脳炎のEncephalitisとワクチンのVaccineをとってエンセバックらしい。
~~バックという名前は輸液の類かVaccineを文字ったワクチン製剤が多い。

日本脳炎ワクチンである。

日本脳炎はウイルスの感染による中枢神経の疾患であり、ヒトからヒトへとは感染はしないが、豚などの動物の体内でウイルスが増殖した後。その豚を刺したコガタアカイエカなどがヒトに刺すことによって感染する。

感染しても症状が現れずに経過する事もあるが、100-1000人に一人の割合で発病すると言われている。数日間の高熱、頭痛、吐き気などでが現れ、引き続き急に光への過敏症、意識障害、痙攣などの中枢障害を引き起こす。
大多数の方は無症状に終わるが、脳炎を発症した場合は20-40%が死亡すると言われている。
<参考文献>
1)厚生労働省「日本脳炎ワクチン接種に係るQ&A」(平成22年10月改訂版)

コガタアカエイカはよく見るか蚊の一種だ。もう一つよく見る蚊はヒトスジシマカであり、あの黒い体に縞々の模様の嫌な奴である。
つぶした状態なら皆さんもよく見かけた事があると思う(笑)。

つまり、縞々じゃない方が日本脳炎ウイルスを持っている可能性があるという事だ。
以下に写真を示す。

昔、祖母から「縞々の方に刺されたんなら大丈夫や!」といわれたのはこの事だったのかもしれない。

日本脳炎はこのように確率こそ低いが発症したらひどい病気であるので、以前は日本脳炎ワクチンは“積極的勧奨”であり、投与が必要な3歳くらいのお子さんがいる家庭には市区町村から連絡が来ていた。
しかし、当時汎用されていたマウスの脳由来の日本脳炎ワクチンで急性散在性脳脊髄症(ADEM)を発症した事例が70-200万回に1回程度の割合で出ていた。

この事から国は“積極的勧奨”をやめ、摂取に対しては「希望者のみ」としたのである。

それからマウス脳由来以外の方法でなんとか日本脳炎ワクチンができないものかと開発者は考えた。そしてついに日本脳炎ウイルスをVero細胞という細胞で増殖する事に成功し、それをホルマリンにて不活化(感染性を失くすこと)し製剤化したのである。

そして、平成22年1月に厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会の下に設置された日本脳炎に関する小委員会において、専門家に検討していただいた結果、細胞培養日本脳炎ワクチンについて安全性や供給実績等から積極的な勧奨を行う段階に至ったものと判断され、
平成22年4月1日付けで“積極的勧奨”の再開となった。

しかし、ADEMによって“積極的勧奨”を失ったマウス脳由来日本脳炎ワクチンであるが、今回の細胞由来の日本脳炎ワクチンもまだ予断は許さない。現時点ではまだ接種者が少ないため、今後も継続して調査をしていっている段階である。

現在マウス脳由来の日本脳炎ワクチンは市販されていない。
現在の細胞由来の日本脳炎ワクチンはこのエンセバックと、ジェービックVである。
ジェービックVはJapanese Encephalitis BIK(微研) Vaccineの略らしい。
VaccineなどはVに集約されている。

エンセバックのDI情報について述べよう。

明らかな発熱を示している方は摂取不適当で、あとはこのワクチンでアナフィラキシーが出た方も適当ではない。(当然と言えば当然)

用法は初回免疫では0.5mL/回を1~4週間の間隔を空けてもう一回打つ
初回免疫を受けて1年経過した方に0.5mL/回を打つ。

副反応としては発熱や咳、鼻漏などアレルギー的副反応がほとんどだ。
注射後3日後までにみられる。
さきほども述べたようにADEMの発症は相変わらず注意である。
ADEMはワクチン接種後通常数日から2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害等の症状が出る。ステロイド治療などで多くの患者さんは後遺症を残すことなく軽快するため、ワクチン接種後に上記のような症状が合わられたら直ぐに受診をしていただきたい。



これがヒトスジシマカ(一筋縞蚊)で
$ばるとろまいの薬コラム

これがコガタアカイエカ(小型赤家蚊)である。
$ばるとろまいの薬コラム
糖尿病治療で良く使われる薬の組み合わせとしてアマリールとアクトスがある。
これらを配合剤にすることによってコンプライアンス改善を期待しようという試みにより生まれた薬剤である。

ソニアスはアクトス15mg、アマリール1㎎のLD錠と、アクトス30mg、アマリール3㎎のHD錠がある。LDからHDの変更ではかなり濃度が跳ね上がる。
よって、ソニアスLD無効ならドーズアップしてHDという使い方はできない。

あくまで、アクトス+アマリールを経過を見て増減していくうちに、アクトス+アマリールの量が固定しだして、「あ、この量ならソニアス配合錠に変えれるじゃん!」
という具合にソニアス配合錠は処方される薬剤なのだろう。

同様のものにメタクトがある(メルビン+アクトス)
いずれもアクトスが含まれている。

しかし、最近このように配合剤が非常に増えている。
患者さん満足度が上がるならそれはそれでいい傾向であると思う。大変なのは医療従事者側であるだけだ(特に薬局は在庫を抱えてしまうため非常に大変だろう)

