前回の日記の続き。
国立新美術館に行った後で今年初めての参加となる猫町倶楽部東京アウトプット勉強会の読書会に参加。
今回の課題本はこちら。
経営学の名著とされるマイケル・E・ポーター「新版 競争戦略Ⅰ」
出版社のダイヤモンド社の公式サイトでは「 経営学の泰斗、マイケル・ポーター(ハーバード・ビジネス・スクール教授)の「競争戦略論」の改訂増補新版。競争戦略、競争優位の戦略、企業戦略のエッセンスがこの1冊でわかる。経営者、ビジネスマン、経営学者の必読書! 」と紹介されています。
今回参加した訳は昨年末の猫町倶楽部のクリスマスパーティーにてアウトプット勉強会のサポーターさんの一人に勧められたからです。余談ながら彼は今回、私と同じ大学でしかも同じ経済学部経済学科の後輩であることが分かりました。アウトプット勉強会のサポーターにはもうひとり同じ大学出身者がいます。猫町倶楽部はこういうことがあるから面白いです。
二週間ぐらい前から読み始めましたが、実際に読んでみるとこの本は経済学部・経営学部出身であればきちんと理解できるであろうまさに経済学・経営学の理論書の王道であると言えるとの感触を持ちました。読んでみてとても納得の行く内容であり、頭にも入りやすかったです。
恒例の読書メーターからの引用です。
「 猫町倶楽部東京アウトプット勉強会1月の課題本。定評のある経営学のテキストらしい。猫町倶楽部のクリスマスパーティーにてサポーターから勧められて読んでみた。これは久々に良い経済学・経営学の本に巡り会えたと感じた。実践から演繹された著者の理論は非常に優れているし、多くの経営者が実践できるものであると思う。経営者以外の読者もこれを読んで企業はどうあるべきを考察することも出来るだろう。ベージ数は多いが、多くの人に読んでもらいたい。 」
なおこの本は読書メーターやAmazonで難しいという声が数多くありますがそれはこの本は経済学や経営学を大学できちんと学んだ人向けに書かれているからだと思います。論文中には著者の所属大学で行われたCEO向けのセミナーから演繹された論文もあるようにMBA(経営学修士)向けのテキストでもあるようです。
そしてこの本はⅠとあるようにⅡもあります。これは原著の論文の順番を並び替えて二冊にしているためです。Ⅱについてはサポーターに確認したところ、今の所読書会の予定はないそうです。
会場の東京ミッドタウンには午後3時40分に到着。
21階の会場へ。
今回の参加者は予想通り少なくて40名程度でした。
チーム数は6つで、私のチームは7人でしたが1人残念ながら欠席。初参加が1人でした。懇親会で彼に読書メーターを見せてもらいましたが、本当に良い本をたくさん読んでいて、良い書評を書いていました。ただ猫町以外の他の読書会にも行ったことがないそうです。まだ若いのでこれからも猫町、あるいは他の読書会に来てほしいですね。
私のチームは経済学部出身者が多く、コンサルタント会社勤務、そして日本近代思想(明治憲法に関わりのある人物)の研究者など、この本を読むに相応しいと言えるメンバーが揃いました。
今回は私がファシリテーターになりましたが、今まであまりうまく言ってないことを伝えていたので、別の分科会のサポーターの方にアシストしてもらいました。ありがとうございます。
まずは自己紹介ですが、「今年の読書の抱負」を言ってください、とのサポーターの意向で私は「Kindleをもっと使いこなす。そして経済学部出身らしく経済学系の本を出来るだけ読む」と答えました。
実はKindleを昨年買ったのですが、青空文庫の夏目漱石を読む程度で本格的に使えていません。参加者の1人がKindleアプリで課題本を見事に読んでしまったので見習って専門書でも読みこなせるようにしたいです。
他の参加者は「積ん読本を出来るだけなくす」など似ていましたが、面白いのは「図書館で知らない間に二度も本を借りることがないようにしたい。」でした。これは意外と皆さん似た経験があるようで、私も昨年の読書会でのドラッカー「プロフェッショナルの条件」は一度読んでいたのをすっかり忘れていました。
読書会本番に入ります。私のチームでは大学で学んだり、実際の仕事の経験からこの本の内容を理解できている人が多かったです。と言うことで実際の仕事での経験から日本での企業の競争戦略はどうなっているのか、を語る会となりました。
概ねこのような意見でした。
・日本は横並び競争が多い。
・近くの国に進出する企業から相談を受けるが、実はそんなに市場分析をしているわけではなくて、他の企業がやっているから、とかあるいは経営者の人脈などで進出を決めていることが多い。
・日本の経営者は市場分析によって経営の判断をしているのはあまりない。
・日本の経営者はある部門の売上を伸ばした結果、経営者に上り詰めたものが多く、まともな経営判断をする能力があまりない。
・・・などなどシビアな状況が語られました。
とは言うものの、最近は流石にこのような状況は改善されつつあるのではないか、とする見方も寄せられました。
その他にも
・この本が取り上げている欧米の事例も実は競争戦略をそれほど考えていたわけではなく、理由は後付だったものも多い。
・インターネットについての考察が弱いのは時代を感じさせる。
との傾聴するべき意見もありました。
余談ながら、読書会のような場では議論の脱線はいつも起こりうるのですが、どういう文脈だったか忘れてしまいましたが、昨年流行ったタピオカはどうなるのか?と言う話も出てきましたね。
今回は他にも色々な経験談が語られ、盛り上がりました。
午後4時半から6時半まで語り合いました。
今回の読書会はとても満足度の高い読書会になりました。
参加者の皆さん、サポーターの皆さん、ありがとうございました。
近くの居酒屋で懇親会。
私のチームでは初参加者が読書メーターを見せて自らの読書を語ってくれたり、あるいは研究者の方から研究者の苦労話などをお聞きすることが出来ました。ある経済学者が「学者はアスリート並みの競争率」と言われていましたが、そんな状況らしいです。研究者は本当に大変ですね。
その他猫町倶楽部のメンバーが読書会以外に行っている「課外活動」も話題になりました。私も「聖書を読む会」に参加したり、単発のイベントに参加したりしています。この日は音楽のイベントが課外活動として行われていました。猫町倶楽部は本を読む以外にこのような楽しさもあるのです。
その後席替えした機会に猫町倶楽部についてブログを書いたサポーターの方とも話し、ブロガーとしての苦労話を語り合いました。
参考までに彼のブログを貼っておきます。
午後9時で懇親会はお開きになりました。
その後二次会にも行ってしまいました。
帰ったのはかなり遅いですが無事に家に帰り着きました。