2024年6月19日 水曜日

 

 先ほどこの本を読み終えました。

 

 

 英国の文学者、そして神学者C・S・ルイスが書いたファンタジー小説の傑作「ナルニア国物語7 最後の戦い」です。

 2020年9月、角川文庫でナルニア国物語シリーズの刊行が始まったのを機に購入。

 途中積読していた時期がありましたが、この度全7巻を読み終える事が出来ました。

 まさかダンテ「神曲」を読了した翌日に「ナルニア国物語」も読了できるとは。

 

 読書メーターの感想です。

「ダンテ「神曲」を読了した次の日にC・S・ルイス「ナルニア国物語」も読了してしまうとは。このナルニア国物語はファンタジー形式だけど、読んでいるうちにこれはキリスト教の寓話じゃないの?と思って解説を読んだら、やはりそうなのでした。訳者の河合祥一郎さんの解説に詳しく書いてありました。ただ、途中から話がこんぐらがってしまい、理解できない部分があったので、もう一度読み直した方が良さそう。ルイスも何度も読んでもらうためにそのように書いたらしい。このナルニア国物語も面白いので多くの人に読んで欲しいですね。

 

 ネタバレになるため詳しくは書けませんが、後半3分の1を読んでいくうちに「あれ?やっぱりこれはキリスト教の何かの寓話?」と気づき、何となく分かったので訳者の河合祥一郎さんの解説を読んでみるとやはりそうでした。

 河合さんは優れた解説を書いておられます。

 この解説も読んで欲しいです。

 

 せっかくなので全巻の読書メーターの感想を貼っておきます。

 

 

「前から気になっていた作品だったので角川文庫で出版されたのを機に読んでみた。しかし、この作品もキリスト教をベースにした作品なのね。クリスチャンの私にはすんなり入っていけたけど、駄目な人もいるのではないだろうか。アスランがカッコよい。それからナルニア国とこちらの世界の接点が洋服ダンスという発想が面白い。もしかしてドラえもんのどこでもドアもこの設定からヒントを得てるのかな?」2020年9月17日読了。

 

 

「前の巻から千年が過ぎたナルニア国で展開されるシェイクスピアの「ハムレット」に似た王位争いに4人兄弟が介入。アスランと再会を果たし、カスピアン王子に加勢してミラーズとの戦いに臨む。訳者の河合さんが解説で書いている通り、1巻に比べると面白さにやや欠ける。それから河合さんが書かれているスーザンとルーシー兄弟の関係は新約聖書ルカ福音書のマルタとマリアのモチーフではないのかと思った。」2020年9月28日

 

 

「今回はアスランはほんの少ししか出ていないのが残念。ユースタスがどうしようもないひねくれたガキだったけど、立ち直ったのは良かった。彼は新約聖書ルカ福音書放蕩息子。それからまともなエドマンドも最初は以前はかなり嫌な奴だったことを思い出した。訳者によればこの巻ではキリスト教の七つの大罪が扱われているとのこと。欧米の小説はキリスト教が背景にあることを頭に入れないと読めないのだが、この小説もご多分に漏れず。」2021年4月10日

 

 

「3まで読んでしばらく積読。だから前までの話を覚えてなかったので、読むのに一苦労。でもナルニア国物語の面白さは健在。訳者の河合祥一郎さんの解説を読むと聖書、そしてギリシャ神話の「オデュッセイア」のモチーフも入っているとの事。なるほど。欧米の小説は子供向けのファンタジー小説でも古典の知識を要求されるのね。でもだから面白いのだろう。これを読んで聖書や「オデュッセイア」も実際に読んで見て欲しい。もっとも聖書はいきなり読むのではなくて、まともな解説書から読んで欲しいと思います。」2024年5月3日

 

 

「今回の話は読み進めていくうちにキリスト教的な教訓譚なのかな、と思っていたが、アスランがブリーに語りかける辺りでそれは確信に変わった。シャスタが実はアーチェンランド国のコール王子だったという話は旧約聖書の預言者モーセがモデルになっているのではないか。訳者あとがきを読んで大いに納得。やっぱり欧米の小説は聖書、あるいはギリシャ神話がモチーフになっているんですね。ファンタジー小説であろうとも。」2024年5月7日

 

 

「ナルニア国物語も6巻目。時間軸から言えば本当はこれが第1巻。ナルニアの始まりが語られる。読み進めるうちにこれはルイス版旧約聖書創世記だと分かってくる。ルイスはこの巻で人間の思い上がり、愚かさを告発しているのだ。」2024年5月15日  

 

 我ながらよくここまで読んだものだ…。

 

 感想に書いてある通り、作者のルイスは「ナルニア国物語」に相当なキリスト教の要素を組み込んでいます。

 それはルイスが敬虔な英国国教会の信徒であり、神学者でもあったからです。

 「キリスト教の精髄」と言う本を書いているほどです。

 

 「神曲」の著者ダンテも中世最大の神学者トマス・アクィナスを熱心に研究していました。

 

 ルイスの友人だったトールキンが書いたファンタジーの傑作「指輪物語」もトールキンが熱心なカトリックだったため、カトリックの世界観が取り入れられているそうです。

 余談ながらルイスは信仰を持っていませんでしたが、英国国教会に入信。

 しかしトールキンはそのためにルイスと喧嘩別れしたとか(^^;

 だめだよ、トールキン。

 同じ神様とイエス様を信じる者同士、仲良くしましょうよ。

 

 と言いましても、多分このナルニア国物語はそんなに難しくないはずです。

 最初はキリスト教がどうこう、と言うのはあまり深く考えずに読んで良いと思います。

 そして2回目からは河合さんの解説を参照しながら読んでいけばいいのではないでしょうか。

 

 と言う事で「ナルニア国物語」はお勧めです。

 一度読んでみてくださいね(^-^)