August 13, 2013 Hawks at Lions - Game 100 | Peanuts & Crackerjack

Peanuts & Crackerjack

Dedicated to the Saitama Seibu Lions organization and its players, baseball itself, and those who want to know what counts most in a given situation you are in and to make right decisions in a confident manner everytime. May the 'dose of luck' be with you!




使用している用語についての詳細はこちら → 【 用語集 ( Acronyms, Abbreviations & Jargons ) 】 


$Peanuts & Crackerjack-LionsBoxScore20130813

このエントリーの先頭へ戻る

■ NOTES ■

今シーズンの涌井さんの、
右打者対戦成績(のべ158人).324/.379/.424(被打率/被出塁率/被長打率)を始めとした

全打者対戦成績(のべ294人).292/.350.400という
物足りない成績の原因としては

もちろん、その速球が思うように操れてこなかったこと、

そして特に右打者に対して第3の勝負球として
効果を発揮すべきスプリッター


日によってまた投球によって
思うように操れたりそうでなかったりと

まだまだ安定して、信頼して利用することが難しい
こと、

こういったことが大きな原因として挙げられますが


それでも今シーズン、先発投手としての登板では
その対戦成績がのべ247人に対し.319/.382/.431
であるのに対し

救援投手としての登板ではのべ47人に対し
.159/.178/.250という優秀な成績
を残しているというデータがあり

それではなぜ、同じ涌井さん先発登板と救援登板とで
ここまでその成績の差が大きく開いているのか
を探っていくために

まずは以下、相手攻撃陣の打順別に分けて
2013年ここまでの涌井さんの対戦成績をまとめた表を観ていただきたいと思います。

Peanuts & Crackerjack-#18SP20130813 Peanuts & Crackerjack-#18RP20130813


もちろん今シーズンの救援登板においては

それぞれの打順に置いての対戦打者数が
3~7人とあまりにも少ないため

これだけの“small sample size”をもって
明確にはっきりしたことを述べることは困難ですが

それでも先発登板においては、1~4番までは
まずまずなんとかある程度きっちりと抑えている
のに対し

5番打者との勝負で大きく物足りない成績を残し
その後6~9番まで、なんと4番打者との勝負における成績よりも
物足りない成績を継続している
ということが浮き彫りになってきます。

これをもう少しわかりやすく、視覚的に観ていただくために
今シーズンここまでの、ある程度数多くの先発登板を積み重ねてきた投手たち

(※ #11 岸さん、#17 雄星さん、#21 十亀さん、
   #35 牧田さん、#20 野上さん、そして#18 涌井さん)

そしてライオンズ先発投手たちの総合打者対戦成績を
相手攻撃陣の打順別にわけたものをグラフにて観ていただきたいと思います。

$Peanuts & Crackerjack-LionsStarters20130813

投手によって、例えば涌井さんは5番打者に対し非常に物足りない成績を、
また牧田さんは3番、7番打者に対し非常に物足りない成績を残しているなど

いろいろと打順ごとに浮き沈みがあることがみてとれますが

その“特定の打順”にだけ物足りない成績となっているからといって

だからそこにそれに対応した特定の原因があって、そして
特定の対処法がある、といったものでは決してなく


ある程度“運”そして“random variation”の要素が強いため

むしろそんなことを気に病んでいては
ますますその打順の打者との勝負において自信を失って投球し

結果ますますその成績を悪化させる悪循環
となりますから
まったく気にする必要はないと言えます。

ただ、相手攻撃陣はラインアップを構成するにあたって
当然のことながらその上位に重点的にその自慢の打者たちを置きますから

ライオンズ先発陣総合成績を示す濃紺の太い線が示すように

3番~5番の成績がある程度物足りなく、続いて1番打者に対しての成績、
そしてその他の打順の対戦成績は相対的にある程度優秀であることが

先発投手として通常の成績の推移である
と言えますが

その中で注目すべきは涌井さんのほぼ真逆に近い成績

つまり1番打者に対して最も優秀な成績を残すなど
1番~4番まではチーム総合成績を上回る成績である
のに対し

その5番から9番に至るまで“継続して”
チーム先発陣総合成績を大きく下回る
非常に物足りない成績を残している
ということです。

それではこの、先発投手・涌井さんが
ラインアップの下位の打者たちに弱いという
現象
の原因を探っていくためにも

続いて2013年ここまでおよび2012年の涌井さんの
相手攻撃陣打順別対戦成績の推移を先発登板時、救援登板時に分けて
グラフで見ていただきたいと思います。

Peanuts & Crackerjack-#18ALL20130813

Peanuts & Crackerjack-#18ALL2012

上でも述べましたように、2013年の救援登板成績は
まだまだ“small sample size”の域を超えないため

その成績はある程度乱高下が激しく見られており
ここから何かを明確に読み取ることは非常に困難ですが

(※2012年の先発登板成績も同様にのべ66度の勝負、
  打順別には5~8度にとどまるため
  ここからも何かを明確に読み取ることは非常に困難です)

