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★ Defense - starting pitcher ★
今日の岸さんはその65球目、5回0アウトでの陽選手の弾き返した打球を足に受け、
残念ながらそのまま負傷降板となったため消化したイニングは4に留まり
成績を評価するにあたっても、どうしてもある程度“参考記録”の注釈がつくことを
まずは初めにお断りさせていただきます。
そんな今日の岸さんの残したストライク率は約67.7%を記録、
みごとほぼ2/3という非常に素晴らしい成績を残すことに成功しました。
19度の打者との勝負を観ていっても、うち2ボールまでいったのがのべ7度で
1ボール以内での勝負も約63.2%とこちらもほぼ2/3を記録する素晴らしい成績、
今日は初球ストライクを取った勝負を計15度と
全体の3/4を超えてくるまで非常に数多く積み重ねていくことに成功、
加えて何といっても初球から2球続けてボールとなった勝負を実に計0度に抑えることに成功するなど
まさに非常に大胆に、ゾーンを攻め続けていくことに成功したと言え
結果3ボールまでいった勝負をのべ2度、そして何より四球を0個に抑え
みごとに余計なボール球や余計な出塁を極力抑えていくことに成功しましたから
今日の岸さんは全体として非常にうまく、
ストライク・ゾーンの中で大胆に勝負し続けることに成功したと高く評価できます。
そんな今日の岸さんの投球の詳細を振り返っていきますと
今日は平均141.5km/h、最高146km/hと安定して140km/h台前半を計測、
時折数球ではありますが140km/h台後半を記録し
いつもよりだいたい2km/hほど(今シーズンここまでの平均は139.2km/h)上回ってくる
その自慢の速球を全体の約57%と実に6割近く利用していきながら
投球の軸としてはいつも通りその速球に加えカーヴ、チェンジアップといった
3つの勝負球に置き、それらを数多く駆使していき
加えて今日は主に右打者の外角に沈ませていくスライダーをも
全体の1割を超えるほどまで数多く織り交ぜていく投球を展開、
今日奪ったアウト全12個の内訳を観ていきますと
外野手の処理したフライアウトを計2個のみに抑えていきながらポップアウト2、
そして三振4個に加えグラウンドアウト4個と
三振やグラウンドアウトを数多く奪っていきながら
アウトを積み重ね、イニングを消化していく本格派投手の投球を魅せてくれたと言えますが
結果4イニングを投げて投球数65(1イニング平均約16.3球)にまずまずうまくまとめるものの
奪われた出塁については、四死球0は高く評価すべき点ですが加えて単打3・二塁打4で計7個とかさんだことは
そのうち二塁打2個は不運な安打であったことを差し引いたとしても
多少反省すべき点として残ったと言え
失点・自責点共に3というある程度物足りない成績として残ることとなりました。
今シーズン、涌井さんがブルペンに回り、クローザーの位置で1シーズンを過ごしたことは
もちろん涌井さんにとっても、非常に貴重な経験として残ったことと思いますが
同時に涌井さんが抜けた先発陣の中で、そのキャリアで初めて
“エース”の活躍を求められた岸さんにとっても同じく、非常に貴重な経験として残ったことと思います。
2007年に岸さんがデビューをした時から、ライオンズの先発ローテーションには
涌井さんという素晴らしい、既に偉大な“エース”が
その絶対的な中心軸として常に安定して存在し続け
非常に緊迫の、味方攻撃陣もそうそう得点を順調に積み重ねていくことの難しい
相手チームのエースの登板するゲームで当然のように先発するのも、
またシーズン最終盤の、同じく非常に緊迫の“must-win game”、つまり
必ず勝利を獲得することを求められるここぞの非常に重要と位置付けられるゲームで
登板間隔を詰めてでもこちらも当然のように先発マウンドを踏むのも
それは常にライオンズのエース、涌井さんのこなすべきしごとでした。
岸さんは2007年から2010年まで3年連続で10勝を挙げ、2011年も9勝と
安定して非常に素晴らしい成績を残し、チームに多大な貢献を残してきたと非常に高く評価できるものの
そこには、常に涌井さんがライオンズのエースとして非常に厳しいマッチアップをこなしつづけ
相手チームの常に矢面に立ちはだかり続けてきたという要素があったことも確かであると言えます。
そんな岸さんでしたが、今シーズンは涌井さんがブルペンに回ることとなり
当然のことながらその積み重ねてきた実績から
2012年のライオンズのエースを担うのは岸さんをおいてほかにいない、という立場となり
今シーズンはライオンズのエースとして、ここまで涌井さんが常に担ってきた
非常に厳しい、けれども非常に数多くのことを経験し吸収できる登板の数々をこなし続けていくことなりました。
もっとも、杉内・和田両投手の抜けたホークスやDarvish投手の抜けたファイターズのように
