6月から二人の女性が、入会してきました。 

一人は50代の女性で、もう一人は76歳の人です。

 

最初、年齢を聞いた時、よくもま~76歳で津軽三味線を習い始めようとするな、と驚きました。

以前、昔習っていたのでもう一度やってみたいと、80歳の男性がいましたが、その人は昔やっていたからと言うこともあり、さほど驚きはありませんでした。

 

それでもその女性は、昔ピアノとエレクトーンをやっていたとの事で、音感は育成されてるようです。

 

でも鍵盤楽器と弦楽器では、その技法は全く別物であり、ましてや津軽三味線は世界で最も難しい楽器なのです。

 

それは、津軽三味線は撥さばきと指使いが多様で非常にデリケートで難しく、更に千分の一秒での強弱をも表現しなければならないのです。

また一本の解放弦でも、駒に近いところでの、打ち、すくい、滑らし、駒から離れたところでの、打ち、すくい、滑らし、更に指でのはじき、と合計7つの音色を表現するのです。

それだけに、撥さばきによって多様な音色表現が出来るわけです。

ただ単に音階表現だけでなく、格音階での音色表現がこれだけ出来る楽器は世界にはありません。

 

大ホールでのソロ演奏でも聴衆を魅了させられるのは、この多彩な音色表現があるからです。

私も実際に、下田市民文化会館大ホールで47分間、超満員の会場がブラックホールに吸い込まれるほど、聴き入られる公演をしました。

 

更にこの女性は言いました、私はあと20年は続けたいと、「え~96歳まで~、そんなことできるはずないじゃん」と心でつぶやいてしまいました。

 

それに、お稽古の会場は、その女性の自宅からはバスで一時間以上離れたところなので、私がついでに車で拾ってあげます、と言っても断固断るのです

 

昨日も37度の炎天下、お稽古は2時からなので暑さも真っ盛りのなか、6Kほどある三味線を持ちながら来ました。

 

帰りに、こんなに暑いのですから途中で熱中症にでもなって倒れられても困るので、「道すがらですので送ります」、と言っても、「自分を甘やかしたくないのでバスで帰ります」、と固辞されました。

 

こんなに自分に厳しく信念をもった人に会えたのは、私にとっては貴重な出会いだと、老い先短い身にとっても凄い励みとなりました。

そんなこともあり、私は改めて「あと25年以上やらなければ」と決意を新たにさせられた次第でした。

 

クリシュナパワー施術師

津軽三味線演奏家

白井勝文(バール・クリシュナ・フミオ)

sirai-katuhumi@sea.plala.or.jp