2024年7月26日 金曜日
会社の帰りに東京・六本木の東京ミッドタウン内にあるサントリー美術館で開催中の「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」に行きました。
最近忙しく、美術館に行っていなかったのでまたもや美術ファンの職業病(^^;「美術館に行かねば!」が発症。
今回も金曜日の夜に行くことに決め、以前から行こうと思っていたサントリー美術館の「徳川美術館展」を選びました。
選んだ理由は夜の開館時間であればSOMPO美術館の次に六本木のエリアにある美術館が職場から行きやすい場所にあるからです。
東京駅近くの三菱一号館美術館は休館中。
六本木エリアでは国立新美術館の「CLAMP展」は興味あるけどコミックの原画展だし…、と言う事でサントリーを選びました。
会場についたのは夜6時10分ごろと記憶しています。
空いていてゆっくり鑑賞できました。
今回の展覧会は公式サイトの紹介によりますと、
「将軍家に連なる御三家の筆頭であった尾張徳川家に受け継がれてきた重宝の数々を所蔵する徳川美術館。家康の遺品「駿府御分物」をはじめ、歴代当主や夫人たちの遺愛品、刀剣、茶道具、香道具、能装束などにより、尾張徳川家の歴史と華やかで格調の高い大名文化をご紹介します。屈指の名品として知られる国宝「源氏物語絵巻」と、三代将軍家光の長女千代姫が婚礼調度として持参した国宝「初音の調度」も特別出品される貴重な機会となります。 」(公式サイトより転載)
御三家筆頭尾張徳川家と言えば八代将軍吉宗の時に当主となった徳川宗春を思い出します。
紀伊徳川家から将軍になった吉宗に反抗し、幕府の緊縮策・規制強化策に反対して積極財政・規制緩和をやったと言うのは有名な話ですね。
大河ドラマ「八代将軍吉宗」では中井貴一さんが演じて独特の存在感がありました。
(吉宗を演じたのが西田敏行さんであり、その対比と言う面から見ても中井さんの宗春はなおさら目立ちました。)
今回の展覧会の展示で金箔を用いた調度品を見て、やっぱり尾張徳川家は金持ちだったんだなあ、と思いました。
そう言えば名古屋城には戦災で焼けた金の鯱がありましたね(^-^)
展覧会の構成
Ⅰ 尚武 もののふの備え
Ⅱ 清雅 茶・能・香
Ⅲ 求美
特別公開 初音の調度
特別公開 国宝 源氏物語絵巻
今回の展覧会で印象に残ったのは二つの特別公開の作品。
「初音蒔絵旅眉作箱」と「源氏物語 横笛」です。
「初音蒔絵旅眉作箱」 江戸時代 寛永16年(1639年)尾張家二代目光友正室 雲仙院千代姫所用
蒔絵で造られた箱の周囲には風景画らしきものがしっかり蒔絵で表されています。
女性の観客の一人がじっくり凝視しているのを見て、「何だろう?」と思いながら見ると見事な蒔絵の表現が表されていることに気付き、じっくり鑑賞させてもらいました。
「源氏物語 横笛」 平安時代 12世紀
国宝に指定され、書籍に良く引用されている「源氏物語絵巻」のうち「横笛」を描いたもの。
光源氏の息子で堅物?な夕霧が奥様の雲居雁にああだ、こうだ言われている場面らしいです。
なお、今回展示される場面は4面ありますが、全て後半の柏木や薫が出てくる場面のようです。
「耕穫図屏風」狩野探幽筆 江戸時代 17世紀
狩野探幽らしからぬ、墨?のみで描かれた黒の一色で描かれた屏風。
狩野派らしくない、水墨画に近い画風が、むしろ新鮮であり、好感が持てました。
純金葵紋蜀江文皿・純金葵紋牡丹唐草文杯 尾張家二代目光友正室 雲仙院千代姫所用
純金で制作された皿と杯。
純金と言っても表面に加工が施され、キラキラしないようになっています。
今回の展示品でちょっとがっかりしたものがありました。
それは、
「香木 手鑑香 銘 蘭奢待 十種名香の内」 源頼政・太田道灌・東福門院和子ら所用
です。
今回の展覧会を紹介したネット記事で蘭奢待が出展されていることが書かれていました。
皇室の御物で、正倉院に伝来しています。
織田信長が所望し、実際に切り取らせたことで有名です。
大河ドラマ「信長」では蘭奢待を切り取らせる場面で立ち会った貴族の一人が卒倒してしまうシーンがありましたっけ(^^;
しかし、実際に見てみると、
「ナニコレ?」でした。
ちっちゃい(^^;
これが天下に名の知れた「蘭奢待」とは。
トホホ(^^;
まあ、恐れ多くも皇室の御物ですからね。
しかし、騒ぐほどのものでもなさそうです。
せっかくの機会なので見た方が良いとは思いますが、あまりの落差にガックリされませんように。
他にも蒔絵作品、陶磁作品、着物、調度品、刀剣、兜、など様々な作品を見る事が出来ます。
どの展示も雅です。
さすがは尾張徳川家です。
徳川美術館にはまだ行った事がありませんが、とても良い美術館であることが分かりました。
鑑賞時間は40分ぐらいでした。