2024年5月19日 日曜日

 

 午後、1時間ばかり作業していました。

 Nゲージの車両に部品を付ける作業です。

 

 

 KATO製のEF64 1000。

 買ってそのまま部品を付けないまま走らせてました。

 

 

 ナンバーを付けてない(^^;

 

 

 穴が開いてますが、これも避雷器と言うパーツを付けるための穴です。

 長い間運転する機会がなく、面倒くさくなって放置していました。

 しかし数年前から相模原鉄道模型クラブの運転会に参加。

 その運転会でナンバー付けてないですね?と言う当然の質問が出てあいまいな答えに終始。

 さすがに恥ずかしいので最近休日1時間ぐらいの空き時間を見つけて2両ずつぐらいでナンバーなどの部品を付ける作業をしています。

 

 このEF64 1000は30分程度の作業。

 

 

 ナンバー取り付け後。

 ゴム系接着剤がはみ出てしまい、汚くなってますが、何とか付きました。

 

 

 避雷器を装着。

 なお、他に信号炎管と言う管を付けるようになっていますが、小さい穴で上手く入らないので断念。

 

 

 前面にもナンバーを付けました。

 なお、この前面にも手すりのパーツを付けるようになっていますが、これも難しそうなので諦めました。

 よく見ると穴が開いているのが分かると思います。

 この穴に手すりのパーツをはめ込みます。

 

 KATOやTOMIXのモデルはユーザーにパーツを付けさせるものが多く、ファン泣かせです。

 Nゲージ黎明期には戦前からある鉄道模型雑誌「鉄道模型趣味」にNゲージモデルのグレードアップ加工の例がしばしば掲載されていました。

 その加工例では製品の成形された手すりを削って真鍮製の針金から作った自家製の手すりを付ける、と言う加工が当たり前に掲載されていました。

 どうもその加工例に触発されてメーカーもこのように細かいパーツを別にしてユーザー取り付け対応としたのかな、と思えます。

 

 確かにそのように細かい加工を好むファンも多いのですが、私のような工作力のないファンには却って有難迷惑。

 まあ、ここは潔く諦めることにします。

 身の丈に合わせた楽しみ方を追求するのも趣味の楽しさの一つでしょう。

 

 今回の加工ではEF64 1000の前に同じKATO製のEF64の小加工も行いました。

 加工後しか撮影してませんが、写真を掲載します。

 

 

 これがEF64。

 

 今回小加工に使った工具類もお目に掛けます。

 

 

 さて、EF64を眺めているうちにある事に気付きました。

 それは、EF64とEF64 1000番台と言う機関車の謎について。

 

 EF64とEF64 1000番台の模型を並べてみます。

 

 

 前がEF64。

 後ろがEF64 1000番台。

 

 

 逆方向から撮影。

 後ろがEF64。

 前がEF64 1000番台。

 

 皆さん、0番台と1000番台と言う違いはあれど同じ「EF64」という形式の機関車に見えますか?

 別の形式の機関車に見えませんか?

 

 

 どう見ても違う形式にしか見えないですね。

 しかし…。

 

 

 0番台、1000番台の違いはあれど同じ「EF64」?????

 どういう事????

 

 …実はこの摩訶不思議な機関車が産まれたのは「国鉄の労使関係」ゆえなのです。

  EF64は中央本線、奥羽本線板谷峠などの山岳路線で用いるために1964年に製造。

 性能が良かったため、1970代後半まで断続的に量産されました。

 

 一方EF64 1000番台は1980年代、上越線のEF58、EF15、EF16などの戦後直後に作られた旧型電気機関車の置き換えとして製造。

 用途が少し違い、時代を経た事もあり、事実上の新形式の機関車とも言える機関車として設計されました。

 だから新しい形式にしても良かったのです。

 EF67まであったのでEF68にしても良かった。

 ではどうして新しい形式にしなかったのか。

 

 それはオソロシイ話ですが、当時の日本国有鉄道、国鉄の労使関係がおかしかったからです。

 当時の国鉄は圧倒的に労働組合が強かった。

 そのため労働組合は合理化につながりかねない新しい車両の形式を導入する場合は現場の労働組合と協議しろ、と言うルールを経営側に押し付けたのです。

 だから新しい形式の車両は導入できないことになった。

 しかし、電化やスピードアップなどお客様のサービス向上のためには合理化を伴う新しい形式の車両を導入する必要がある。

 ではどうしたらいいのか?

 

 「そんなの簡単!

 新しい形式でなければ良いんだろ!

 新しい番台なら良いのだろ!

 古い形式で良いから新しい番台の形式にすればいいのだ!」

 「なるほど、部長頭イイ!

 そのようにいたします!」

 

 まあ、多分こんな感じだったのでしょう(^^;

 

 と言う事でめでたく新形式ではなく新番台EF64 1000番台誕生。

 上越線に配置され、老朽機関車と交代し、上越線の輸送力向上に資することになったのでした。

 メデタシ、めでたし。

 

 いや、阿呆な話ですが、ホントの話だそうです。

 他にもこのような話はあります。

 北海道の函館本線が電化された時導入されたED76 500番台は貫通扉付き、車両の長さが違う、など明らかに新形式なのに、おかしなルールのせいでED76 500番台になりました(^^;

 他にも中国地方に導入された115系は2扉車で3扉車の115系とは別の車両???のはずなのに番台違いで通った、とかね(^^;

 

 これじゃあ国鉄は分割民営化するしかないよね(^^;

 そして旧国鉄の労働組合はあえなく衰退したのでした(^^;

 

 何でこんなことを書いたか。

 それはEF64 1000番台のモデルがTOMIXから初めて出た時、すごい違和感があったんです。

 何でEF64 1000番台はEF64とこんなに違うんだ?とずっと思っていたのです。

 その違和感を解消するために調べてみたら前述の事情が判明したわけ。

 

 たかが鉄道模型、そして鉄道。

 でもそこにはこのような奥深い事情があったりします。

 

 だから鉄道ファン、鉄道模型ファンは止められません。