お店づくり応援隊より
Vol 28 都心と地方

『土地柄を意識する』

 

都心と地方ではお店のデザインへの考え方が違うことがあります。

 

以前、多店舗展開をしている、とある業態のデザインをしました。

業態名を言ってしまうとどこか想像がつくので、とある業態としておきます。

 

まずは当然ヒアリングをします。

全国展開のナショナルブランドなので、企業理念、今後の方向性、

マーケットのあり方等々から、いつも通りにコンセプトを構築していきます。

 

計画立地は都心ではなく地方の郊外型。

 

その時こういう一言がありました。

「あまりカッコ良すぎるお店にはしないでください」と。

 

????? どういう事?

 

いやいや、カッコいいお店の方がいいでしょうって。

 

デザインする側として、

特にとんがったデザインをするつもりはありませんが、

競合店に負けないような独自性に加えて、

やっぱりカッコいいお店にしたいものです。

 

カッコ悪いお店という意味ではないのは理解できますが、

その真意がよくわかりませんでした。

 

曰く・・・田舎のおじさんが長靴はいて軽トラで乗り付けてくるので、

あまりカッコ良すぎると敬遠されるという事でした。

 

要はターゲット層もほぼ成人より上で(実際の客層は結構年配が多い)、

地域密着・親しみやすさを考えれば、

都心によくあるシャープでトレンディな

店舗では入りにくく敬遠されるという事でした。

 

 

 

その辺りのバランスをとって欲しいとのオーダーなんですね。

 

確かに場所場所によって、

受け入れられやすい雰囲気や様相ってあるものです。

なるほど~って思いました。

 

そういえば若い頃、

四国の田舎町でスーパーマーケットの

デザインプロジェクトに参加したことを思い出しました。

 

その時の提案デザインに対し、

確かにハイカラすぎるデザインには

オッ!という感動と共に多少の迷いみたいなものを感じました。

 

街に馴染んで、地域住民に受け入れられるデザインの考え方、

一概に都心も地方も同じではないと言う事ですね。

 

立地=土地柄ともいえます。