2023年5月20日 土曜日
 東京経済政策研究会の勉強会に参加した後で夜7時半から9時まで友人のKさんが主催するオンライン読書会に参加しました。
 
 Kさんにはこれまで3回お会いしています。
 いずれも井手英策さんの講演会で司会者あるいはスタッフを務められています。
 そしてZoomでの井手英策さんのイベントで司会者を務められたこともあります。
 このブログでも井手英策さんと一緒に何回か登場しています。
 Kさんの登場する一番最近のブログはこちら。
 
 
 幸いなことにこのブログにはKさんと井手さんの登場するブログに全部リンクしていますのでリンク先にも飛んでみてください。
 
 Kさんの事について触れておきますと、小田原市在住でIT企業に勤めています。
 来月から転職して新しい会社に勤務するそうです。
 井手さん、小田原在住のIさんと一緒に小田原市の街づくりに関わっています。
 この読書会もいわば小田原市の街づくりとも関連させて行っているとの事。
 上記の事はKさんが今回の読書会の自己紹介を参考にしました。
 Kさんありがとうございます。
 
 今回参加した読書会はKさんが以前から主催されているもの。
 私もお誘いは受けており、FBで招待もされていましたが、なかなか参加出来ていませんでした。
 今回、紹介してもよさそうな本があり、久しぶりにKさんとお会いしてみたかったので急遽参加しました。
 なお、Kさんとはいつも井手英策さんといわばセットでお会いしており、井手さん抜きで会うのは今回が初めてです。
 
 読書会はコロナ禍なのでオンライン。
 ZoomではなくGoogle meet でした。
 これはKさんの事情によるもの。
 
 参加者は4人。 
 一人は偶然にも「いまこそ税と社会保障の話をしよう!」に参加されていた方との事。
 これもKさんの紹介でした。
 私以外は常連でした。
 
 今回の読書会は自己紹介から初めて自分の気に入った本を紹介する紹介型読書会。
 自分の気に入った本の紹介だから簡単じゃないの?と思った方。
 それは大きな間違いです。
 課題本を読んで感想を述べあう猫町俱楽部、あるいは東京経済政策研究会の勉強会の方がむしろ簡単です。
 こちらは無理にしゃべらなくても良い。
 しかし紹介型は自分の気に入った本を他の人が読んでもらえるように話さないといけないので、むしろこちらの方が難しい。
 知的にはこちらの方がむしろ鍛えられるかもしれないです。
 
 私が紹介した本はこの2冊。
 

 

 垣根涼介「極楽征夷大将軍」文藝春秋社

 
 
 亀田俊和「観応の擾乱」中央公論社
 
 もともと「極楽征夷大将軍」を紹介するつもりでしたが、話を発展させるために「観応の擾乱」も紹介することにしました。
 
 両方とも南北朝時代、室町時代の室町幕府初代征夷大将軍、足利尊氏を主人公としています。
 読書メーターの感想を貼っておきます。
 
 まずは「極楽征夷大将軍」
 2023年5月16日読了。
 「発売日当日の新聞広告の煽り文句にやられて購入。早速読んでみた。これはまさしくかつて私が血沸き躍らせて読んだベストセラー・亀田俊和「観応の擾乱」の忠実な小説化と言える小説である。参考文献の冒頭にも「観応の擾乱」が置かれている。ただし、著者の垣根さんは亀田先生ほどは足利尊氏に思い入れがないようで醒めた目で客観的に書いており、それがまた尊氏のキャラクターを魅力的なものとしている。尊氏以外の実弟直義、高師直など足利一門の人たちもそれぞれ魅力的。南北朝時代ブームがこのような歴史小説を生んだことを素直に喜びたい。 」 
 この本は594頁もある大著ですが、夢中になってしまい、4日間で読み終えました。
 Kさんは文庫本にしたら3冊ぐらいになるのでは、と言っていました。
 
