前回の続きです。
2018年11月24日 土曜日
午後4時からおなじみの読書会猫町倶楽部東京アウトプット勉強会 リチャード・ニクソン「指導者とは」に参加。
課題本はこちら。
第37代アメリカ合衆国大統領を努めた政治家、リチャード・ニクソン氏が自らが会った世界各国の指導者の評伝であり、ニクソン氏による指導者論。
この本は単行本が父の蔵書にあり、パラパラと読んだだけですが、とてもおもしろそうな本でした。
文春学藝ライブラリーに入った時に買おうと思ってそのままになっていましたが、今回東京アウトプット勉強会の課題本になったので読んで参加することにしました。
なお、参加者から指摘があって思い出しましたが、この学藝ライブラリー版は単行本を更に編集したものです。
単行本ではインドネシアの建国者スカルノ大統領やオーストラリアのメンジーズ首相が収録されていました。
この学藝ライブラリー版では旧ソヴィエト連邦のニキタ・フルシチョフの章の後半がなぜか彼の後継者レオニード・ブレジネフになっていて違和感がありましたが、元々は別の章だったことも思い出しました。
恐らく大国の指導者であることと、一章につき一人、と言う制約を設けて再編集したのでしょう。
「マッカーサーと吉田茂」は違いますが、これは日本の占領期の話で特殊だから例外なのでしょうね。
この「指導者とは」はさすが百戦錬磨の権力者ニクソン氏が書いただけあって重厚であり、文章としても優れています。
簡単に読めるものではありませんが、読み通せばもう一度読みたくなるくらい優れた書物であることが分かると思います。
ニクソン氏はウォーターゲート事件という権力者としてあるまじき事件を起こしましたが、米中国交回復、ベトナム和平交渉などで優れた政治家であることを証明しています。
優れた文章を書く政治家が欧米に多いとはよく言われることですが、彼もその一人です。
この事も例会で指摘されていました。
「ガリア戦記」を書いた古代ローマの政治家ユリウス・カエサル以来の伝統でしょう。
例のごとく読書メーターから感想を貼っておきます。
「猫町倶楽部東京アウトプット勉強会の課題本。前から興味があったので読むことにした。ニクソンアメリカ元大統領が自分が会ったチャーチル、ド・ゴール、アデナウナー、フルシチョフなど世界各国の指導者について論じる。指導者たちの人物像だけでなく、彼らが率いた国の外交・軍事政策について論じられ、真実味がある。著者のニクソン氏を含めこの本に載っている指導者たちは全て故人だが、これは紛れもなく混迷した現代の政治についての実践的な参考書になる名著であると思う。ニクソン氏がウォーターゲート事件を起こしてしまったのが本当に残念。」
前回書いたBunkamuraのある渋谷から表参道経由で東京メトロ乃木坂駅へ。
余談ながらこの時六本木は乗り換えがあるとは言え、たった二駅しか離れていないことに今更気づくというお間抜けに気づきました。
今まで別ルートだったのですよ、あはは。
時間があったので例によって都会のオアシス檜町公園へ。
早くもクリスマスツリー。
でも待降節・アドベントまであと二週間もあるんですけど(^.^;
…とクリスチャンらしく言ってみる。
カモがおりました。
「寒いからって俺たちを鴨鍋にして喰っちまうなよ」と言う声が聞こえたような(^.^;
午後3時半東京ミッドタウンの近くの会場着。
すでに数人来ていました。
今回久しぶりに再会できた友人もいて嬉しくなりました。
意外な方(詳細は伏せます)と再会できたのも嬉しかったです。
私の班は7人だったと思います。
初参加が一人ですが、その方は名古屋の猫町倶楽部のツワモノでした。
名古屋や関西の猫町から遠征してくる参加者はかなり多いのです。
午後4時から開始し、前置きを経て4時半から本番。
「人の批判はせずに本の感想を述べ合う」というルールの下、様々な意見が出ました。
とても書ききれないので、印象に残った発言を書いておきます。
一番印象に残ったのはこの発言。
「組織にいるマネジャーとリーダーの違い。それはマネジャーがマネジメント、つまりリスク回避の行為を行うけれども、リーダーはリスクを自ら取りに行き、それを組織の他の人に説明できる人だ。」
これはみんな納得。
だから私も含めてほとんどの人がマネジャーまでしか務まらないのですね。
そして「マネジャーはリスク回避、つまり前例踏襲になってしまうから、変化が必要な時はあまり役に立たない」との発言も。
この発言をした人は人生経験が豊富そうな雰囲気でしたが、ビジネスの場面でその様な経験を積まれたのでしょうか?
他の発言。
「ニクソン氏が選んだ政治家は自らの政治的イデオロギー、共和党の標榜する保守の側に立つ人がほとんどで、偏りがある。」
これは仕方ないですね。
著者がニクソン氏の逆の政治的イデオロギー、左派、リベラルの立場であっても自分と似た立場の人を選ぶだろうし。
これに関連して「政治の事が嫌いな人はこの本をまともに評価しないだろう」との感想も。
私は中道左派(社会保障重視派)を自認していますが、このニクソン氏の本は高く評価しています。
「この本を読むと米ソ冷戦下の状況がよく分かる。」
そのとおりで、この本を読むと米ソ冷戦下の緊迫した当時の状況がよく理解できます。
私は「国民投票でEU離脱を決めた英国の指導者(キャメロン前首相・メイ現首相)はチャーチルに比べてあまりにも情けないと思う」との感想を述べました。
EU離脱を決めた英国の国民投票は民主主義の問題として捉えられていますが、私はそうではなくてリーダーシップの問題として捉えるべきではないかと思っているからです。
民主主義政治におけるリーダーシップの問題と言えば良いでしょうか。
この「指導者とは」でもマスコミの発展した現代の政治についてニクソン氏が少し考察しています。
その他、ニクソン氏がケネディ元大統領とのテレビ討論により1960年の大統領選に敗北したエピソードについて語られるなど、色々話題が広がりました。
余談ですが、最近話題の山口周さんの「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか」を読んだ参加者の感想も出てきました。
この本は私も読みましたし、猫町での知り合いも読んで読書メーターに感想書いたり、別の読書会での課題本になったりとブームになってるようです。
午後6時半にお開き。
今回も楽しかったです。
参加者の皆様、そしてサポーターの皆さん、ありがとうございます。
そしていつもどおり近くの居酒屋での懇親会に参加。
今回は久しぶりにゆる席と称したテーマごとの班に分かれて席替えがありました。
楽しさのあまり三次会まで行ってしまいました。
遅くなりましたが、無事に帰宅。