーが高いだろう。
最初の就職場所は自分の薬剤師としてのレベルをアップさせてくれるところを選ぶだろう。

そのため、すばらしい薬剤師の先輩の元に就職したいと考える方もいるだろう。

しかし、薬局、または病院の薬剤部は基本的には少人数の組織なのである。

よって、人材目当てで就職しても必ずしも自分の求めている薬剤師がいる職場に巡り合えるとも限らない。君は面接されるが、面接する事はできないのである。

したがって、教えて貰おうと思って就職場所を決めると痛い目にあう。

また、尊敬する薬剤師の先生を追っかけていった場合も同様だ。薬剤師はまだまだ転職が可能である。また、できる人は様々な可能性を秘めており、転職しやすい傾向がある。せっかく追いかけて入ってもその先輩はすぐどこかに転職してしまうかもしれないのだ。

では、何で選ぶか。就職したら自分が何をやりたいかなのである。薬剤師としてその病院にどのような貢献をし、自らのアイデンティティを確立するかである。

すなわち、環境で選ぶべきであると思う。

漠然とした「勉強したら何か見つかりそう」は結局は何も見つからない。
この時期に自分はどのように薬剤師として生きていくかを決めるべきだと思う。

ではどのように自分の道を決めたらいいのか?

技能として向いている向いてないは道を選ぶ基準ではない。そんなものはその道を行けば、自然と向いてくるからだ。
問題は感情だ。人間は感情の生き物だ。その道を選んで極める事は自分にとっていい気分がするなら、それは指標となる。道は感情で決めていいと思う。

それでは、幸運を祈る。

L-DOPA製剤で末梢性芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害薬であるカルビドパを配合している。

レボドパをそのまま服用すると、小腸から吸収されるのは約10~20%、わずかに吸収したレボドパも末梢性芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼにより脱炭酸されドパミンに末梢にて変わってしまうため、効かせたい脳循環へ入るレボドパは非常に少なくなってしまう。(ドパミンはBBBを通過できない。)

カルビドパはこの末梢性芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼの基質であり、レボドパの変わりに脱炭酸を引き受け、レボドパを安全に脳内へと到達させる役目を持つ。
いわばレボドパのSPがカルビドパである。カルビドパという名前が焼肉のカルビを連想させ、非常においしそうである。この美味そうな名前に魅かれて末梢性芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼは引き付けられると覚えて欲しい。この辺の物質名は似たようなものがあるため、このようにこじつけて覚えると記憶が長持ちする。(私だけかな(笑))

ドパミンの補充であるので適応はパーキンソン病である。
ガイドラインでは高齢者(70-75歳以上)で認知症がある人にはファーストチョイスである。

用法は汎用されている250㎎の規格でいうと、初回に0.5-1T1日か2日ごとに0.5Tずつ増量、維持量は3T/日分3となるのが一般的、最高は6T/日である。

レボドパは脳内に移行すると、ドパミンの材料として神経に取り込まれ、しばらく蓄積され、レボドパ→ドパ→ドパミンと形を変え、ドパミンを放出する。
レボドパの半減期は約60-90分だが、分3で効果が続くのはこの機序のおかげである。

しかし、病態が進んでくると、神経が変性して減ってくるため、レボドパが保持されなくなり、作用時間の短縮が起きる。これがwearing off現象である。
Wearing offは英語で擦り切れるという意味、服を着ていたら擦り切れるところから来ているのだろう。レボドパ作用時間が擦り切れる(wearing off)現象だ。
これに関しては作用時間が短くなるため、投与回数を増やす事が必要となる。
レボドパ製剤が細かく(分6など)投与されている患者さんは神経変性が進んだ患者さんであると推察される。
この、作用時間短縮に効果があるのが、コムタン錠(エンタカポン)である。

もう一つ有名なものとしては
On-off現象がある。レボドパの服用時間に関係なく、パーキンソン病症状の変化が現れてくる現象である。突然動きが悪くなったり、突然動きが良くなったりする(ほとんどジスキネジアを伴うので厳密には良くなるわけではない。)発症機序は現在不明。
このon-off現象のジスキネジアは薬剤の濃度ピークの状態になる事が多く、対処としては徐々に漸減した後、再び漸増し、以前より低い維持量で治療を行う。

