今と昔の一番大きな違いは、物質文明の落差です。

私が小学校のころまでは、
白黒テレビや洗濯機や冷蔵庫がやっと家庭に登場する程度で、まだ携帯電話やパソコンそしてDVDやゲーム機
などの娯楽品は全くありませんでした。

道路は砂利道
で車の往来はほとんど無く、個人的移動手段は自転車が主であり、大きな荷物は車の他、牛や馬に荷車で運ばせていました。

ちなみに、私の家も自転車屋でした。

その頃は時の流れが非常にゆっくりと感じられ、その為
小学校の六年間がすごく長かったと、感じているくらいでした。

ところで、今のように
物質文明が高度に発展すると言うことは、それに対する人間の精神的環境も非常に厳しい状態に置かれてしまう、と
言うことに他なりません。

つまり物質文明の発展によって
競争、激変、混迷、困惑、と言った環境に、子供のころから放り込まれてしまう言うことになります。

それでも、それに
対応した遺伝子を持った子供が、もう幼児の時からスポーツや芸術の分野でも、天才教育がおこなわれ、驚異的な成果
あげています。

しかし、それに比較して本来人間として身に付けなければならない精神教育は、
恐ろしいほどに退化してしまっています。

この事にどれだけの人が気付き、そして実際に対処し行動しているか、その点を考えると
絶望的になってしまうのが今の世の中だと想え
ます。

昔は社会全体に、
最低限の道徳心や倫理観と言ったものが醸成されていました。

他人様に
迷惑をかけないこと、人との関係においては優しさや思いやりを持ち、過ちは赦してあげるという寛容の心を持っていました。

そして目上の人には
敬う態度で接するなど、これら人間としての基本的精神性が社会常識として培われていました。

しかし今では、
いじめ問題や聖職者の破廉恥行為など、テレビのニュースや新聞記事となって、よく出てきます。

物質文明の
発展は五感で捉える事ができますが、自己の道徳心や倫理観といった精神的向上は、精神意識を持たない限り、
気付くことす
らできません。

今のような高度物質文明社会は、その文明に則した生活をする為に、高度で多様な知識を身に付けなければなりません。

それ故、子どもの時から
そちらの方だけにしか関心が向けられず、肝心な人間としての精神的成長とはどんなことか?、精神とは何か?、
生きる目的は何か?、などの
人間としての根本的な問いかけすら、出来なくなってしまっています。

これこそが正に、
文明が及ぼす危機、と言うものなのです。

 


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