2024年1月8日 月曜日
1月7日 日曜日の20時からNHK大河ドラマ「光る君へ」を観ました。
このドラマの主人公は紫式部です。
そしてのちに紫式部の雇い主となる藤原道長も「三郎」と言う幼名で出てましたね。
面白かったですね。
紫式部の御父上藤原為時が仕事に恵まれなくて困窮したり、その為時が東宮(花山天皇)に教えると同時に監視役を兼ねるように命ぜられたり、当時のドロドロした権力闘争の一端が垣間見えたり。
平安時代と言ってもそれは都がたまたま「平安京」と言っていたからであって、地方では平将門の乱・藤原純友の乱がありましたし、都でも「伴大納言絵巻」で有名な応天門の変や菅原道真の追放など、どこが平安なんだよ!と言う時代であることが早くも分かってしまう展開でありました(^-^)
「どうする家康」は主人公徳川家康が大っ嫌いなもので(織田信長、豊臣秀吉も嫌いですけどね。何しろ佐々木さんの宗家六角家を近江から追い出したのはこの人たちですよ。宗家の仇です(^-^) )今年の大河ドラマ「光る君へ」は見ようと思います。
そして「光る君へ」の主人公紫式部が書いた小説が「源氏物語」。
私もいわゆる与謝野源氏で読みました。
今から25年ぐらい前のことです。
この源氏物語については小説家の清水義範さんがある雑誌の書評でこんなことを言っていました。
「テストか何かで『源氏物語なんて色男が女を取り換えひっかえする物語じゃないですか。どこがおもしろいんですか』と書いて大目玉食らいました。」
あはは。
そりゃそうです。
「源氏物語」と言う古典をそんな風に言われたら国語の先生は怒りますね。
でも確かにその通りではあります。
「源氏物語」の主人公光源氏、のちの六条院は亡き母上桐壺女御にそっくりと言われた藤壺中宮が御父上桐壺帝の奥様であるにもかかわらず言い寄って子供を作らせる。
その子は後に天皇・冷泉帝になる。
従姉の葵上を奥様にしておきながら六条御息所と浮気して恨まれて御息所は生霊となって葵上を呪い殺す(^^;
藤壺中宮に似ているからとまだ幼い藤壺中宮の姪紫の上を強引に連れてきて奥様にする。
しかしそれでもあちこちの女に手をつける。
…何とも破廉恥な(^^;
だから何でこんな破廉恥小説が古典としてもてはやされたのか不思議だったのです。
帝国陸軍の軍人さんは「源氏物語を読むとは軟弱な野郎だ、けしからん!」と言う人がかなりいたと聞いたこともあります。
…と思っていたのですが、昨夜「光る君へ」を見て考えを改めました。
「源氏物語は実はフェミニスト小説…?」
どうしてそう思ったのか。
昨夜の「光る君へ」の劇中で紫式部が父為時が母の家に寄り付かない事を嘆くシーンがありましたね。
当時は一夫多妻と言うまさに男の天国でした(^^;
しかも通い婚と言う男にはありがたい制度でもありました(^^;
紫式部の嘆きは当時の女性たちの嘆きでもありました。
「源氏物語」とほぼ同時期の「蜻蛉日記」にもそう言う記述があるらしいですね。
「源氏物語」は確かに上述の通り、光源氏のちの六条院が女を取り換えひっかえするという女性にとっては悪行の限りを尽くした男の一代記、なのです。
ところがその色男・光源氏のちの六条院は最後に妻に迎えた女三宮を従兄で親友でもある頭中将の息子・柏木に寝取られ、挙句の果てに子どもまで作られてしまう。
かつて自分が御父上桐壺帝に対してやったことと全く同じことをやられてしまった。
まさしく因果応報!!!
まさしく悪行の報い!!!
…と言う事で、
実は「源氏物語」は当時の男尊女卑・一夫多妻制度の桎梏に泣いた女性たちの気持ちを代弁して男どもを懲らしめて女性たちの留飲を下げたフェミニズム小説!?と思えたのです。
と思ってググって見ましたら、下の記事がヒット。
紫式部の鋭い目、女性への差別を告発 フェミニスト視点で「源氏物語」読み解くエッセーをネットで連載 小説家・奥山景布子さん 東京新聞より
あははは(笑)
まあねえ。
日本はまだ言われないですが、政治でも女性は男に負けない働きをしてましたね。
飛鳥時代、奈良時代は推古天皇から孝謙・称徳天皇など女帝が大活躍してました。
武士の時代になっても北条政子は尼将軍として夫源頼朝亡き鎌倉幕府を支え、承久の乱の大勝利をもたらしました。
戦国時代でも女城主は意外といたらしいですね。
明治時代に民法が出来て家父長制的な家族制度になったからおかしくなったのですよ。
そのように考えると源氏物語が古典として読み継がれたのは大正解だったのですね(^-^)
これはまた読み直さないといけないですね。
「源氏物語」を。