chess match | Peanuts & Crackerjack

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Dedicated to the Saitama Seibu Lions organization and its players, baseball itself, and those who want to know what counts most in a given situation you are in and to make right decisions in a confident manner everytime. May the 'dose of luck' be with you!

$ピーナッツとクラッカージャック-BS20100714

今日のゲームでは選手起用を含め
様々な戦術と戦術の衝突を見ることができました。

まずはライオンズのスターティング・ラインアップから。

6番にホセさんを三塁手として起用、また
9番に上本さんを捕手として起用してきたように

守備面に関していえば、野手陣に対しては
特に重要な局面での堅実なプレイだけを求め

あとは投手陣に大きな責任を与え、自覚を促すもの。

これだけはっきりと“ビッグ・ボール”を貫くという
首脳陣のメッセージが表現されていれば

投手陣も野手陣も予めこころの“準備”ができており
その勝負の一瞬一瞬において余計な力みや迷いなく
その戦略にのっとって最適な集中力を発揮しやすくなるもの。

そしてファイターズの“スモール・ボール”戦略に対し
ライオンズの投手陣が、バッテリーが対策を講じるならば

まず第一に、イニングの先頭打者を出塁させないこと。

そして第二に、もしその打者を出塁させてしまったとしても
犠牲バントなどで簡単にそのランナーを進塁させないこと。

今日のファイターズ先頭打者出塁は
1回、2回、5回、9回の4度で

うちすべてで犠牲バント戦術を採用してきて
死球、成功、併殺打、空振り三振と成功は2回の1度のみ。

初回の森本選手への死球も
結果は死球ですがその意図、狙いが強くにじみ出るもの、


7回はバントでの先頭打者出塁を試みる紺田選手を
上本さんが堅実な守備でアウトにとりますし


9回は先頭打者出塁後犠牲バント戦術が失敗し
1アウトランナー1塁に釘づけの場面で

どうしてもランナーを得点圏に進めたいファイターズは
ランナー、田中選手が盗塁を試みるものの

これまた上本さんが堅実なスローでアウトにとります。


ライオンズ守備陣も今日はきっちりと
ファイターズ攻撃陣対策の準備をしてあり

それがうまく成功し、
13残塁と2失点という結果をもたらしたのでしょう。

そしてチェス・マッチといえばまずは
5回、0アウト1・2塁から糸井選手に犠牲バントをさせず
2ストライクから平尾さんへの併殺打に野上さんがきってとり

2アウト3塁で坪井選手を迎えるという場面での
岡本篤志さんへの継投。

2アウト、得点圏でのランナーというものは
あと1アウトでそのランナーは消滅してしまいますが

同時にバットにボールが当たった瞬間に
ランナーは迷わず自動的にスタートを切れるため

実はかえって失点に結びつきやすいという
大きなリスクを含んでいることも重要な事実。

この継投にこめられた首脳陣のメッセージ
的確にライオンズの選手たちに伝わり

篤志さんはパワーピッチングを展開し
坪井選手を四球で歩かせた後
陽選手をシュートで詰まらせてアウトに切ってとります。

今後とも2アウト、ランナー得点圏の場面は
特にファイターズ相手の時は最高の集中力で
向かっていってほしいですね。

2つ目の動きは6回表、これまで好投の先発八木投手に替え
榊原投手がマウンドに登った場面。

ライオンズの先頭打者は3回にヤスさんを2塁において
二塁打で1点をもぎ取った平尾さんでしたが

ここでライオンズ首脳陣は義人さんを起用します。

結果はスライダーをきっちりとらえての
右中間へのソロHRとなりますが


義人さんもゲームの後半、八木投手がマウンドを降り
右のリリーフ投手が出てくれば必ず自分にも出番があるはず、

今日こそ昨日のエラー返上の活躍を、と
集中力を保ったまま素晴らしい準備をしていた結果。

こういったわかりやすい左・右の起用は
選手たちにとっても“準備”がしやすく
打席においても最適な集中力を発揮しやすいですね。

そして最後に挙げるのは
9回表、2アウトながら満塁、坪井選手を打席に迎える場面で

この回3つの四球と制球の定まらないシコースキーさんに対し
自らがマウンドに向かい、シコースキーさんと
集まった内野陣とに直接メッセージを伝えた渡辺監督。

その内容は

-9回裏の攻撃があるので、シコースキーには
思い切って腕を振れと伝えました-

ということだったそうですが

そのメッセージの内容が「大量失点だけは避けて
裏の攻撃陣たちにチャンスを」という
的確に正鵠を射る素晴らしいものであったと同時に

2アウトというこの場面で自ら足を運ぶという
1つの“珍しい”パフォーマンスでもって

この場面の重要性を改めて選手たちに認識させ

また、このゲームの勝利に対する首脳陣の
並々ならぬ意欲、執念をひしひしと伝えたことで

各選手がまた新たに最高の集中力を
研ぎ澄ますことができたのではないでしょうか。

結局最後は9回裏、2つの死球と1シングルなどで
1アウト満塁としたライオンズ攻撃陣が

最後は武田久選手から高山さんが放った
鋭いグラウンドボールが田中選手のエラーを誘い

ライオンズがこの熱戦の勝利をもぎ取ることに成功しました。

ファイターズは素晴らしい、徹底され洗練された
“スモール・ボール”チームであることはキッチリ認めた上で

それでも、そうだからこそ相手にとっても
その戦術はある意味わかりやすく、対策も講じやすいもの。

あとは選手たちが相手の戦略に対し
うまく要所要所をきっちり認識し、

そしてそのポイントで相手の道筋を妨げるべく
最高の集中力、能力で向かうこと、

そしてまた自分たちの戦略でもって
得点を重ねていき失点を最小限に防いでいき

最終的にゲームの勝利をもぎ取ってくためには
いま、この状況で自分のすべきことは何なのかを

明確にアタマに描く“準備”をじゅうぶんにして
勝負の一瞬一瞬を最高の集中力で迎えること。

そして戦術は勝負の一瞬一瞬に挑む選手たちに
最高の集中力と能力とを発揮してもらうための

あくまで1つの脇役たる“サポート”でしかなく
主役はその場に挑む選手だということを
じゅうぶんに理解した上で

自らの描いた勝利の、優勝のための戦略を
各選手たちに深く理解し体感してもらう助けとして

“パフォーマンス”や選手起用を含めた戦術を
うまくやりくりしていく首脳陣たちの織りなす

そんなチェス・マッチもひとつの“魅せどころ”。

これからも自分たちの今持っている“手駒”のチカラを
じゅうぶんに信頼しつつ、無いものねだりなどはせずに

要所要所で、シンプルで伝わりやすいメッセージを乗せた
的確な駒の動きをこれからも首脳陣には魅せてほしいですね。



Good Job !  Dive into Lions nation !