★Tips 1 : 今日の岸さん、ストライク率は約65.6%、約2/3という素晴らしい成績でした。
28度の打者との勝負のうち2ボールまでいったのがのべ7度
(プラス盗塁阻止により打席のやり直しとなったもの1度)、
3ボールまでいったのがのべ2度、そして四球1で
1ボール以内での勝負が75%、つまり3/4とこちらも素晴らしいものでした。
今シーズン今日の登板を含め9ゲームで先発登板した岸さん、
今日の登板前までで既に3勝を挙げておりますが、いずれも大量得点の援護に守られてのもので
個人の投球結果としての成績で見ると奪三振率は優秀なものの
ボール球を投げる率が非常に高い登板が続き、高い四球率と高い本塁打率が
今シーズン当初からの岸さんの大きな課題でした。
そういった意味では、今日の岸さんは
奪三振1ながら12のグラウンドボールでアウトを奪い、
ボール球をかなり減らしつつ与四球1のみ、被本塁打0という
今シーズン初といっていい素晴らしい投球で
もちろん捕手銀仁朗さん、一塁手浅村さん、右翼手熊代さんなどの素晴らしい守備に感謝しつつも
8イニングを投げて自責点0という素晴らしい結果に結びつけましたね。
岸さんと今シーズン初対戦のファイターズ攻撃陣に対し
もちろん昨シーズンまでと同じく速球、カーヴ、チェンジアップが
それ単体としても、そしてコンビネーションとしても素晴らしいものでしたが
今シーズン本格的に駆使するようになったスライダーを
今日は右打者の外角に、左打者の内角にうまく見せ球として、そして勝負球として利用し
更にコンビネーションの幅が広がったことで
12個のグラウンドアウトに象徴されるように
ファイターズ攻撃陣の打ちそこないを数多く誘発していましたね。
岸さんには今後、シーズン後半戦そして終盤になっていけばいくほど
更に素晴らしい投球を魅せ続けていってほしいですね。
★Tips 2 : 今日のライオンズ攻撃陣は得点圏にランナーを置いての打席は計8度、
その内訳は 0-5(併殺打1)、四球3で得点圏に残塁4。
今日は6安打・4四球と出塁は10、その10人のランナーの行方は
9残塁、併殺打1で得点0という結果でした。
今、どんな時よりも目の前の1勝が、目の前の1得点が“常に”
のどから手が出るほど欲しい心理状態で
もちろん逆も同じように目の前の1敗が、目の前の1失点が“常に”
どんな時よりも避けなくてはならない、非常な苦痛であり恐怖となっており
つまりは選手たちは今、のべつ幕なしに、四六時中、強い緊張状態を強いられており
うまく力を抜いたり、リラックスしたりしながら
ここぞの集中ポイントでうまくスウィッチを切りかえる、ということが
非常に困難な状況下にあります。
もちろんミスや失敗(得点圏のランナーを残塁させるなども含む)は
当該選手自身が振り返って反省し、その糧とし今後に活かす必要がありますが
これだけミスが頻発し、選手たちが力み焦り、チグハグなゲームが続くということは
ライオンズに所属するすべての選手(そしてもちろん首脳陣も)個人個人が
とれだけ強がって諦めていないと連呼してみたところで
実際、身体とアタマは完全に萎縮しこわばってしまっている証拠。
それでも、そんなどうあがいたところで結果がついてこない状況の中で
ゲームに出場し続け、思考停止せずに自分自身のアタマで考え悩み続け、
自分で設定した課題を明確に持って更に試行錯誤し苦しみもがき続けることは
選手個々人にとっては素晴らしい経験となって来シーズン以降に活きてくるもの。
こんな時だからこそ、自分がその力で獲得した勝負の一瞬一瞬では
後悔を残さないほどに最大限力み続け、焦り続け、悩み続けていくことで
じゅうにぶんにその瞬間瞬間を“楽しんで”ほしいですね。
こういった修羅場を何度も何度も力んで力んで経験し続けてこそ
だんだんとプレッシャーのかかる局面でも冷静に、広い視野で
“自分のできること”に徹することのできる大ベテランになっていけるのですから。
★Tips 3 : 今シーズン、ライオンズに加わったルーキー、
熊代さんの外野守備はほんとうに素晴らしい。
もちろん同じルーキー、秋山さんも素晴らしい守備を魅せてくれていますが
熊代さんの素晴らしさは打球判断の素早さによる“一歩目の速さ”にあり
それが彼を“球際に強い”外野手にしているようですね。
秋山さんは素晴らしい脚と肩を誇りますが
残念ながらこの“一歩目の速さ”が現在のところ未熟で、
大飛球をあと少しの所で追い付き損ねたり何とか追い付いても捕球し損ねたりと
まだまだ“球際に強い”外野手とまでは言えず、熊代さんに今のところ水をあけられています。
ただ2人とも、近い将来必ずライオンズの外野で活き活きと躍動する姿を
観客の前で魅せることができる選手へと成長していくことが
じゅうぶん可能であることは確かな素晴らしい選手です。
場を与えられる限り、チームの勝利に、
つまり攻撃・守備両面において得点を挙げることに、そして失点を防ぐことに
どうすれば大きく貢献できるかを考え続け、実行し続けてほしいですね。