レボドパの吸収に関して気を付けなければならないのは消化管pHである。
消化管のpH が大きくなる(アルカリになる)と吸収は悪くなる。レボドパはwearing offなどを代表されるように効かなくなる薬剤である。知らず知らずのうちの吸収の低下は避けなくてはならない。消化管のpHを上げるPPI(タケプロン、オメプラールetc)やH2ブロッカー(ガスター、ザンタックetc)などは同時に服用すると吸収が低下する可能性がる。併用しないのが一番良いが、少なくとも2-3時間投与間隔を空ける必要がある。
レボドパは分3~分6で飲む薬剤である。レボドパの効果減弱が起きていて、うまく、投与間隔を空けられればいいが、空けれない時は吸収低下であるので、レボドパ(メネシット)の量を増やす事も考えの一つである。

また、粉末化することや酸を確保するためにレモン水やグレープフルーツ、食事に酢のものを取り入れるなどをすることにより、吸収量の低下を防ぐ事が出来る。
ヒト型ヒトIL-12、IL-23のモノクローナル抗体である。

IL-12、IL-23とは聞きなれない物質かもしれない。

IL-12はマクロファージや抗原提示細胞として機能する免疫細胞の一種である樹状細胞から放出され、主にヘルパーT細胞(Th1)を活性化し、免疫炎症反応を引き起こす。
IL-23は同じくマクロファージや樹状細胞から放出され、ヘルパーT細胞(Th17)を活性化し、免疫炎症反応を引き起こす。
炎症で有名なTNF-αはマクロファージや樹状細胞の自己活性化であるので、TNF-αよりや下流にいる物質である。

それらを捕獲するモノクローナル抗体であるので免疫反応は抑えられるという事になる。
従ってステラーラは免疫過剰性の疾患には効果がある可能性がある。
今のところは乾癬(尋常性乾癬、関節症性乾癬)が適応である。

類薬は乾癬の治療薬であり、ステラーラと同様の生物製剤のレミケードやヒュミラである。

ステラーラはレミケードやヒュミラのTNF-αの捕獲とは作用機序が異なるため、レミケード、ヒュミラの無効例に効果が期待される薬である。

警告はヒュミラ、レミケードと同様であり感染症についての記述である。ヒュミラでも2週ごとの投与。レミケードは8週ごとの投与ですむように非常に効果が長く続く製剤である。感染症のリスクも一度打つと長期に続くと考えてよい。ステラーラはレミケードを超える12週毎の投与であるため、投与すると感染症のリスクがかなり長期で続く事になる。投与間隔が空く事は患者さんにとっては利便性に優れるが、何かあっても戻れない怖さがある。

投与方法は初回を打って4週後に2発目を打ってからは12週毎の投与でよい。
初回だけは短い間隔なのはステラーラ皮下注の立ち上がりを良くするためだという。

大体投与1ヵ月から皮膚症状は改善する。しかし爪症状の改善には7ヵ月もの期間が必要である。

投与量としてはMAX2本(90㎎)である。体重が増えると同様の量では効果が乏しくなるようで、やはり薬として濃度が薄まるからだろう。他にも糖尿病の人は効果が乏しくなるようだが、これは糖尿病患者には太った人が相対的に多いからだろう。体重ごとに投与量を増やす必要がありそうだ。

薬価はまだ出ていなようだが、1本40万円近い金額であると予想されるとのこと。
しかし、年間の投与回数が少なくなるため、金額的に安くなる可能性はある。

太っていると投与量が1本から2本に増やされる事になる。金銭的にもダイエットしておいた方がよさそうだ。

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ビ・シフロール錠はドパミンアゴニスト薬である。

ドパミンアゴニストというのはドパミンの変わりとなるものの事で、ドパミンと同様にドパミン受容体を刺激する。親和性はドパミンファミリーの抑制系であるD2D3D4であり、興奮性であるD1D5は親和性は少ない(刺激しない)。

