前記事の続きです。

 前記事「猫町俱楽部 宇野 重規 『民主主義とは何か』」の課題本「民主主義とは何か」には多くの参考文献が挙げられています。

 そしてその参考文献には私の読んだ本がいくつか含まれています。

 せっかくなので別記事としてそれらを紹介します。

 

 

 ダロン・アセモグル、ジェイムズ・ロビンソン「自由の命運」早川書房。2020年に日本でも出版され、話題になりました。著者の一人アセモグル教授は近年ノーベル経済学受賞確実と言われることが多い経済学者で、早川書房から経済学の教科書も出ています。これは面白いのでお勧めです。「民主主義とは何か」で触れられていない、歴史家タキトゥスが「ゲルマーニア」で書いた古代ゲルマン人の民主主義について記述されています。

 

 

 トマ・ピケティ「21世紀の資本」みすず書房

 これは猫町倶楽部でも読書会を行いました。私の猫町デビュー課題本。

猫町倶楽部読書会 東京アウトプット勉強会 「まずは第6章まで!トマ・ピケティ「21世紀の資本」前編【第69回】 」

トマ・ピケティ「21世紀の資本」後編【70回】

 

 

 アレクシス・ド・トクヴィル「アメリカのデモクラシー」岩波文庫

 フランスの政治思想家トクヴィルがアメリカの民主主義について考察した民主主義を語るうえでは欠かせない本。4冊に分かれていますが、とりあえず第1巻上・下を読めば大丈夫なはずです。

 

 

 ルソー「社会契約論」岩波文庫

 フランス革命に影響を与えたという枕詞で語られることの多い名著。ただ、この本は訳がどうもよろしくない。光文社古典新訳文庫で出ているのでそちらを読んだ方が良いかもしれません。

 

 

 ロバート・A・ダール「ポリアーキー」岩波文庫

 アメリカの政治学者ダールの主著。これは面白かったです。アメリカの政治学は他の国のそれとは何だか違うな~と言う事を認識させられました。

 

 

 ブランコ・ミラノヴィッチ「大不平等」みすず書房

 2017年日本で出版。そのとき購入していながらも積読していて今慌てて読んでおります(^^;

 これも面白いです。「21世紀の資本」と同様の格差問題を扱っています。

 ※5月9日追記。

 先ほど無事に読み終わりました。この本は格差について色々な論点から書いており、うまく書評をまとめられませんが、世界的な所得の不平等が拡大しており、それが欧米でポピュリズムをもたらしていることが書かれています。巻末ではではどうしたら良いか、について著者の「アジェンダ」に触れています。

 以前財政学者の井手英策さんが「経済学は不都合な真実を暴く学問だ。」と言っていたのを思い出しました。同時に経済学は不都合な真実に向き合ったうえで人々がどうすれば幸福になるか、考える学問でもあります。

 その事に改めて気づかせてくれた本です。

 

 

 J・S・ミル「自由論」岩波文庫

 英国の経済学者・哲学者ジョン・スチュアート・ミルが自由について書いた本。自由論の名著とされています。旧版の岩波文庫で読んでいて面白かったのですが実家に置いたままになっています。2020年改訳されたので購入しましたが、こちらも積読(^^;

 岩波文庫はいわゆる白帯は悪訳が多く(特に水田洋先生は酷い。あれ日本語なの?)苦労させられることが多かったので改訳をどんどん進めてほしいです。

 

 「民主主義とは何か」を読んだ後でこれらの本に目を通すと民主主義についての理解が一層深まるはずです。