シーズン前からそのポジションを誰かが埋める活躍を魅せる必要があることが明確だったわけではなく
序盤とはいえ、誰かが涌井さんの代わりにエースを担う必要が出てきたのはシーズン途中でしたから
なかなか岸さんも自覚や覚悟を始めその準備もじゅうぶんであったとまでは言えず
もちろん内容としてはその奪三振数や被打率などを始め
エースの地位を当然のように要求するにふさわしい抜群のものではあるものの
残念ながらどうやら優勝を狙うチームのエースとしては
その成績としては多少物足りないものに留まることとなりそうですが
それでも今シーズンここまでほぼ1シーズンを通して、初めて“ライオンズのエース”として
数多く相手チームのエースとのマッチアップを始めとした非常に緊迫のそして重要なゲームに登板し続け
時にはうれしい勝利を積み重ね、そして時には悔しい敗戦を喫していく中で
チームのエースとして、岸さんがこれまで以上に素晴らしい成績を残していくためには
何が必要になってくるかが明確になっていったのではないかと思います。
恐らく来シーズンは涌井さんが再びエースとして、先発ローテーションに戻り
非常に緊迫の登板を当然のように淡々とこなし続けていくことと思いますが
岸さんも、だからといってまた以前のように、
“エース涌井さん”ひとりだけにライオンズの先発ローテーションを支え続けてもらい
当然のように涌井さんがエースの立場を独占し
開幕ゲームやシーズン最終盤の非常に重要なゲームでも
彼ばかりが当然のように指名され続けるのではなく
来シーズン以降は、常にそこには涌井さんと共に岸さんの名前が当然のように並列で挙がる、
そんな“双璧をなす2人のエース”という切磋琢磨しあう関係と実績とであり続けてほしい、
そのためにも岸さんには今シーズンの経験をみごとに活かし、涌井さんに堂々と競りかけ
そしてそれを超えてくるような抜群の素晴らしい成績を残してほしいと願います。
そのためにも、今日は不運にも打球を足に受け早々に降板をせざるを得ず
9/23 ファイターズ戦の悔しさを晴らし、これこそエースという投球を魅せ続けるまでには至らなかったのですから
もちろん、今日の負傷の具合が問題ないようであれば
恐らく今シーズン最後の登板となるであろう次回登板では
再度、ライオンズのエースであることを証明する素晴らしい投球に、
そして素晴らしい成績を残すことに挑戦してほしいと願います。
もはやその投球内容は既にエースの活躍を可能にする抜群のものを残しています。
後は何より岸さん本人の、エースとしての自覚と覚悟、そして準備にかかっています。
今後の岸さんの長きにわたる、超一流の先発投手としての活躍を
心より願っております。
★ Offense ★
今日のライオンズ攻撃陣は得点圏にランナーを置いての打席は計16度、
その内訳は 2-13(うち三振3)、四球3で得点圏に残塁6・得点2という成績、
また今日は9安打に加え3四死球で奪った出塁は計12、失策による出塁1・野手選択による出塁1を加えた
その全14人のランナーの行方は残塁11、二塁封殺1で得点2という結果でした。
今日は全4打席で計17球を費やさせながら
四球1・単打3で計4度すべて出塁を奪うことに成功した大﨑さんや
全4打席で計16球を費やさせながら三振1の一方で
四球1・単打2で計3度の出塁を奪うことに成功したOrtizさんなどを中心に
結果攻撃陣全体の打席全40度のうち計10度で5球以上を費やさせるに留まるものの
そこで三振3個を奪われる一方で四球2に加え単打2を奪うなど
ファイターズ先発、Wolfe投手に対し
5 1/3イニングで計83球(1イニング平均約15.6球)を費やさせると共に
またファイターズ投手陣全体に対しても
9イニングで計135球(1イニング平均約15球)を費やさせるまずまず合格点の素晴らしい成績を残し
奪った出塁も四死球3個をはじめ計12個と
こちらもまずまず素晴らしい成績を残すことに成功、
また加えて今日は彰吾さんの今シーズン2本目となる二塁打1本といった
ライオンズ攻撃陣本来の魅力である長打についても魅せることに成功しますが
結果残塁11に加え得点は惜しくも2を積み重ねていくに留まりましたから
もちろん、昨日のまったくと言っていいほど出塁を奪うことのできなかった攻撃から
出塁を12個積み重ね、また走者を得点圏においての打席も16度積み重ねることができたことは
今後の攻撃に繋がる非常に素晴らしいものであったと高く評価できるものの
今日は残念ながら惜しくもあと一歩のところではありますが
全体としてうまく、そのしごとをこなすことに失敗したと評価できるライオンズ攻撃陣でした。
今後も基本的にはこれまでと何一つ変えず、そして効率的な攻撃に頼り過ぎることなく
とにかくまずは残塁を恐れずに
数多く忍耐強く闘い続ける打席を創り出し続けていきながら
初球から積極的に狙い球を絞って鋭く弾き返していく中で効果的に織り交ぜ続け
出塁をひとつひとつ奪い続け、積み重ね続けていくことだけに最大限・最優先に集中し続けていき
その上で1点1点をスコアボードに記録し続けていってほしいと願います。