週刊Balletfactory -6ページ目

たまには、目線を変えてバレエを楽しむ!

 初めて海外のバレエを観たのは、今から30数年前、英国ロイヤルバレエ団の「リーズの結婚」でした。

今でも、このときのパンフレットは大切にしまってあります。


 あれから30数年、ずっとバレエを観てきているわけですが、

最近、もう「古典バレエ」はだんだん観れなくなるのかな?、生きているあいだに、あとどれくらい、真のクラシックダンサーと言える人にお目にかかれるだろうか?と、バレエを観るたびに考えてしまうのです。


 ずっと、バレエを観ることは、きれいな音楽や動きに酔いしれ、涙する。感性に潤いを与え、また、明日から頑張ろう!というエネルギーのもとだったのですが・・・。


 最近、空振りが多くて。お口直しに、これ観てみようか?状態が続いています。


 これじゃあ、いけない!と古典バレエへの想いは、you tubeで我慢することにし、

新しい風を、バレエ鑑賞スタイルに吹き込むことにしました。


 きっかけは、2月の新国の研修生の発表会。

古典の「シンデレラ」は、スタイルがいいきれいな子達が踊っているというだけで、何も印象に残りませんでした。

が、キミホさんの創作・振付の「人魚姫」では、音楽にのって、生き生きと踊っているダンサー達。

同じダンサーなのに古典を踊っているときとは、別人のようでした。


 そこで、オバサンなりに考えてみました。

今の若いダンサー達は、基礎ばかりのレッスンよりも、ヴァリーエーションを踊る方が得意。

小さい頃から、コンクール慣れしているダンサーは、魅せるバレエは上手だけど、基礎のお稽古をたたき込んだ上に生まれてくる、踊りの巧さを表現することを教えられていない。

音のとりかたや間のとり方、足の上げ下ろし、ステップの踏みかた。ここを魅せてこそ、バレエダンサーではないのでしょうか?(おっと、また熱くなってしまいました。)


 キミホさんの作品のようなコンテンポラリーとクラシックバレエをミックスしたようなものだと、クラシックに要求される細かいステップや足の上げ下ろしから、一糸乱れぬコールド云々よりも、流れるような動きや音楽の乗り、運動神経の良さや小回りのきくうまさに目がいき、多少揃ってなくてもそれぞれの個性と見えてくるのです。


 今の子にあってる!開放感があって、伸び伸びしていると拍手を送りたくなります。


そうすると、今度は、谷桃子バレエ団の創作を観てみよう。スターダンサーズもおもしろいかも?

新国もビントレー作品は、日本人にあっているかも?と。自然と広がっていきます。 


 キミホさんのように、日本のバレエも海外のバレエも経験した若い人たちが、これからの日本のバレエを大きく変えていくのでしょうね。


 楽しみです!


 とはいっても、やぱっり古典バレエが観たいのです。

GWの最大の楽しみは、サンクトペテルブルグバレエシアターの「白鳥の湖」です。あの、ロシアンバレエのキャラクターダンスに早く酔いしれたいなあ。





 


 





 






 

 

 



ゼレンスキーがやってきた!

で、肝心の舞台はどうだったの?


ゼレンスキーはさすが、ダンサーとしてのピークは過ぎているとはいえ、

身のこなし、存在感は圧巻でした。


どんなに高いジャンプを跳んでも、着地のときに音がしない!

これぞ、マリインスキースタイルというのを見せつけてくれました。


ただ、衰えというのは背中からくる。というのは、凡人もダンサーも同じ?

ダイナミックなロシア独特の背中の使い方が観れなかったのが残念。


それだけ?


こんなときに、来日してくれるだけでありがたい!

でも、そこのところはちょっと置いといていうならば、


実は、ゼレンスキーと上手なジュニアバレエ団のプリマが踊っていると印象が最初から最後までぬぐいきれなかったのです。


これは二人の身長差によるものなのか?

小さく華奢な小出さんが、大きなゼレンスキーにぶらさがって踊っているという感じ。

小出さんが踊りにくそうと思ったのは、私たちだけ?


バレエはトータル美だと思うので、まずダンサーたちのバランスがものすごく気になるのです。


脇を固める男性ダンサーにあと二人くらい背の高い外人ダンサーがいると、そこに目が向き二人の身長差が気にならないよね。


小出さんの魅力を引き出すには、日本人ダンサーのほうがよかったのでは?

彼女は、この役のためにものすごく身体をしぼったよね。

それに、ひとつひとつの表現はものすごくていねいでよかったよね。

これが生かされなかったのが残念。


バヤデールの中心とも言えるコールドは?


ゼレンスキーと一緒に踊るならば、ポアントの足音をたてない!プリエ深く!かかと前から、つま先ピーンは鉄則。


とくに、二幕の影の王国は、ここがモロに現れるところ。

そして、ここのコールドの美しさに酔いしれたいのが、古典バレエファンなのです。

まだ、早すぎたのではないでしょうか?


パートナーがゼレンスキーでなければ、もっと印象も変わりブラボーと拍手を送っていたかも?


古典中の古典作品、バヤデールをゼレンスキーと踊るということはものすごいこと!

頭のてっぺんから足先まで全神経をはりつめて踊らないと、ゼレンスキーオーラにのまれてしまう。


そんななか、この口うるさい、いいたい放題のオバチャンたちの目をひいたダンサーがいたのです。

一幕のパダクションのソリストの一人なんですが。


背が高く、ポールドブラが美しく、彼女のつまさきはピーンでした。

ひとつひとつの動作に移るときのプリエがほかのダンサーに比べて深い。


プリエが深いと、ちゃんとかかとを押してうえに伸び上がっている過程が見える。

その流れがとても美しかったのです。


それが、ゼレンスキーの動きにこたえているかのように見えてくるんですよね。


いつのまにか彼女ばかり目で追っていました。


もう少し、足を鍛えてこのまま育っていけば、彼女のプリマデビューもあるよね?


やっぱりゼレンスキーって凄いよね。

もしかして、上半身をあまりダイナミックに使わなかったのは、背中の衰えじゃなくて

日本のバレエに合わせてくれたんじゃんないの?



おー、また熱くなってしまいました。失礼!













さすがゼレンスキー!

先週、東京バレエ団のバヤデールのキャストが変更になったことを知りました。


なんと、ソロルがゼンレンスキー!


あわてて、ペテルブルグの留学生に電話。

去年、ペテルブルグで観たときは、素晴らしかった!

もうあまり、ゼレンスキーのソロルを観られる機会がないかもしれないので、日本に来るなら絶対観た方がいい!と。


上野文化会館のチケット売り場に駆け込むと、なんとラッキーなことに真ん中の席が残っていました。 


まちだのバレエコンクールの審査員として、来日予定だった、ボリショイバレエ団の芸術監督ブルラカも来日キャンセル。

コンクールのエキシビジョンとして行われる「ボリショイ&ロシア国立バレエ」ガラコンサートも中止。


つい先日、ワガノワバレエアカデミーの研修から帰ってこられた先生も、夏の講習会やコンクールの講師契約が難航してると。


すべて、原発の影響です。


そんななか、日本に来て「バヤデール」を踊るゼレンスキー。しばらく、古典中の古典と呼ばれるダンサーを観ることはできないかも?覚悟して観てきます!