トウモロコシが美味しい季節になってきました。
実は、
ドッグフードの原材料に『トウモロコシ』を使用しているフードはたくさんあります。
では、その『トウモロコシ』は、犬の体に合っているのでしょうか?
答えは・・・『微妙』です。
■ 犬の胃腸は草食用ではない
犬、猫など単胃動物(胃が一つしかない)は、
草食物を有効なエネルギー源として利用することができません。
草の主成分であるセルロース(ブドウ糖が長く繋がってできている植物の細胞壁を作る基本的な成分)を、単胃動物の消化管で分泌される消化酵素では残念ながら分解できません。
当然、トウモロコシも例外ではありません。
しかし、これらの条件は生で食べた場合のトウモロコシです。
加熱した状態であれば、消化は可能になります。
食べ過ぎには注意しましょう。
炭水化物が豊富な為、『デブの素』になる可能性大です。
トウモロコシには『葉酸』という成分が豊富に含まれています。成長期のワンちゃんにとっては重要な栄養素で、
血液中の赤血球を作る働きもあります。
反面、トウモロコシのたんぱく質を構成するアミノ酸には、
トリプトファンが少なく、犬の必要な栄養分から判断しても、
他の穀類と同様にアミノ酸構成が理想的とは言えません。
もっとも多いアレルギーの原因の一つとも言われています。
トータル的に判断すると、
一番大切な栄養素のたんぱく質をトウモロコシから摂取することは、あまりおすすめできないというところでしょうか。
ワンちゃんにとって一番大切な栄養素は良質なたんぱく質で、
その良質なたんぱく質は、肉から摂取することが一番体に合っています。
トウモロコシには犬が食べてはいけない栄養素が含まれているわけではありません。
甘くて美味しい時期には、旬の野菜として与えたいと思いますよね。
我が家の愛犬たちに、旬の時期に蒸して与えましたが、
2代目アッシュは、食べたコーンが消化不良でそのまま便に混じって出てきました。
3代目ホセは、お腹を壊しました。
やはり、現物支給はあまり向いていないということですかね。
■ トウモロコシメインのドッグフードとは
ドッグフードに含まれているトウモロコシは加熱済みのため、
全く消化できないわけではありません。
ただし、肉類などに含まれるアミノ酸と併せて、バランスを考え摂取する必要があります。
肉から摂取するタンパク質の方が必要とする量から見ても、
栄養学的に見ても、ワンちゃんには適していると言うことです。
トウモロコシにも当然良質な栄養素が含まれています。
ヒゲなどは、「コーンシルク」と呼ばれ、抗糖化作用もあり、
漢方としても使用されています。
外皮に限っては、泌尿器系疾患にも効果的と言われ、
人間社会でも活躍している成分です。
ただし、自力で消化できないのであれば、どれだけ摂取しても、胃腸を通過していくだけで、吸収出来ません。
これを毎日食べ続ければ、愛犬の消化器官にはかなりの負担がかかり、未消化物質は増加するばかりです。
未消化物質が増加するということは、
悪玉菌が増加し、病気を呼び込む原因をもたらすということです。
人は毎日同じものは食べ続けません。
しかし、それとは逆にほとんどの愛犬は、
ドッグフードが主食となっている状況です。
体に合わないものを食べ続けることほど
健康から遠ざかる行為はありません。
少しだけ愛犬のために、
ドッグフードを選ぶ知識を身につけましょう。
知識を身につけることで、
トウモロコシからタンパク質を摂取することは
自然となくなっていくでしょう。
■ トウモロコシの芯は食べても大丈夫?
家族とのキャンプは愛犬にとっても楽しみの一つです。
BBQなどではトウモロコシを焼く機会も多く、
無造作にゴミを放置してしまいがちです。
ここで気をつけてもらいたいのがトウモロコシの芯です。
トウモロコシはそもそも消化が良い食物ではありません。
黄色の実の部分は加熱したものであれば食べても問題ありません。(欲を言えば、少し砕いて与えるのが理想です。)
しかし、芯は繊維質の塊なので全く消化できないため
食べてはいけません。
もし飲み込んでしまった場合、腸閉塞の原因となります。
食べかすなどをあさって食べてしまい、
消化できないため、開腹手術を行わなければならなくなることが
時々あるそうです。
キャンプやBBQでのゴミの捨て方にも十分注意しましょう。