2023年12月30日 土曜日
21時からNHKの「映像の世紀 バタフライエフェクト ビートルズとロックの革命」を観ました。
1962年からわずか7年7か月しか活動しなかった英国の4人組バンド ビートルズが当時の社会にどのような影響を与えたのか、そしてその後も与え続けた事を描いた番組。
とても面白かったです。
ビートルズ以外にスティング、ノエル・ギャラガー、ジミー・ペイジらロックのスーパースターたちの証言も取り上げられています。
今まで知らなかったエピソードで印象的だったのは、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが出会い、クオリーメンを結成する直前に当たる時期に英国では兵役が廃止されていたことでした。
もし兵役があればジョンとポールは出会う事もなく、ビートルズもなかった、という話でした。
言われてみればそうですね。
ビートルズが憧れていた米国のロックンローラー、エルヴィス・プレスリーは徴兵されて活動が中断されました。
現代でもK-POPのスーバースター、BTSのメンバーの兵役はどうなるか、大変な議論になりました。
米国の場合、ヴェトナムに行きたくなくて徴兵逃れする人が続出しましたが、その人たちは大変なプレッシャーを受けました。
クリントン、ブッシュジュニアのような大統領経験者ですら、ヴェトナム戦争に行かなかったことが正当なものだったのか、選挙当時厳しく問われました。
それに比べると当時の英国の若者たちは本当に幸運でした。
英国社会か戦争がもたらす負の影響が及ばなくなった事が、ロックミュージックやファッションなど若者文化の爆発的な発展につながったのは間違いないですね。
もう一つ印象的なエピソードがありました。
それはビートルズ最大のヒット曲「ヘイ・ジュード」が1989年のいわゆる東欧革命にもたらした影響です。
今では信じられない話ですが、ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーなどの東ヨーロッパや当時はソヴィエト社会主義共和国連邦を称していたロシアではロックなど西ヨーロッパの市場経済体制国家では当たり前の音楽が「帝国主義の頽廃文化の象徴」として禁止だったのです(^^;
(そのくせソ連・東欧では元々は王侯貴族向けの音楽だったクラシック音楽を推奨していたんだから矛盾してますよね。クラシックこそブルジョア階級の文化的頽廃の象徴じゃないの?ソ連・東欧諸国は彼らの言い分では労働者の天国だったはずなのだからロックこそ労働者階級の英雄たちが作った素晴らしき音楽だ!と絶賛すべきでしょうに(^^; )
そんなひどい体制下で若者たちが体制への不満のはけ口として当局の妨害電波をかいくぐってこっそりとラジオでビートルズを聴いていた。
そしてそれが東欧革命の原動力となった。
これについては東欧革命の当時私もちらりと耳にしたことがあります。
素敵なエピソードですね。
余談になりますが、番組でちらりと触れられたチェコの革命はビロード革命・ヴェルヴェット革命と言われましたが、その革命にアンディ・ウォーホルがプロデュースしたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの音楽が影響を与えた事がこの映像の世紀 バタフライエフェクトでも取り上げられていました。
映像の世紀 バタフライエフェクト 「ヴェルヴェットの奇跡 革命家とロックシンガー」
観たかった(T_T)
番組の最後はビートルズの最後の曲となった「ナウ・アンド・ゼン」。
ポール、リンゴ、ジョンとジョージの分も長生きしていい音楽を作り続けてくださいね。
最後にビートルズのラストナンバー「ナウ・アンド・ゼン」を収録したこのアルバムの写真を掲載しておきます。
ビートルズの公式ベスト盤「赤盤」「青盤」
彼らの公式アルバムでこれだけ持ってなかったけど、青盤に「ナウ・アンド・ゼン」が入っていたので購入。
ビートルズよ、永遠に。