ドパミンアゴニストであるため、適応はパーキンソン病とレストレスレッグ症候群である。

まず、パーキンソン病とはどのような病気か

脳が筋肉を動かす信号を発したとき、この電気信号は脳の奥深くの大脳基底核を通る。
基底核は筋肉のスムーズな動きと姿勢の調整を行う器官である。
他の神経細胞と同様に、基底核の神経細胞群も化学伝達物質(神経伝達物質)を放出して、隣の神経細胞を刺激することにより信号を伝達する。基底核の主要な神経伝達物質はドパミンであり、ドパミンの全体的効果は、筋肉に送られる信号を増幅することである。

パーキンソン病では、基底核の黒質と呼ばれる部位の神経細胞が変性するために、ドパミンの産生量が減り、神経細胞間の接続が減少する。その結果、正常なときのように筋肉をスムーズに動かせなくなり、振戦、協調運動障害が起こり、動作が小さく遅くなるという病気だ。

レストレスレッグ症候群は主に足がむずむずする病気であり、その不快感による不眠などが問題になる。

このビ・シフロール錠。名前を最初に聞いた時は違和感を感じたはずだ。
シルク・ド・ソレイユのようなフランス系の雰囲気を感じたはずだ。私も薬学生だった時名前のインパクトがあり印象が強い。ビ・シフロールは外国ではシフロール(Sifrol)という名前であるが、日本では似たような名前があるので認められなかったため、頭に“ビ”が付いたのである。

禁忌は妊婦又は妊娠している可能性のある婦人と本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者であり一般的な禁忌事項である。

しかし、警告が出ている薬剤であり、突発的睡眠が報告されている。車など運転中に寝てしまい事故を起こす可能性があるため、車には乗らないように説明しなくてはいけない。
車の利便性が無くなるのは痛いが、命には代えられない。車の場合は歩行者の命を奪う事にもなりかねないため、固く指導すべきだろう。

用法はパーキンソン病とレストレスレッグ症候群とでは大きく異なる。
詳しくは添付文書等を参考にしてほしいが、パーキンソン病に使用される量は1.5~4.5㎎であり、大体は2×朝夕食後、3×毎食後として処方される。
それに対してレストレスレッグ症候群は夜間の不眠が問題になるため、1×寝る前2~3時間前という用法となる。つまり、寝る前か夕食後の投与となる。
我々薬剤師としてはこの用法の違いによりどちらの適応かを予想する事が可能である。

ビ・シフロールはこのように漸増していくわけだが、増量時には幻覚、消火器症状、血圧の変動を観察し、異常があれば、増量幅を細かくする必要がある。

投与初期はめまいや立ちくらみ、起立性低血圧が起きやすいため、しっかりとモニタリングすべきだろう。

これらの副作用が出たところですぐに中止、または急な減量をする事はしてはいけない。
ビ・シフロールは急な減量や中止により悪性症候群を発症する事があるためである。
必ず漸減しなくてはいけなく、(ただし、レストレスレッグ症候群に使う用量だと必要なし)
漸減中も悪性症候群の初期症状である発熱、高度筋硬直、嚥下困難、発汗、CKの上昇などに留意しなければならない。

主に腎排泄であり、Ccrごとに用量が設定してある。
Ccr50以上では最高用量は4.5㎎/日で分3できる。Ccr20~50では最高用量は3㎎/日であり分2までである。Ccrが20より小さい場合は最高用量が1.5㎎/日であり分1までである。
蓄積するため、腎機能が悪くなると分割投与ができなくなる。
また、透析患者では使用経験がないとのこと

併用注意としてはカチオン輸送体を介して腎排泄されるシメチジン、アマンタジンなどは併用すると、双方の排泄が減少するため、双方が蓄積する事となる。

アルコールは機序不明だがビ・シフロールの作用を増強する。

ドパミンアゴニストであるので、ドパミンブロッカーは相性が悪いのは当然である。

ドパミンアゴニスト、またレボドパ製剤は副作用として病的賭博、病的性欲亢進となる事が報告されている。所謂ドーパミンが出てハイになった状態が薬剤によって引き起こされるのである。
この場合は減量または漸減後中止となる。

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