配合剤にするメリットとしては、服用錠剤の他にこのように長期に服用するような薬剤であれば、持ち運びや携帯性に優れるところである。

今に配合剤生成マシーンのようなものが開発されて、錠剤を入れれば配合剤が出てくるというものが作られそうな気もする。まさに新たなるODZだ。

昨今の配合剤のブームには不況の煽りを受けた何か社会の変革があるような気がしてならない。

つまりは配合剤にして他のメーカーの売上も取ってしまおうとする魂胆が見えてくる。

特に、先発品メーカーがこぞって慢性疾患の配合剤を売り出すのは慢性疾患治療薬がジェネリックメーカーへと移行するのを防ぐ意味もあるのかもしれない。

慢性疾患の治療薬の領域は市場としてはブルーオーシャンであるため、いろいろな裏の駆け引きがありそうである。

ふつうに考えると2錠を1錠にする事でコンプライアンス改善!なんて無理がありすぎる。
到底、頭のいい製薬企業の考える事ではない。きっとそれは表向きなんだろう。

しかし、裏に何があろうと、配合剤によって薬の数が少なるケースが増えるのは事実我々はそれを
適切な患者さんに当てはめればいいのだ。患者さんも薬剤費が安くなるメリットがある。

さらに、配合剤のブームは慢性疾患の処方がなかなか変わらない事も示しているのだと思う。
まさに慢性疾患の薬は薬でありながら、予防をメインにした“サプリメント”の様相を呈する。よってなかなか変わらないのだと思う。

セットになっている薬剤は合剤にしてもいいように思える。

それの方が処方忘れが少なくなる。
これから発売される合剤を想像してみよう。
・ユリノーム+ウラリットUの配合剤 → ユリット錠
・プレドニゾロン+ビスホスホネート+ガスター → プレビスター錠
・ロキソニン+ムコスタ → ロキムコ錠
などかなwww

配合剤ブームには薬剤費が安くなるという利点もある。
配合せずに2種の単剤よりも配合剤の方が薬価が安いのだ。
今回のソニアスもLD錠では22.3円/錠のお得。HDでは51.9円/錠のお得となる。

お得情報が欲しいものと言えばDPP-4Iである。
ソニアス錠の武田さんはネシーナ+アクトスの配合錠もすでに考えているようである。
一般名はノギテカン。トポイソメラーゼIを阻害して抗腫瘍効果を示す抗がん剤である。
欧米ではトポテカンというらしい。トポテシンとほとんど一緒だ。この名前では認可されない。ハイカムチンという名前がどのようにしてつけられたかは不明である。IF(インタビューフォーム)でも「名前の由来;特になし」との記載だった。

ん~。何とかノギテカンやトポⅠ阻害とかと絡めたいのだが・・。うまいネーミングが思いつかない。薬剤師はあらゆる分野の薬を記憶しなければならないので薬を覚えるのは大変である。製薬メーカーは名前の由来が特にないのなら、その製剤がうまく想像できる名前にしてくださるよう協力を煽ぎたい。ノギテカンなら“ノギ”または“テカン”は名前の中に欲しかったところである。

まあ、泣き言はこれくらいにして

ノギテカンはトポイソメラーゼIを阻害する抗ガン剤として良く知られるイリノテカンと同様の作用機序である。イリノテカンとの違いは代謝分解の過程で生ずるSN-38がノギテカンは生じないという事であり、イリノテカンでしばしば問題となる副作用の下痢が少ないという点である。
この点がノギテカンのイリノテカンに対する最大の利点となる。

適応は現在のところ、小細胞肺がん、卵巣がんである。卵巣がんは最近適応追加となった。

卵巣がんは現在のところ初回治療としてはTC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)が一般的である。末梢神経障害がある場合はパクリタキセルからより末梢神経障害が少ないドセタキセルに変更する。再発が初回から6ヶ月以上経った後なら初回と同じ化学療法をし、6ヶ月未満では2ndラインのドキソルビシン(リポソーマル)やイリノテカン、エトポシドなどを用いる。

ノギテカンは単剤同志でパクリタクセルと臨床試験において卵巣がん治療で比較されている。結果は無増悪期間においてノギテカンが勝利。パクリタキセル単剤と比べて優位に無増悪期間を延長させた。しかし、パクリタキセルは単剤では使わないため、パクリタキセルの座を奪い取るまでには至らなかった。ノギテカンの効果はパクリタキセル並みだぞ。という事を示せたのである。
<Jonal of Clinical Oncology,Vol 15,No6(June),1997:pp2183-2193>

また、単剤同志で2ndラインで使用されるドキソルビシン(リポソーマル)との比較もされている。その結果としてはドキソルビシン(リポソーマル)に敗北。しかし、サブ解析をするとプラチナ製剤(カルボプラチンなど)抵抗例だけで比較すると差はなかった(非劣性を示せた)ため、卵巣がんの2ndラインでさらにプラチナ製剤抵抗性の患者に対してノギテカンは使える事になる。
<Journal of Clinical Oncology, Vol 19,No14(July15),2001:pp3312-3322>