それでも、クローザーとして30セーヴを挙げ
対戦打者成績ものべ205人に対して.258/.312/.328であった
昨2012年シーズンの救援登板成績
をみると

もちろん相変わらず

ラインアップの上位の打者たちに対してはある程度優秀な成績を残し
5番打者に対しては突出して物足りない成績を残すとともに

その後下位に座る打者たちに対しても
そこまで相対的に優秀な成績とまではいかない
ものの

それでも6~9番の打者たちに対しては
まずまず平均定期な成績を残している
ことが読み取れますから

つまりは、涌井さんが特に相手ラインアップの
下位に座る打者たちに弱いという現象は

その先発登板時において顕著に、大きな課題点として現れる

こう結論付けてよいものであると評価できます。

ここから原因として考えられることは、

もちろん先発投手は長いイニングを消化していくことが求められるため
どこかで投球に強弱を、メリハリをつけていく必要があるものの

涌井さんは今シーズン、その集中力の高い“強”の投球時には

ラインアップの上位に座る打者たちに対する
相対的に優秀な成績に顕著にみられるように

まだまだ素晴らしい精度を誇る投球
を魅せてくれており

それが強弱やメリハリが求められず常に“強”の投球が求められる、
限られた対戦打者数との勝負をこなす救援登板時の

涌井さんの優秀な対戦成績にも繋がっている
と観察できますが

逆に1番~4番に座る打者たちとの対戦を終え、
多少ほっとして“弱”の投球へと切り替わっていく中で

特に5番打者に対し非常に物足りない成績を残したり
その後9番打者に至るまで引き続き
物足りない成績が継続している、ということ
であろうということです。


おそらく涌井さんもこの、先発登板時に
相手攻撃陣の下位に座る打者たちに対して
物足りない成績を残しているという現象
を既によくわかっており

何とか改善するべく、集中力をできるだけ維持して
下位の打者たちにも勝負を挑んでいこうとしている
ことと推測されますが

それでも今日のように、逆にその意識が過剰に働き死球を与えたり

そこである程度リラックスしてメリハリをつけることができず
走者を数多く背負って上位に打順が返っていく中で

苦しいまま緊張の糸を目一杯に張りつめ続け今にもプツンと切れそうになったまま
一杯いっぱいの青息吐息の状態
数多く失策を犯したりして

結果大量失点を喫してマウンドを早々に降板する姿を見ていると

 

やはり、現状ではその多少抜いた“弱”の投球は
ラインアップの下位に座る打者たちに対して“さえ”も
もはや通用する水準を満たしておらず


だからこそ、常に“強”の投球を継続する救援登板時に
どれだけ素晴らしい投球を魅せてくれて
いても

長いイニングを消化する中で、どうしても
強弱やメリハリが必要不可欠である先発登板時
においては

その“弱”の投球における物足りない成績が大きく足を引っ張り
数多く走者を塁上に背負ってはラインアップの上位に返るという

もはやメリハリもつかずに常に緊張状態を強いられていく中で
青息吐息、あっぷあっぷの状態で大量失点を喫し早期降板が続く
のでしたら

先発登板において継続して優秀な成績を残すことは
とりあえず今のところは明確に、非常に困難である
と評価せざるを得ず

逆に少ない対戦打者数の中で常に高い集中力を維持し続ける
救援投手としての登板、起用がベスト
ではないかと評価できます。

涌井さんには、先発投手として
それほど高く強い意識でなく“通常の”集中力で投球すると

もはや既にラインアップの下位に座る打者たちに対しても
歯が立たない、通用しないという事実をぜひ重く受け止


今後先発投手として活躍していきたいか
救援投手として活躍していきたいかを問わず

その投球レパートリーについて、一旦根本から見直し
一歩一歩、“baby step”-赤ん坊のよちよち歩き-でかまいませんから
確実に、着実に再構成していってほしい
と願います。
このエントリーの先頭へ戻る

$Peanuts & Crackerjack-LionsOffense20130813
このエントリーの先頭へ戻る

$Peanuts & Crackerjack-LIONS_ISM_2013

   

このエントリーの先頭へ戻る

Peanuts & Crackerjack-LionsStarter20130813a
このエントリーの先頭へ戻る

Peanuts & Crackerjack-LionsStarter20130813b
このエントリーの先頭へ戻る