 続いて観応の擾乱。
 この本は再読していますのでまず最初の感想。
 2017年8月6日読了。
 「大学時代に見た大河ドラマ「太平記」を思い出しながら読んだ。「観応の擾乱」は足利直義、高師直らが死に、幕府の機構が大幅に刷新されるくらいの大乱だったのに、今まで詳細に書かれた本がなかったというのは驚き。新書サイズでよくぞここまで詳しく擾乱の内容を記したものだと思う。間違いなく観応の擾乱を語るうえで必読文献になるだろう。室町幕府初代将軍足利尊氏が最初は無気力な人物だったのに、擾乱以降はやる気に満ち溢れてようやく将軍としてふさわしい人物に成長したのも興味深い。足利尊氏のイメージもかなり良くなると思う。 」
 
 再読後の感想。
 2019年12月30日。
 「二年ぶりの再読。著者の亀田先生とはTwitterで相互フォローしています。亀田先生が一次資料に基づいて実証的な考証を行い、自らの説を立証しようとしていることがよく分かり、亀田先生が優れた歴史研究家であることがよく理解できた。足利尊氏が味方へ恩賞を速やかに出し、功績のあった部下を守護職につけるなどの迅速な論功行賞によって人心を掌握し、自ら戦場に立ち、室町幕府の権力の確立に自ら積極的に取り組んだこともよく理解できる。亀田先生の言う通り足利尊氏はやはり「不世出の将軍」だったのだ。 」
 
 う~ん、我ながら熱い(^^;
 いや、これはむしろ本の内容よりも亀田先生が熱いからです。
 足利尊氏の成長ぶりを表す文章は全体で⑩数行ぐらいですが、すごい熱い亀田先生の思いを感じるのです。
 亀田先生はかなり苦労されたようで博士号取得時は警備員のバイトをされていた事や、旧民主党を支持していたのに、民主党政権が無様に崩壊した後は泣く泣く(T_T)自民党支持にならざるを得なかった事など、涙を誘うエピソードをTwitterで書いてました。
 だから「極楽征夷大将軍」を読んだ時、ちょっと面食らったのも事実。
でも意外と小説の「極楽征夷大将軍」の方が案外本当の足利尊氏に近いと思います。
 これは1966年生まれの垣根さんと1973年生まれの亀田先生の年齢差で微妙に人生観が違ってくるのかもしれないです。
 なお、亀田先生のインタビューが中央公論社のwebに掲載されています。
 
 
 私は三番目に紹介。
 参加者の皆さんは「極楽征夷大将軍」「観応の擾乱」両方とも知らなかったです。
 本の紹介はまず「極楽征夷大将軍」の帯の煽り文句から始めました。
 そしてどうして尊氏が青年時代無気力だったのか、そんな尊氏を盛り立てた弟足利直義、足利家の執事高師直の事に触れつつ、将軍になった後、直義と師直が人心を失った事で尊氏が独り立ちし、成長していく、と紹介しました。
 読書メーターに書いていない事として尊氏の最初の主君、後醍醐天皇に手厳しい批判を「極楽征夷大将軍」で垣根さんが書いており、南北朝を扱った本で厳しく後醍醐天皇を批判しているのはもしかして初めてかもしれない事、南北朝時代は今でも日本史学界で戦前の影響でタブー視される傾向がある事などを伝えました。
 本を詳しく紹介するのは猫町倶楽部を含めて初めてですが、何とか上手く行ったかな、と思っています。
 繰り返しになりますが、自分の気に入った本を人に読書会で紹介するのはとても難しいです。
 東京経済政策研究会でも勉強会の前にビブリオバトル、と称して本の紹介を行い、動画もあります。
 
 さて、主催者のKさんが紹介したのはこちら。
 
 
 kさんは最近結婚され、子どもも生まれて子育てに励まれています。
 読んでみて、色々参考になる文章があったとの事です。
 幼少期の親子関係はとても大事な事なんですよね。
 
 他のお二人の本も紹介したいのですが、申し訳ありませんが割愛します。
 
 午後9時で読書会は終わり。
 Kさん、そして参加された皆様、どうもありがとうございました。
 また参加したくなりました。
 紹介型の読書会も面白いものですね(^-^)