イリノテカンの下痢が無いバージョンなんて何ていい薬剤!というわりにはまだイリノテカンに取って代わられている様子がない。
なぜならこのノギテカンはまだ肝心のイリノテカンと勝負をしていないのだ。抗ガン剤の効果というのはがん患者にとっては命そのものだ。どれだけ延命できるかはその抗がん剤にかかっているわけで、効果の面で最も効くかどうかわからないと決して日の目を見ることはない。
用法は詳しくは添付文書を参照して欲しいが、小細胞肺がんで1㎎/㎡×5day 卵巣がんで1.5㎎/㎡×5dayである。外国の抗がん剤が日本に導入される度に言及している事であるが、この製剤は1バイアルに1.1㎎含有されている。1㎎/㎡に体表面積をかけるとして1.1㎡の体表面積の人間がどこにいるというのか。大体は1.4-1.6㎡といったところだろう。1.5㎡の人では1.5㎎必要となり、1Vと0.36Vが必要となる。つまりは残り0.64Vが無駄になる。1Vが9849円もする高価な薬剤なのだ。9849円×0.64V=6303円が無駄になる。1日でこれだ。1クールだと6303円×5day=3万1515円が3週間で無駄になる事になる。
これはどうにかできないものかと思ってしまう。バイアルを日本人用の規格にはできないのか?と素人ながらに思ってしまう。
この事は以前に生じた新型インフルエンザワクチンの数人分のバイアルがなかなか使えなかった事に似ている。高価な薬また貴重な薬の規格というのは意外と現場での仕事や患者負担に対して影響を及ぼしている。

用法に関しては増減幅が小細胞肺癌では0.2㎎/㎡ずつ、卵巣がんでは0.25㎎/㎡ずつである。

腎排泄薬のようで、Ccr20~39/minの腎機能の患者では初回は半量の投与が推奨される。

下痢は臨床試験の段階では全く無しというわけではなく、26.1%は出ている。ノギテカンの下痢というのはイリノテカンと違ってSN-38が原因ではいため、これまでのイリノテカン下痢対策である腸管を酸性にしてSN-38の再吸収を防ぐためのウルソや炭酸水素ナトリウム内服や、SN-38の排出を促進するためのあえての酸化マグネシウムだったりは通じなくなる。その点ではまたノギテカンについてのデータを調べる作業という事になる。
しかし、本来薬剤師の仕事というのはこのようなデータを発見することが仕事である。
新しい薬が現れたらそれについてなるだけ詳しく調べてなるべく多くのデータを排出するというのが我々薬剤師の永久のテーマだ。

ノギテカンは副作用の面ではイリノテカンより優れる可能性に秘めている効果の面でも優れる事を期待したい。
一般名はガランタミンであり、脳内コリンエステラーゼ阻害作用をしてアセチルコリン作動性神経を働きやすくする機序であり、現存のアリセプトと同様の作用機序である。

アリセプトと異なるところはレミニールにはもう一つ作用があり、アセチルコリンニコチン受容体を増強する作用を持つ。
ニコチン受容体はシナプスの前膜にてアセチルコリンの再吸収を司っている事から、シナプス前膜からのアセチルコリン放出量も増えるといったものだ。

つまりはアリセプトの進化版(Up grade)といったところ。
作用機序がカブるため、アリセプトとは併用はできない。アリセプトに取って代わる薬剤という事になる。

用法もアリセプトと似たようなものとなる。やはり、胃腸系副作用を考慮して無効量からのスタートとなる。
アリセプトの場合は無効量の3㎎から1~2週間あけて有効量の5㎎へと増量であったが、今回は無効量の8㎎/日(分2)から4週もの期間を空けてからの増量となる。

この辺の増量の期間が大きく空いたのもニコチン受容体増強作用によるものだろうか。
まさに胃腸は第二の脳といったところだ。

効果判定は4週は待って欲しいとの事で、増量もその効果をみての増量となる。
基本的に用量依存性であるため、忍容性がゆるせば、MAXの24㎎/日(分2)まで増量する事が望ましいとのこと。

また、レミニールはCYP2D6とCYP3A4にて代謝される肝代謝薬物である。
従って、中等度の肝障害を持っている患者さんに投与する時には開始無効量8㎎/日(分2)
の前にもう一つ、4㎎/日(分1)というのから始める必要があるとのこと。

さきほど、無効量の8㎎/日(分2)と書いたが、この量でも効果があった方もいるようで、
要は忍容性がバロメーターとなり、最大まで増量する事が用量設定には良いという事になる。これはアリセプトの時と同様である。

従って、調剤時に8㎎/日(分2)が初回投与時から4週以上経っていたとしても、無碍に問い合わせというわけではない。
もちろん問い合わせ事項にはなると思うが、胃腸系の副作用があって8㎎/日(分2)のままなのかな?という目線は必要であり、問い合わせの際もこちらから胃腸系副作用について尋ねるのが良いと思う。

この副作用は増量のタイミングで起こりやすい。しかし、大体1週程度で治まるようである。対処薬としてはナウゼリンが使われる事が多いようだ。
増量時の悪心にナウゼリンが使われている場合は1週もすれば治まる事が多いため、増量後1週間後は切る事が大切になる。ナウゼリンが処方された経緯がわからないと、転院などになると疾患で服用していると勘違いされ、ナウゼリンが続く事があるからである。
経緯が分かっているうちに必要のない薬は切るというのが多剤服用を防ぐ道なのである。

おそらくメマリー+レミニールというのがスタンダードになってくるのではないかと予想される。

このレミニールという商品名であるが、ガランタミンと大きく違う。何を元に付けられたかというとremind やrememberである。
・・・・・・ん~。ちょっとここには想像がいかないようなかけ離れぶりである。
Remindの単語を知らない人が「えっと レ、レ、レミニン~~ド?」と言っているような読み方をしないとここにはたどり着かない。

レミニール Re(再び)見違える →レ ミニール → レミニール

ん~~。やっぱりイマイチだ。

レミニールには海外ですでに売られている事もあって、剤形が揃っている。
錠剤、口腔内崩壊錠、内用液(個別)、内用液(瓶)といった具合だ。

この内用液の味はというと、甘い?と思ったら苦い。でもって口の中に入れて置くと痺れる感じがあって、お世辞にもうまいものではない。

何の味かは表現しづらいので、是非サンプルを口に含んでみてもらいたいのだが、私個人の感想としてはニッキ飴の苦いもので、飲み終わった後は口がやや痺れているというもの。
恐らくだが、何かに混ぜて飲みたいという方が続出しそうである。
まだ、リスパダール内用液やエビリファイ内用液のように何かに混ぜた時の沈殿・混濁などは試験がされてないようで、これからそのようなデータは取っていくようだ。
リスパ、エビリファイ同様なら茶葉抽出成分はよくない。

OD錠はサンプルが無く、味見できなかったので、OD錠に期待したい。

尿酸降下薬にはザイロリックに代表される尿酸生成阻害を作用機序に持つものとユリノームを代表とする尿酸排泄を促進するものとが臨床で使用されている。いずれも古い薬剤ばかりであったが、この度、実に40年ぶりにこの領域に新薬が出た。それがフェブリクである。キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬であり、現存のザイロリック錠(アロプリノール)と同様の機序という事になる。
一般名はフェブキソスタットである。似たような名前でエパルレスタット(キネダック錠;アルドース還元酵素阻害薬)というものがあり、それとの関係性をふと想像したが、スタットという名称自体“酵素阻害”という意味という事だけで、特に関係性はなかった。

ザイロリックとの違いはXOの阻害効果であり、ザイロリックはXOのそもそもの基質であるキサンチンと似たような構造をしており、言わばキサンチンアナログ(偽キサンチン)といったところである。しかし、フェブリクは基質(鍵)に似せるというより、酵素のポケット(つまり鍵穴)の構造に似せた薬物である。
さて、このフェブリクはポジションとして狙っているのはザイロリックのポジションである。なんせ非常に出回っている薬剤だ。 企業としてはこのポジションは欲しいに違いない。
で、ザイロリックとの比較について述べようと思う。
副作用の面ではザイロリックは偽キサンチンであるため、プリン代謝に関わるところで血液毒性がまれにでたり、皮疹が出たりと副作用が少なからずあった薬剤である。
臨床にて使われてから副作用の報告が上がってからの評価となるが、フェブリクはXOを選択的に阻害するため、血液毒性などは少ないと予想される。
次に用法について比較したいと思う。ザイロリックはXOのポケットに対する結合時間が短いため、尿酸を下げるには1日に2~3回服用しなければならない。それに対してフェブリクは結合時間が長い。XOの寿命である36時間ずっとくっ付きぱなしであるという。まさに死ぬまで離さないというものである。であるから1日1回の投与でよい。
この辺もザイロリックに対して有利なところである。
では肝心の効果はというとやはりフェブリクが勝利。
P=0.034の有意差を付けて勝利となった。ザイロリックと非劣性(同程度)というわけではなく、完全に勝ってしまったのである。
消失経路でもザイロリックと違いがでた。ザイロリックは主に腎排泄であったため、腎機能によって投与量が決められていた。

<GSKホームページより>
Ccr>50mL/min   100mg~300mg/日
30mL/min<Ccr≦50mL/min   100mg
Ccr≦30mL/min   50mg/日
血液透析施行例   透析終了後に100mg
腹膜透析施行例   50mg/日

しかし、フェブリクは肝腎どちらからも消失する事ができるため、どちらか一方が達者であれば蓄積する心配はないとの事。
薬剤師としては面白くないが、患者さんや医師にとってみれば安全性、利便性の面で優れる。
科学的なエビデンスでは完全にフェブリクの勝利であり、近い将来ザイロリックはフェブリクにとって代わるだろう。しかし、医薬品はモノではなくどちらかといえば医師の道具に近いところがある。包丁でものこぎりでも使い慣れたものは手放したくないものである。
そういう面でいえば、ザイロリックは40年もの間独り勝ちの状態であり、使用後のデータがそろっている事が強みと言えよう。

フェブリクについて付け加える事がある。
このフェブリクはどのくらい尿酸を落とすのかというと40㎎/日、60㎎/日どちらも6週目には尿酸値の目標である6㎎/dLを達成している。
このフェブリクは尿酸降下作用が強力であるため、初期は10㎎から始めなくてはいけない。
ご存じのとおり、痛風は尿酸を急に下げても痛風発作が起きるのだ。
初期投与量は10㎎であり、尿酸の具合を見てDose upする。この辺のチェックは調剤時でも薬剤師が携われるところだと思う。
骨髄異型成症候群(MDS)治療に用いる薬剤である。

最初、名前を聞いた時点ではアザシチジンであるので、ピリミジンヌクレオチドの一つであるシチジンの偽物で、ピリミジン代謝拮抗薬の抗がん剤である5-FUやジェムザールみたいな抗がん剤かと思ったが、この分子標的薬全盛の抗ガン剤の時代に代謝拮抗薬が出るのは変だな?という印象だった。

新薬説明会にて詳しい説明を聞くとこの薬剤はただの代謝拮抗薬ではない事が分かった。

まず、ビダーザの作用機序を述べる前にMDSの病態について述べたい。

このMDSは詳しい病態は未だ不明であるが、がん抑制遺伝子のプロモーター領域にメチル化されたシチジンが多く存在する事でメチル基がプロモーター領域をブロックしてしまい、がん抑制遺伝子を発現できないため、血液が癌化の方向に進む事で未熟な血球が増殖する機序が考えられている

ビダーザの構造はシチジンのメチル化される部分の炭素(C)が窒素(N)に変わったものである

これくらいの微々たる違いなので、シチジンの働きはするが、メチル化はさせず、通常通りがん抑制遺伝子を発現させる作用を持つ。

これは初の機序である。癌抑制遺伝子を発現させる機序というのは驚くべき作用である。

RNAに関しては偽シチジンとしてタンパク合成を阻害し、細胞を死滅させるようだ。(代謝拮抗作用)この作用は従来の代謝拮抗作用となんら変わらない。

さて、適応のMDSであるが、予後の判定としてIPSSという尺度によって低リスク群、中間リスク群-1、中間リスク群-2、高リスク群に分けられる。

この中でMDSの低リスク群には使用経験がないとの事。低リスク群ではビダーザを使うまでもないとの事で使用経験がない。
すなわち、MDSにビダーザどこまで使えばいいかというと、IPSS分類が低リスクとなればビダーザが中止できるという事になる。

用法としては
1日75㎎/㎡を1日1回 皮下注か点滴注により7日間投与。その後21日休薬する投与方法が1サイクルとなっており、これを良くなるまで繰り返す。

皮下注、点滴静注のどちらでもいいようなのだが、臨床試験を行ったのは皮下注であるため、効果が真に立証されているのは皮下注である。
しかし、この薬剤の場合、皮下注を静注にする事で効果が減弱する事や副作用が増大する事は理論上考えにくいため、どちらでも構わないと思う。

点滴では10mLの生食で溶かす事ができるため、しっかり溶けきる。しかし皮下注だと、1Vを生食4mLに溶かすため完全には溶けきらない。懸濁の状態で皮下注する事になる。
4mLという液量であるので、基本的には2箇所の部位に分けての投与となるようである。
この辺は薬剤部に質問など来る恐れがあるからしっかり把握しておきたい。

皮下注だと副作用に内出血などが起きたり、投与に疼痛が伴ったりするため、実際は点滴で用いられるケースが多くなる事と思う。

この、ビダーザであるが、溶解後の安定性がきわめて悪い。
溶かしたら1時間以内の投与が原則となる。(冷蔵下にて8時間ほど持つのが最大)

ところで、これだけの溶解後安定性の悪い薬剤において1回75㎎/㎡という用量における1V100㎎という包装についてだが、体表面積が1.34を超える患者はビダーザ注が2V必要となる。それも1Vの多くは無駄になる状態でである。これはいかがなものかと思う。

しかし、このバイアルは世界基準であるためしかたないとのこと。諸外国では適宜増量も可能であるため(日本は適宜増量は認められてない)2V投与の患者もいるためである。

薬価はまだ決まってないようだが、高い事が予想される。

減量基準というのが血液毒性や腎毒性で規定されているが、高価な薬剤であるため“2V使用となってしまったため減量”という金銭的な減量というケースも出てくるかもしれない。
メマリー錠は国内2個目となるアルツハイマー治療薬である。
アルツハイマー治療薬といえば、アリセプトのみであったが、今回12年ぶりに新たな薬剤が加わった。

一般名はメマンチンであり、欧米ではナメンダという名前で発売されている。
日本でもナメンダという名前にしなかった理由は似たような名前があるからなのかはっきりしない。
メマリーという名前はアルツハイマー治療薬という事もあり、記憶の”memory”から来ている。
アルツハイマー治療薬として連想しやすいこの名前は多くの薬を記憶しなくてはならない薬剤師にとってはありがたい。

作用機序は脳内NMDA受容体拮抗薬である。

まず、人間が記憶を残す機序について簡単に記載したい。

何か記憶をしたい時、神経細胞が興奮してそれが伝達するわけだが、神経細胞同士はやや離れているため、その間の伝達は神経物質にて伝達を行う事になる。この部位の事をシナプス間隙という。

NMDA受容体は脳内に多く分布している。NMDA受容体は普段はMg(マグネシウム)によって蓋がされている構造をとる。

NMDA受容体作動性シナプスの場合、上流の神経細胞からはグルタミン酸が放出される。それにより、次の神経細胞の始点にあるNMDA受容体が活性化され、蓋であるMgがとれて、シナプス間隙のそこらじゅうにあるCaがNMDA受容体から神経細胞から流入する。それにより、神経刺激が伝達する。

アルツハイマーの患者さんは脳内グルタミン酸濃度が高く、NMDA受容体を常に活性化した状態であり、蓋であるMgは常に外れっぱなしである。よってCaは流入したままなので、常に刺激しっぱなしということになる。それにより新たに何か記憶しようとしても刺激しっぱなしなので刺激が上手く伝わらないのである。

メマリー錠はこのNMDA受容体の外れっぱなしの蓋であるMgに代わって蓋の機能を果たす。Mgよりも外れる閾値が高く、アルツハイマー患者さんの通常状態のグルタミン酸刺激では外れず、患者さんが記憶したいと思った時、より多くのグルタミン酸が放出されるが、その時には外れるようになっているため、アルツハイマー患者さんでも記憶ができるのだ

このように、現存のアリセプトとは作用機序が異なるため、併用が可能である。
アルツハイマー治療薬としてはこの2剤しかないため、忍容性があれば併用が主流になると思う。薬価にしても維持量である20㎎でも1錠427円とバカみたいに高いわけではない。

メマリーの良いところはアルツハイマー患者さんの徘徊などの行動障害と攻撃性に対して有意に改善効果が出たところである。これは患者さんはもとより、その患者さんを介護されているかたにとってみれば大変ありがたい事である。
まさに松崎しげるの“愛のメマリー(メモリー)”である。

副作用としては浮動性めまいがでるようだ。
それを予防するために以下のような投与方法となっている。

1日5㎎開始、5㎎/週で増量していき、最終的な維持量は20㎎/日である。

このような投与方法なので、効果が得られるのに(維持量に達するのに)4週かかる。

メマリーは半減期が長く、約60時間ある。そのため、1日や2日の飲み忘れはそれほど問題ではないのだ。だから介護者の方にも一言添えてあげると介護の負担が少し軽減するかもしれない。

ただし、このメマリーだか、服用を中止すると4週で最初からメマリーを飲まなかった人と同じくらいまで認知症がすすんでしまう。やめたら一気に悪くなるのだ。(それでも飲んでいなかった患者さんよりかはすすまないが)

めまいという副作用だけに対処できる薬剤に乏しいため忍容性が心配されるところではある。さらに重篤な病態の初期症状である事が多いので、それらがマスクされるのも懸念される。

忍容性の問題で20㎎まで上げられない人でも10㎎などでも服用しておいた方がよいとの見解である。ただし、10㎎でのコントロールは20㎎のそれと比べると最初の効果は変わらないものの、効果が続く期間が短い。

そのため、20㎎まで上げるのが基本となる。

メマリーはほとんど腎排泄の薬であるため、CYPの影響はほぼ受けない。
腎機能の悪い患者さんは10㎎に減量するようにとの添付文書の記載があるが、実際に腎機能の患者さんに有害事象があったわけではなく、腎排泄薬であるため、理論上10㎎に減量しておいた方がいいとの事で設定されている。

10㎎/日でのコントロールで効果期間終了が早い事を考えると、忍容性が許せば腎障害者であっても20㎎/日でのコントロールと行きたいところである。

とにかく、この高齢者社会においては非常に重宝される薬剤が承認された事は喜ぶべき事である。




一般名はダビガトランエテキシラートであり、プロドラッグ製剤である。

適応は心房細動による血栓の予防に対して使われる。

心房細動があると血栓ができやすい。血栓ができると、それらが剥がれ、血流に乗ってどこかの臓器に詰まる。脳に詰まった場合に脳卒中になる。
心房細動のような心臓でできる血栓は出来る血栓のサイズが大きいので、脳に飛んだ時に非常に大きなダメージを脳に与える。

要介護者になる原因はダントツで第1位であり、高齢による衰弱や認知症、骨折、パーキンソン病を大きく上回る。
そのため、血栓の予防というのは心房細動がある患者さんにとっては非常に需要となってくる。

血栓の予防には抗血小板薬と抗凝固薬とがある。

抗血小板薬はバイアスピリンが有名で、プレタール、プラビックスなど多くの薬が発売されている
一方、抗凝固薬はワーファリンのみであった。

動脈にできる血栓は抗血小板薬、静脈にできる血栓は抗凝固薬(ワーファリン)と使い分けをされてきた。心房細動でできる血栓は動静脈にできる血栓である。

よって心房細動の血栓を予防する薬として長きに渡ってワーファリンが使われてきた。

このワーファリンという薬剤は非常に手のかかる薬剤として多くの医療従事者に知られていた。
代表的なものとしては納豆およびビタミンK高含有食物の摂取の禁止や個人差が大きい事である。
(我々薬剤師としては手のかかる子ほどかわいいという事もあって、ワーファリンの服薬指導には少し力が入るものである。)

このプラザキサはワーファリンの後継者に成り得る画期的な薬剤として注目を浴びている。

RELY試験という臨床試験によってプラザキサは華々しいデビューを飾る事になる。

プラザキサはワーファリンと比べて食物(ビタミンK)に対する相互作用が無ければ、影響を及ぼす薬物相互作用も少ない。かつ、出血のリスクもワーファリンと比べて低い事もあり、ワーファリンの効果に多少なりとも劣っていたとしても、十分おつりが来るくらいの利便性的利点があった。
ベーリンガーとしては非劣性を示すだけでも十分発売できたのである。

しかし、このプラザキサはRELY試験で脳卒中リスク抑制効果でワーファリンに勝ってしまったのである。
イケメンな上にスポーツ万能、勉強もできてその上、金持ちだったっていう具合だ。

長きにわたって頂点を極めていたワーファリンがついに負けたのである。
まさに、この時歴史は動いた!である。

この敗因について検証してみたいと思う。
ワーファリン施行中のPT-INRが2-3(70歳以上では1.6-2.6)の範囲に推移する事が血栓予防に対して効力を高める。ある調査ではPT-INRが高めに維持されるケースは稀であり、多くは基準よりやや控えめに(低く)推移している事が多いという。PT-INRが2-3の間にコントロールされている日数の割合の事をTTRというのだが、このTTRがRELY試験では色々とばらつきがあった。ワーファリン治療のTTRが良い人つまり、ワーファリン施行中でPT-INRが2-3の中に入っていた日数が比較的多い人だけを集めて、プラザキサと脳卒中のリスクを比較したところ、それほど差はなかったのだ。

つまり、ワーファリンでちゃんとPT-INRがコントロールされていれば、プラザキサに負けなったのである。しかし、食べ物や薬物の相互作用がある上に個人差まであるワーファリンはこのコントロールがまた難しいのである。

では効果が高ければ、それだけ出血のリスク(副作用)が高いのでは?と考えるだろう
副作用である生命を脅かす出血の発現率および頭蓋内出血の発現率ではプラザキサの方が副作用発現率が高いのではないだろうか?と考えてみた。ワーファリンもプラザキサに一矢報いらなければならない。
しかし、プラザキサの方が優位に出血のリスク(副作用)発現率が少なかった。
イケメンな上にスポーツ万能、勉強もできてその上、金持ちというのに”性格がいい奴”というのが加わった感じである。こんなイケメン勝ち目が無い。もうお手上げといったところだ。

これにはプラザキサの作用機序が係っていると考えられている。

ワーファリンはビタミンKの阻害によってⅩ、Ⅶなどの活性を阻害するが、
プラザキサはトロンビン選択的阻害作用である。凝固因子のかなり下流の産物であるトロンビンのみを阻害するため、出血リスクが少ないのではないかと考えられている。といっても詳しい機序はまだわかっていない。

ワーファリンと比べてプラザキサで特異的であったものとしては胃腸障害の副作用がワーファリンに比べて2倍程度高かった事である。
しかし、ワーファリン自体副作用で胃腸障害というのはあまり印象にない。今日では多くの患者さんが何かしらの胃腸薬を服用しているので、この特異的な副作用ですら臨床上では問題にならないのかもしれない。臨床試験中ではPPIなどで回復したとの事だ。

プラザキサのDI情報について述べたい。

用法用量では通常量はRELY臨床試験でも効果のあった1回150㎎1日2回だ。しかし、作ってみるとカプセルが大きくなってしまったのか?1回あたり75㎎のカプセルを2個飲む形となっている。
ワーファリンが忍容性に対処できるように1㎎製剤が基本に使われていて、1日2~4T飲むのがふつうになっている。そのことを考えると当然か?とも思われる。

どうやら2規格発売されるようで75㎎カプセルは150㎎×2/日用、110㎎カプセルは110㎎×2/日用だ

1回110㎎1日2回という用法はどのような患者さんに適応されるのかというと、
まずはこのプラザキサはワーファリンと違って腎排泄が80%と腎排泄型の薬剤であるということ。

(腎排泄というのはありがたい。薬剤師としては腎排泄に関しては計算しやすく、投与量を厳密にコントロールできるからである。)

なので、1回110㎎1日2回という用法は腎が弱っている人(Ccr30~50mL/minくらい)が適応となる。そもそも110㎎×2でもワーファリンと同じくらいの効果なのだ。躊躇う必要はない。

P糖タンパクにて排泄されるのでそれを阻害する薬物というのは110㎎×2/日となる。
例を挙げるとイトリゾール、ワソラン、アンカロンなどである。(イトラコナゾールに関しては禁忌)

後は出血のリスクを考えて、70歳以上の患者や消化管出血の既往を持っている患者などは110㎎×2/日になるようだ。
70歳以上の患者さんとなると私が働いている大学病院では110㎎×2/日が処方される事が多いのかもしれない。
脱カプセルでの対応を期待するが、たぶん採用されるとしたら2規格採用という事になると思う。

まあ、薬剤師としては見た目が超似ているので調剤間違いえないようにする事である。

旧薬からの切り変えを丁寧に書いとかないとすぐに売れないという事もあり、新薬が出た時は丁寧に旧来の薬剤からの切り替え方法が示してある。
ここでもある程度指標を立てて責任がメーカー側に移行する事で速やかな新薬への切り替えが可能なのである。
切り替え方法としてはワーファリン投与中止後2~3日後よりPT-INRが減ってくる。PT-INRが2未満になればプラザキサを投与可能との事である。

プラザキサの服用を忘れた時の場合の対処であるが、
これは薬剤管理指導をする時に気を付けてもらいたいが、意気揚々と“飲み忘れたら・・”と言うのは良くない。あくまで毎日しっかり飲むという事を前提である事を伝えた上で付け加える事項として飲み忘れた時の対処がある。

プラザキサを飲み忘れた時の対応としては
次の服用まで6時間空けるという条件の元、1日2回を保つという事である。
抗凝固薬と言えば気を付けなくてはいけないのは手術前の投与中止である。腎機能によって排泄が異なるためCcrが低い人はそれだけ長く休薬する必要がある。

腎機能によって投与中止期間が変わるというのは初の薬剤のように思える。

手術の2日以上前には投与を中止し、ヘパリン化をすべきである。

ちなみに抜歯などはワーファリンを止めずにされてきたが、プラザキサも同様に服用中止は必要ないだろうという見解のようだ。

プラザキサはおそらく、今後我々が多く目にする薬剤であると思う。
しっかりとした知識を確保し、業務にあたる事が重要になる。

先日“緩和薬物療法認定薬剤師”の第2回認定試験があった。
それを見事合格された先生から経験談と合格するためのいくつかのポイントを列挙してもらったため以下に記したいと思う。


<緩和薬物療法認定薬剤師になるためのポイント>
日本緩和医療薬学会にておいて認定される“緩和薬物療法認定薬剤師”の取得を目指す薬剤師さんに第2回認定試験を受けた感想やポイントについて記載する。
今後この試験を受ける方々にとって参考になれば幸いである。

まず、出願資格についてはhttp://jpps.umin.jp/test/の出願資格を確認していただきたい。

ⅰ~ⅳ、ⅵ~ⅹについては特に問題ないと思うが、最も大変なのはⅴの「所定の単位(5年間で100単位、ただし1年20単位以上)」ではないかと思う。
まだ認定試験自体が第2回ということもあり、日本緩和医療薬学会が認めている単位取得が可能な研修会はまだまだ少ないという現状があるため、この単位取得というのは困難を極める。

私の勤める施設では年に2回までした学会参加に対して助成金がでないために、東京・福岡などで開催される研修会や学会にほぼ自費で参加した(この金銭的な事が意外に痛い)

私の住んでいる所は僻地であるため、都心とこのようなアゲインストの風がある。orz
地元で取得できた単位はたったの15単位だけだ。
この辺のところは僻地に在住している薬剤師代表として日本緩和医療薬学会にモノ申したいところだった。
2009年10月からはe-ラーニングが開始されたため、金銭的な負担は少しは軽減され、単位を貯めていくことができた。

2010年5月より日本緩和医療薬学会で認められた研修会で取得できる単位が倍の設定になったことがかなり私としては助かった。

この単位をためる作業で重要なのは厚生労働省、麻薬・覚せい剤乱用防止センター/日本薬剤師研修センター主催「がん疼痛緩和と医療用麻薬の適正使用推進のための講習会」が必須ということである。
この講習を受けることを忘れていて書類審査でダメだったという方が多かったという事も耳にした。

これから認定を狙っている諸兄もぜひ気をつけていただきたい!

私の場合は、 2009年3月~2010年10月の期間で合計135単位を取得した。
5年かけて、ではなく5年以内で、なのでかなり無理をすれば1年で100単位取得することも可能だと思う。
ここで注意しておいてもらいたいのは「1年」の区切りは4月~3月の年度区切りではなく1月~12月の区切りであるということである。
ここを知っておかないと1年20単位の計算がずれて悲しい結果になることがある。

当然の事であるが、学会や講習会などに参加された時には必ず参加証を保管するようにしていただきたい。参加していてもそれを証明するものがないともちろん申請できない。

ⅵの「学会発表2回以上」では抄録集のコピーが必要である。
この保管するという事は長丁場(私の場合5年)になるため、”無くした”という事にもなりかねない。意外に肝に銘じるところである。

ⅶの「症例報告」については求められているレベルの程度が分からなかったが、薬剤師としてどう関わり、問題点をどう改善したのか、薬剤管理指導の記録と同じような内容で十分だった。病院薬剤師と保険薬局の薬剤師では報告症例数が異なるため注意していただきたい。(病院:30、保険薬局:15)。

筆記試験については私の場合
・「臨床緩和医療薬学(真興交易株式会社医書出版部発行)」
・「緩和薬物療法認定薬剤師のための緩和医療実践問題集(株式会社じほう)」
を参考にして挑んだのだが、症例を提示したバリバリの臨床問題というよりは国家試験のような基礎的なことが多い印象だった。
オピオイドローテーションの計算問題はしっかりとマスターしていたのだが、1問(しかも1問の中の問題分の1つ)しか出題されなかった。
ただ、前述の2冊を『確実に』理解できていれば問題ないかと思う。
※この『確実に』がポイント!あいまいに覚えていると私のように試験中苦しむことになる。

最後に、薬剤師の基本は薬に関するさまざまなことを知っているジェネラリストであるべきだと思っているが、その一方でさらに高い専門性や知識を求められることが多くなってきている事も事実である。
今のところ、専門薬剤師や認定薬剤師を取得しても、給与が増えたり優遇されたりすることはほとんどないため個人の自己満足となってしまうことが多いのかもしれない。
しかし1つの目標とすることは決して無駄にならなず、薬剤師の価値を向上する事に繋がると思う。
これから緩和薬物療法認定薬剤師取得を考える先生方、またすでに取得している先生方と共に頑張っていきたい。
非常にポピュラーな降圧薬の一つである。

私は様々な人を服薬管理指導しているが、ノルバスクで問題が起きた人をあまり経験しない。

ただ、食事の面で入院前に塩分の濃い食事をされていた患者さんは入院したタイミングで急に減塩の入院食になるので、たまに血圧が非常に低くなる時がある。

しかし、それでも降圧薬を併用している患者さんがそうなりやすく、単剤だとあまり起こらない現象である。

また、入院は外来と活動面でも異なるため、その面でも血圧は変動する可能性がある。

私が降圧薬全般で中止の提言をするかどうかはふらつきや患者さんの自覚症状があるかどうかで判断する。数字として血圧が低い事を心配される患者さんもいるが、血圧には変動の幅があるし、長期的に見たときに血圧は低く保たれていた方が合併症のリスクを下げるためである。

このふらつきはリハビリなどに影響があり、動ける患者さんでは転倒のリスクがある。こういった面で私は医師に提言する事が多い。

ただ入院環境が理由であるので、退院時には再び再開した方がいいように思う事を付け加えている。

ノルバスク錠は肝代謝薬物である。しかし、肝障害が起こった時でも特に効果が上がるような症例は見たことがない。肝は代償機能が高いので肝代謝薬物は肝障害の程度によってどれくらい減量すべきかは非常に難しいところなのである。

ノルバスク錠および、他の降圧薬は長期服用が大切な薬剤となっている。であるから
今のところ、副作用は”低血圧くらいです”と患者さんをあまり不安にしないようにして、服用を促すような服薬指導を私はしている。